パパのクルマ、ママのクルマ、お店のクルマ

ステップワゴンスパーダ

先週予告していたとおり、我が家にデリカD:5に代わり新しいクルマがやって来ました。ここまでクルマ選びの話にお付き合いいただいた皆さんはもうお察しかと思いますが、土曜日・15日に我が家に納車されたのは、ホンダ・ステップワゴンスパーダ。エアロパーツを身にまとい、ステップワゴンの上級モデルとして位置づけられている車種になります。

地面から浮き上がったようなフォルムのデリカD:5から、地を這うようなスタイルへ。そしてボディカラーも白から黒へ…と、見た目では「どうしてここまで変わってしまったのか?」というくらいの大胆な変化に見えます。しかし、私たちにとっては実に合理的で自然な選択だと思っています。


我が家の8年ぶりのクルマの乗り換えが、ステップワゴンスパーダにたどり着いた根拠は、3つの切り口から説明できるのではないかな?と思っています。「パパのクルマ」、「ママのクルマ」、そして「お店のクルマ」です。

まずは「パパのクルマ」。我が家に1台だけのクルマになりますが、私の名義で購入し、基本的には私の給料から月々のローンが支払われていくことになります。やっぱり、私自身が気に入ったクルマでなくては面白くありません。

デリカD:5を選んだときにこだわったのが、「運転して楽しいクルマ」であることでした。当時は、悪路や雪道を走破できる性能を求めていたこともあり、あの車にたどり着いたわけですが、結局8年間で雪道を走らせた記憶は片手で数えるほどです。

となると、むしろ大事なのは、「普通の」道路でいかに思いどおりに走ってくれるのか。この点で、現行ステップワゴンの運転感覚は他社のミニバンと一線を画します。アクセルをさほど踏み込まなくてもぐいぐい加速し、ハンドルを切っただけスパッと曲がり、ブレーキを踏むときっちり止まってくれます。ミニバンでは、乗り心地を重視して、車としての反応はあえて緩慢にチューニングされている車もある中で、「運転していて気持ちいい」という感覚が得られるミニバンは貴重です。

ちなみに、ステップワゴンの中でもスパーダを選んだのは、CVTを7速マニュアルモードでも操作できるパドルシフトが欲しかったから…というのが最大の理由なんですが、ステップワゴンでは標準モデルを選ぶ人よりもスパーダを選ぶ人の方がずっと多いようです。たぶん、私と同じようにミニバンでも走りが楽しみたい!と思う人たちが、ステップワゴンにたどり着くからこその選択なのでしょう。

もうひとつこだわりたかったのが、衝突低減ブレーキや自動運転技術などの安全性能。ステップワゴンにほぼ標準装備となっている「Honda SENSING」は、前方の情報を得るセンサーにミリ波レーダーと単眼カメラを併用し、国土交通省と(独)自動車事故対策機構が行っている自動車アセスメントの予防安全性能評価で満点を叩き出し、最高ランクの「ASV+」を獲得しています。「自動運転技術」としては日産・新型セレナの「プロパイロット」が注目されていますが、実はHonda SENSINGも、高速道路で渋滞にハマりさえしなければ、車間距離に気を配りつつ速度を維持し、車線の中央あたりを走るようにステアリングを動かす…という、ほぼ同レベルの運転支援を提供してくれます。

衝突低減ブレーキの装備により、追突事故の件数が激減しているという調査結果もあるそうで、来年には衝突軽減ブレーキを装備した車に自動車保険の割引が適用される方向のようです。そんな損得勘定はともかく、クルマの装備で事故が確実に減らせるというのなら、そこは絶対ケチるべきではありません。


クルマを買うのは名義上は私ですが、実際に我が家でいちばんたくさんこのクルマを運転するのは妻になります。というわけで、「ママのクルマ」という視点を外すわけにはいきません。

デリカD:5のときには、私のワガママを妻に納得してもらうために四苦八苦したんですが、今回は妻もステップワゴンを実に気に入ってくれました。オプションとして何を付けるかも一緒に考えてくれて、何とエクステリアパーツにまで彼女の提案を取り入れました。デリカのときにはとても考えられなかったことです。

彼女が気に入ってくれた最大の理由は「運転しやすかったから」ということだそうです。先に触れたとおりの、思い通りに動いてくれる運転感覚を、彼女流に表現してくれたのだと思います。そもそも、比較対象がより大型のミニバンであるデリカD:5で、視点もより低く乗用車に近くなっていますから、そう感じるのは当然ではありますが。

そして、もうひとつ喜んでもらったのが、月々のガソリン代が安くなること。ダウンサイジングターボという技術的に難解な説明をしなくても、幸か不幸かひと月「試乗」することになり、燃費の差を実感してもらったのが大きいですね。実は、エンジンの排気量が1,496ccになっていることで、毎年の自動車税がライバルのミニバンたちより安く設定されていることもセールスポイントです。


そしてもうひとつ大事だったのが、妻の店がイベントに出店するときに荷物を大量に積んで走る、「お店のクルマ」としての視点。8年前にデリカD:5を買ったときには、まだなかった話です。

出っ張りのない巨大な荷室

荷物を積んでもパワフルに走る走行性能はもちろん、もうひとつ重要なのが、荷物を積載できるスペースの大きさ。ステップワゴンでは、3列目シートを折りたたむときには、ストラップを引くだけでほぼワンアクションで床下に潜り込んでくれますから、7人乗りの状態から30秒もかからずに、まるで椅子などそこになかったかのような巨大な荷室が広がるようになります。デリカD:5のときには、3列目シートを自分で取り外すという荒技に出たわけですが、時間も手間も、体力も必要(外した3列目シートは1個20kgありましたからね)でした。

天井が高く、荷室の床もデリカよりはるかに低いので、荷物の積み卸しは格段に楽になります。こんなに低くて、地面を擦ってしまわないか?という心配もなくはありませんけどね。まあ、ステップワゴンでも最低地上高は150mmありますから、段差のあるところでちょっと気をつければ、何とかなるでしょう。

床が低いことは、別にお店のためと言うことだけではなく、娘やお義父さん、お義母さんもクルマによじ登らずに済むので乗り込みやすい…という点でも有利です。普段使いに優しいクルマ選びになったかな、と思っています。


いつもなら、何か買い物をすると、まずは買ったことを発表した後で、「レポートはしばらく使ってみてから」なんて言うところなんですが、今回の場合は、たっぷりと試乗させてもらったおかげで、だいたい特徴はつかんでいるんですよね。

というわけで、グレードの差による違いの確認は必要ではありますが、さらなる紹介は、あまりお待たせしないで書けるかも知れません。…まあ、私はブログを書くだけの仙人ではないので、実際にはどうなるかわかりませんが。



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