12月20日から、新型コロナウイルスワクチンの接種証明書アプリがダウンロードできるようになりました。早速私はOPPO Reno3 Aに、妻はiPhone 12 Proにインストールして、接種証明書が使えるようにしています。Android版・iOS版ともに、今のところは特に問題なく動いているようです。
Android版: https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.digital.vrs.vpa
iOS版: https://apps.apple.com/jp/app/id1593815264
動作要件の中で重要なのが「マイナンバーカードが読み込めること」。ハードウェアとしてはiPhoneの場合は7以降、Androidの場合はNFC Type Bに対応したものが必要になります。自分のマイナンバーカードを持っているか?というハードルはもちろんありますが、古いiPhoneやAndroid端末を使い続けている方だと、マイナンバーカードがあってもアプリは使えない…という事態が結構ありそうです。
接種証明書を登録する作業の中で、マイナンバーカードを読み取らせる場面があります。作業そのものはマイナポータルで読み込ませるときとほぼ同じで、読み込みには5秒くらい待たされます。「下の図のように」と説明が書いてありますが、Android版のアプリでもイラストがiPhoneの絵になっているのはいただけません。あまりにも多様な機種があるAndroid機では図示が難しいのですが、図があるばかりに妙な誤解を生みそうです。ちなみに、マイナポイントのWebサイトにAndroidの機種別の読み取り位置の解説があります。
暗証番号の入力も必要になりますが、この暗証番号は「券面事項入力補助用」の番号。電子証明書用ではありません。マイナンバーカードから読み込まれた氏名や生年月日等の情報を、この後の接種情報の検索に使うことになりますが、マイナンバーカードから読み込む以外の入力方法はありません。「マイナンバーカードを持っていることが条件」というのは、こういう仕掛けになっているわけです。
「マイナンバーカードによる認証」といえば、電子証明書の利用を考えてしまうのですが、これはもっとシンプルに「マイナンバーカードが手元にあること」を条件にしている…と言ってよいでしょう。マイナンバーカードと電子証明書は有効期限が異なり、昨年の特別定額交付金の手続きでは、電子証明書の期限が切れていた…というトラブルもかなりあったようですから、無用なトラブルを減らす意味でも、この方法を採ったのかも知れません。ただ、氏名等が手入力できるようにしさえすればマイナンバーカードは不要になるわけで、何とも強引な「マイナンバーカード普及策」ではあります。
あとは、住所地の自治体を選択すると(マイナンバーカードの情報から自動選択されていますが)、ワクチンの接種記録を検索します。記録の内容を確認し、端末に読み込むと、接種証明書登録の作業は完了です。
証明書の内容を見てみると、私の場合は8月13日に1回目、9月10日に現在のところ最終となる2回目を接種した記録が残っています。もちろん私は記録どおりに接種したわけですが、記録されたデータベースの内容に誤りがある可能性もある(というか、既にそんな例がわかっていて確認中らしい)ので、表示された内容が実際の状況と整合しているかどうか、確認はしておきましょう。
データの不具合の他にも、マイナンバーカードの氏名で旧姓併記にしているとアプリが使えない…というのが現状の「仕様」になっています。マイナンバーカード普及のための強引な仕様設計が招いた事態だとは思うのですが、デジタル庁では問題は認識していたものの今回の初版リリースに間に合わなかったそうで、できるだけ早く対応する予定だとのこと。あまりに急ぎすぎて、他の不具合が発生しても困ります。ともかく、待ちましょう。
マイナポイントのときには、ややこしい操作や手続きが多かったのですが、今回の接種証明書アプリは、これと比べると相当わかりやすく作られています。旧姓併記への対応についても、早期に提供するためのスピード感を優先した…ということだそうで、理解できないことではありません。
昨年公開された接触通知アプリ「Cocoa」は次々に不具合が明るみになってボロボロだったことを思うと、今後何が出てくるかわからない不安もありますが、大事なのは不具合が出たところからのリカバリー。そこは今年9月に正式スタートしたばかりのデジタル庁のお手並み拝見、と行きましょう。Cocoaを所管した厚生労働省よりは、プロフェッショナルが集まっているはずの組織ですからね。
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