新聞やテレビなどでも報道があったとおり、有名な107歳の双子の姉妹「きんさん・ぎんさん」の姉、成田きんさんが、1月23日午前11時03分、名古屋市の自宅で亡くなったそうですね。100歳近くなってから有名になってしまった二人。それまであまり表に出なかったきんさんは、毎日歩く練習などして、いろいろなところに出かけられるようになったそうですね。高齢化社会を迎え、暗い話題ばかりクローズアップされる中、元気いっぱい、ユーモアたっぷりのきんさん・ぎんさんは、私たちの心を和ませてくれたものです。
日曜日は、11時40分頃にNHKがニュース速報で流し(私はこの速報で知って衝撃を受けたわけです)、12時のニュースではトップにこのことを報道していました。新聞各紙も1面で取り上げ、このニュースの与えた影響の大きさを物語っています。海外でも、かつて二人が訪問して「金銀婆婆」として知られている台湾の他、各地で大きく扱われたようです。かのギネスブックにも「国の宝」として紹介されているくらいですからね。
一夜明けた今日、月曜日のワイドショーでは、ぎんさんのところにレポーターたちが殺到したそうですね。私はもちろん仕事(出張でしたが)で見ることは出来ませんでしたが、何も言えず顔を覆ってしまったぎんさんに対して、「辛かったよねぇ?」とか声をかけて強引に何かコメントを引き出そうとしていたとか。まあ、あの人たちのすることですから大体想像は付きます。そんなこと訊かなくたって、辛いに決まってるじゃないか。そんなところに追い打ちをかけて、あなた達本当に人間か?。ひどく落ち込んでいるはずのぎんさんのことがとても心配です。
ワイドショーのレポーター諸君は、「皇太子妃雅子さまご懐妊か」のときも実に非常識な対応でしたね。小和田さん宅に深夜まで張り込んだって、何も出てくるわけないでしょう。まあ、ああいう非常識なくらいの追っかけをしないとあの人たちの存在意義がなくなってしまう…という面もあるでしょうけど、それでももうちょっと節度というものを知らなくちゃいけませんね。
ところで、某スポーツ紙によると「きんさんに国民栄誉賞を」と言い出した人がいるとか。「反対する声も全然ない」とか言ってたようですが、ちょっと待て。きんさんに国民栄誉賞を授与することになったら、ぎんさんの立場はどうなるの?。いろいろな授与の理由は語られるでしょうけど、結局のところ授与される理由は「亡くなったから」であって、それじゃ死んだ方がいいのか?と言う話になってしまうと思います。だからといって、二人に授与したとしても、それはやはりきんさんが亡くなったからであって、ぎんさんは悲しいばかりのような気がします。東スポよ、あまり軽々しくそんなことを紙面に書くものではない(あ、名指ししちゃった)。
だいたい、亡くならないと授与されない国民栄誉賞なんて何の意味があるんでしょう。本当にその人の存在が国民の誇りだと思うのなら、生きているうちに表彰するべきです。そのあたりも含めて、きんさんへの国民栄誉賞授与は落ち着いて考え直してほしいと思っているのですが、小渕首相も、沖縄サミットのキャンペーンソングを小室哲哉氏に依頼するなど最近ミーハー化してます(選挙対策でしょうけど)しねぇ…本当に実現しそうな気がしてこれまた心配です。
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