前回の「The “World” will change.」で、「どこかにさりげなく変更点が書いてある」(全然さりげなくない?)と思わせぶりな発言をして終わったんですが、どこだかわかりましたか?
それは「Guide Book」に書かれていたこんな説明。『曲データを再生するためには、MP3やMIDIデータを再生できるソフトウェアが別途必要です』。MP3というのは、ご存じの方も多いと思いますが「MPEG1-Audio Layer 3」の略で、難しい説明はしませんが(実は私も原理はよくわからないんです)音声データを品質はほぼそのままに約10分の1のサイズに圧縮できる規格です。私は、これまでSSK WorldでMP3形式の音声データを公開したことはありません。実際のところ、MP3よりも高い圧縮率で同等の音質を維持できる方式が開発されています。前にオリジナル曲「明日を探しに」を音声データで公開したときも、データの圧縮率を考慮して他の形式を選択しました。
ところが、MP3には大きなアドバンテージがあります。それは知名度の高さ。最初はネット上で口コミのように広がったMP3は、今や圧縮された音声データ規格の事実上の標準です。携帯型のMP3プレイヤーもいろいろ登場していますし、CD-ROMに記録されたMP3データを再生できるCDプレイヤーまであります。MP3のCD-ROMを再生できるカーオーディオが発表されたのにはさすがに驚きましたが。
MP3データは、CDと同等の音質で約1MB/分と、貧弱としか言いようがない日本の情報インフラからするとまだまだコンパクトとは言えないサイズですが、それでも自作曲をMP3で公開している個人のホームページが結構いろいろ登場しています。
実は、今回の改造に当たって検索エンジンに入力するキーワードを考えてみたんです。これまでは自作曲をMIDIデータで公開してきましたが、「MIDI」というのはどちらかというと音楽の制作者側が技術情報を探すために使うキーワードだと思います。ところが、MP3はそうではありません。もちろん制作者側もMP3圧縮に関する知識を得るために使いますが、むしろ音楽を聴いてくれる皆さんの側が、音声データを探すために使うキーワードです。
もう一つ気になっていたのは、演奏データの再現性。MIDIデータは、音声データに比べると非常にコンパクトなデータなんですが、その演奏音質は聴いてもらうときの環境に大きく依存します。私は制作環境にかなりの手間と資金をつぎ込んでいますが、皆さんにこれと全く同じ環境を用意してもらうのは大変なことです。正直なところ、Music Worldに公開している私の曲をMIDIデータで聴いてくれた皆さんのほとんどには、私の作った音は正確に伝わっていないはずです。一番確実なのは、「演奏手順」にしか過ぎないMIDIではなく音そのものを送ることです。前からそれはわかっていたんですけどね。
音声ファイルを送る上で問題になるのは、大量のデータをダウンロードする側の通信速度で、現状はとても十分とは言えませんが、通信速度については様々な技術やサービスが登場していて、今後2、3年くらいの間にはかなりの進歩があるでしょう。かのプレステ2も、高速なネットワークを使って通信サービスを展開する予定らしいですし。
こうしたことを考えて、私はより多くの皆さんに私の曲を聴いてもらえるように「Music WorldでMP3の音声データを公開する」という結論に達しました。ただ、その場合に問題になってくるのはホームページサーバーに置けるデータの量。今公開に使っているBIGLOBEでは容量は標準で5MB、最大でも25MBまでしか拡張できません。私の曲は結構長いものが多いので、他の内容を置くスペースも考えると、置ける曲はせいぜい3?4曲でしょう。「MP3データを公開」を謳う以上、あまり曲数が少ないのも寂しいでしょうし。この問題にどうやって対処するのか…実はこれこそが「The “World” will change.」の核心なんですが…それはまた次回に触れるとしましょう。
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