Girls’ R&Bから考える

火曜日(13日)にドリームジャンボ宝くじの抽選がありました。この前当選金をもらったばかりの私はいつもよりも丁寧に番号のチェックをしました…が、結果は20枚中300円が2枚。まあ、そんなに簡単に当たるとは思っていませんからね。また次回、サマージャンボに期待するとしましょう。宝くじは、「もしかしたら当たるかも」という夢を買うんですよね。


今回のタイトルにある「Girls’ R&B」。こういう言い方が適当なのかどうかは知らないんですが、今の音楽業界をリードしているのはティーンエイジの女性R&Bシンガーたちですね。

さて、まず押さえておきたいのは「R&Bとは何ぞや」と言うことなんですが、R&BというのはそもそもRhythm and Bluesの略で、その名の通り「リズムの効いたブルース」ですね。16分音符が跳ねたミディアムスローのリズム(この表現で皆さんに伝わっているでしょうか?)の上で、黒人歌手がパワフルにシャウトする…というのが私の持っているR&Bの原風景です。それ以前の問題として、個性豊かな音楽を「ジャンル」という枠にはめて良いのか?と言う話はあると思うんですが。

宇多田ヒカルのアルバム「First Love」は700万枚を超える歴史的な売上を記録しました。彼女が登場する前からR&Bと呼ばれるジャンルが売れてくる傾向はあったんですが、それにしてもちょっとあれは狂ってますよ。彼女の場合、母親も芸能人であるという話題性が上積み要素になりましたから、ちょっと事情が違うかも知れませんが、700万枚というのはおよそ6世帯に1枚売れたという計算です。もともとR&Bというのはクセの強い音楽で、万人受けするようなものではないと思うんですけどね。そこがとても不思議です。

小柳ゆきの歌を初めて聴いたときの印象は、とにかく「パワフルな声だな」の一言でした。彼女が高校生だと聞いたときには驚愕しました。実はもっと驚いたのは彼女が歌っているのをテレビで初めて見たときでしたが…どう見ても高校生には見えませんでしたねぇ(あの顔は「今時のメイクだ」と言えば確かにそのとおりなんですが)。R&Bと聞くと、やっぱりイメージするのは彼女のような強烈なまでの力強さを持った歌い方です。前にDreams Come True・吉田美和の声がR&B的だ…と言った根拠もまさにこの力強さなんです。

一方、倉木麻衣の歌い方はこれとは全く違います。どちらかと言えば線の細い、アイドルっぽい声だな…と言う印象を受けました。先の「何ぞや」からすると彼女の歌い方は到底R&Bとは認められないんですが(でも個人的には嫌いじゃないですよ。それとこれとは別)、それでも彼女の経歴、そして曲の雰囲気が宇多田ヒカルのそれとどこか似ているせいかR&Bに分類されているようです。実際、この二人の曲はよく聴いていないと未だに区別が付きません。声質は全然違うのに。


CDショップに出かけたら、倉木麻衣の初アルバムの発売予告が出ていました。「大ヒット間違いなし!」なんだそうです。彼女に限らず、最近の歌手はなかなか人前に姿を現さずラジオで大量に曲を流し、その後CDを売りまくるというのがマーケティングのパターンのようです。そして、とことんまで人々を焦らした後ようやくテレビやラジオに登場します。最後には満を持してライブを開いて、これまた多くの観客を動員するんでしょうね。まさに計算通り。

この売り方がもっと極端だったのがZARDや大黒摩季でした。この人たちは動画がなかなか表に出ず、「歌ってるのは別人説」や「ロボット説」が広がっていましたね。今はもう二人ともライブステージを開くようになりました。まあ、浜崎あゆみみたいに動く姿が登場してるのに「ロボットじゃないか?」説が出てしまう(笑)人もいますからね。

で、一度売れ出すと今度はとにかく売れてるうちにCDを売りまくる…というパターンもあります。GLAYがシングルを2枚同時にリリースしたときはあまりの姑息さに腹が立ちましたが、そのあとL’Arc?en?Cielが3枚同時に出したときにはさすがに笑っちゃいましたね。彼らのように複数タイトルを同時に発売…とまでは行きませんが、1ヶ月ごとに新作を発売すると言うようなパターンはよくあります。

それがどんどん売れていくというのは、それだけCDを買う人たちがいるということですね。CDはどう考えても生活必需品ではなく、経済的に困っていれば買わずに済ませる商品です。世の中が「不況」と言われて久しいのですが、実はみんな結構裕福な生活をしていると言うことでしょうか?

音楽を聴くことはもちろん大好きなんですが、それを如何に商品として売っていくかというマーケティング戦略には嫌いなところが多いですね。あまりにも音楽の商品化が進みすぎて、アーティストの皆さんの自己表現手段から離れているような気がします。自分でも曲を書く立場からみると、プロの人たちはかわいそうです。

そんな策略に乗ってしまうのが嫌で、あの「First Love」も未だ買っていないどころかレンタルショップで借りてすらいません。まあ、私がそんなことをしたからといっても、世界を劇的に変えるのは至難の業ですが。


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