覚えていますか?。5ヶ月前にWeekly SSKの記事にしたTransmeta社・Crusoeのことを。超低消費電力で、しかもなかなかの高パフォーマンスを誇る新型CPUです。当時の発表によると、今年の後半には何か出てきそうな感じでした。その後、携帯インターネット端末用に採用される話がいくつか出てきましたが(実際、Transmeta社はこちらをメインに考えているようです)、私としてはもっとも気になっている「携帯できる」ノートパソコンに採用される…という話はこれまでありませんでした。
このTransmeta社、新興のベンチャー企業としては自己主張が妙に弱い会社です。情報産業では、とりあえず何か作ることを決めた時点で大々的に発表することがしばしば行われます。特に日本のゲーム機メーカーやアメリカのOSメーカー(名指ししているも同然ですねぇ)はこれが得意で、「新製品を出すよ~っ☆」とか大きな花火を打ち上げてから平気で何年でも待たせます。そんな状況に慣れていると、Transmeta社のように5年間もかけて革新的な新製品を開発していても公式な発表がなく、特許などから憶測が飛ぶ…と言うのは何だか新鮮に映ります。実際にCrusoeが発表されてからも、Transmeta社の動きは表向きには非常に地味に見えます。
今年ももうすぐ後半に入ります。Let’s noteにトラックボールが復活しても、私のコメントがどこかもう一つ歯切れ悪かったのは、このCrusoeのことが頭の片隅で気になっていたことも理由のひとつです。同程度のパフォーマンスを持つCPUなら、消費電力が少ない方がいいのは自明です。より軽く、より長時間駆動できるノートパソコンが、しかも意外なほど安価で登場する可能性があります。Crusoeの低消費電力は、何とi486CPUよりもトランジスタ数が少ないという回路の単純さから来ているもの(他にも理由はあるんですが)で、これは安価に製造できることにもつながるのです。
ここにきて、日本のあるメーカーがCrusoeを使ったノートパソコンを発売予定であることが明らかになりました。DVD-ROMを内蔵した薄型B5サブノートと言う話もあります。個人的には、この会社というのはTransmeta社に出資し、元祖薄型B5サブノート以来独自のブランドイメージ戦略が大成功している某S社ではないかな?と思っているのですが…あの会社なら新しいものも大好きですし、あり得る話です。どんなものが出てくるのか楽しみですね。まあ、本当にあの会社の製品なら、不良品が怖いので初期ロットを買う気には絶対なりませんけど。
我らがLet’s noteの松下電器はどうするんでしょうね。Crusoe+トラックボールのB5型新機種なんか登場してしまうと個人的には嬉しいんですが、そんなことをしたらCF-B5を予約した人たちが暴動を起こしかねませんからね。もともと松下電器という会社は開発にじっくり時間を掛けて手堅い製品を作ってくる会社だと思いますし、もし出てくるとしても冬のボーナス商戦でしょうか。待つという手もあるんですが、あと半年待つのもちょっと辛いかな?と感じていますし、何より復活したトラックボールの魔力は強烈ですし…迷うところです。
実際、Crusoeのパフォーマンスや互換性については製品を見なくてはわかりませんからね。期待ばかりが膨らみますが、まずは様子見でしょうか。最大の特徴である低消費電力も、フルパワー動作を続けた状況でSpeedStep対応モバイルPentium3の低消費電力モード(実はこちらの方が動作電圧が低いのです)と比較すると、消費電力は逆転するという話もあるようです…真偽は明らかではありませんが。
いよいよ夏のボーナスの季節です。私のところにももうすぐノートパソコン1台なら買えるくらいのまとまったお金が入ってきます。でも無駄遣いはしたくありませんからね。落ち着いて、落ち着いて。
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