本題前に少々。Netscape 6 Preview Release 2が公開されました。当然のことですが、4月に登場したPR1の時よりも少し完成度は上がっています。スタイルシートへの対応も進み、SSK Worldの内容はほぼ意図したとおりに表示されるようになりました(ちょっと解釈に時間がかかっているのが心配ですが)。まだ日本語版はWindows用しかなく、しかも「お試し版」なので対応ブラウザとして正式にお勧めは出来ないのが辛いところです。しばらくの間は期待して製品版の登場を待ちましょう。
もう一つ。先週の続きで歯医者に行きました。少々痛いのは覚悟していましたが、最初に麻酔の注射を一本打たれて、そのあとは全く痛くありませんでした。最近の歯医者さんはちょっと痛そうかな?という状況ならどんどん麻酔を使うんだそうですね。
雪印の牛乳が店頭に戻ってきました。大阪工場で製造された低脂肪乳による食中毒事件から2ヶ月。全工場の操業を止めてからは1ヶ月、外部機関による審査の結果、厚生省も製造の再開にようやくゴーサインを出しました。私個人としては、また雪印の牛乳が飲めるようになってほっとしています。
というのも、私と雪印の牛乳の関係は浅からぬものがあるのです。何しろ、大昔(1、2歳の頃の話です)は雪印の牛乳しか飲めない体質でしたから。我が家で最近買ってきていた牛乳は、雪印の低脂肪乳「毎日骨太」。食中毒事件を起こした製品の一つです。さすがに今では他社の牛乳も飲めますが、雪印の美味しい牛乳に対する信頼感は絶対的なものがありました。
そこに起こってしまったあの事件。食中毒としては戦後最悪となる被害を出したばかりでなく、次々に明るみになるずさんな生産管理、それをなるべく隠そうとする食品会社トップとしてあまりにも無責任な対応…乳製品のトップメーカーである雪印への信頼は、一気にどん底まで落ちることになりました。深夜に発表された「全工場の操業停止」という発表は突然でしたが、このまま続けても雪印製品不買の流れは止められない…という点から見れば至極当然の判断だったと思います。
雪印の製品が市場から消えてからは、他社の牛乳を買って飲むことになったんですが、それでもどうも落ち着かないんですよね。味に慣れていないと言うこともあるんですが、それ以上に問題だったのは「他社の牛乳も本当に大丈夫なんだろうか?」という不安。トップメーカー・雪印の不祥事は、業界全体に対して不安を抱かせるのに十分だったのです。
そんな気持ちを持っていたのが私だけではなかったことを示すように、この事件の後、他社の乳製品やその他の食料品でも異臭・異物混入・商品回収騒ぎが続発しましたよね。さすがにトカゲやウジ虫が入っているのは言い逃れようがありませんが、この手の騒ぎは、実際に異臭が発生したものだけでなく、「大丈夫かな?」と恐る恐るにおいを嗅いでいるうちに、異臭がしたように錯覚してしまう…という「心理的な異臭」とでも呼ぶべきものが結構あったのではないかと思います。もともと暑い夏ですから食料品は傷みやすく、この手の事件は起きやすい環境にあるんですが、それにしてもこの夏はこの手のニュース報道が目立っている気がします。マスコミが面白がって採り上げている面もあるとは思いますが、火のないところに煙は立たないわけで、やっぱりこれまでもこういうことはよく起こっていたんでしょうね。表沙汰にはならなかっただけで。
雪印の製品が市場に帰ってきた今、あの事件が残したものは何だろう?と考えてみると、皮肉なことに結局残ったのは雪印への信頼のような気がします。ただ、それはこれまでの信頼感とは全く異質なものです。さすがにもう一度このような大きな事件を起こせば雪印という会社は存続できないでしょうから、そんな後のない状況で製造されるこの会社の製品の品質管理はおそらく大丈夫でしょう。他の会社よりはましか…そんなネガティブな信頼感とでも言うべきものです。
久しぶりに雪印の牛乳を飲みました。昔と変わらない味がしました。パックの側面には、今回の件の「お詫び」文が載っていて、そこには「創業時の精神に戻り」と書いてありました。そうです。大事なのは初心を忘れないこと。牛乳作りの話に限らず、世の中の多くのことに共通の教訓ですよね。
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