大事なのはバックアップ
どんな物事にも言えることなんですが、大事なのは不測の事態が起こったときに対応できるようにしておくことです。このために必要なのがバックアップ。普段使っているデータと同じ物を他の場所にも保存しておくわけですね。
バックアップしておくべき最も重要なデータは自分で作ったデータ。これは、世界に二つとない自分だけの所有物です。破損してしまっては取り返しが付きませんからね。私の場合、個人用に作っているデータがあまりに大きいので完全にはバックアップできていない面もありますが、ときどきはCD-Rに自作のデータを保存しています。
この他、バックアップが奨励されるデータの中に、BIOSの内容があります。BIOS(ばいおす:Basic Input and Output Systemの略)は、パソコンの最も基本的なところを制御するプログラム群で、マザーボードに組み込まれています。これが破損してしまうと、コンピュータは正しく動作しません。たいていのパソコンでは、機能アップや細かい機能の修正が出来るように、BIOSを書き換え可能にしてあります。裏を返すと、BIOSも破損する可能性があるのです。
実は、BIOSについては「BIOSが壊れたら起動もしなくなってしまうんだから、バックアップを取るのなんて無意味だよ」というkoba氏の名言(?)があるんですが、まさかこの言葉が後で強烈なボディーブローになって効いてくるとは思いもしませんでした。
お手上げです…
BIOSの内容を読み書きする場合、普通はWindowsの画面から操作するのではなく、専用のフロッピーディスクから立ち上げて、昔ながらのDOS環境の画面上で操作します。最近は、Windowsの画面上からBIOSの書き換えが出来るようにしたものも出てきているようですが、動作の確実性を考えると、DOSというのは最も賢明な選択だと思います。当然ながらマザーボードの製造元はほとんど海外ですから、たいていこの画面は英語表示です。
私の所有マザーボード・CUSL2のBIOS書き換えも、例によってDOS環境の画面上からの操作です。英語で書かれたマニュアルを読んで、英語で表示される画面を見ながら注意深く操作して、フロッピーディスクにBIOSのバックアップを取った…はずでした。
ところが、再起動してみても正しく起動しません。ハードウェアの自己チェック終了の「ぽ」というブザーは鳴るんですが、その後画面が出てきません。ディスプレイを内蔵ビデオ用RGB端子に繋ぎ替えたり (i815Eチップセットにはビデオ機能が内蔵されています)、主電源を切って入れ直してみたりしても画面は真っ黒。…どうやらBIOSが壊れてしまったようです。何も悪いことはしてないはずなのに。もしかして英文の説明を読み間違えてしまったんでしょうか。今となっては真実は闇の中です。
ところで、BIOSのバックアップをハードウェア的に作るパーツも市販されています。BIOSを記録しているフラッシュROMのチップをソケットから取り外し、そこに取り付けてBIOSの複製を作る仕掛けになっています。浜松から一緒にパーツを買い出しに行った友人も、CUSL2を買って帰ってきましたから、彼にお願いすればBIOSのコピーが作れるかも知れない…そう思ったんですが、CUSL2の基板を見て愕然としました。フラッシュROMが基板に直付けされていたのです。これではコピーの作りようもありません。もう完全にお手上げ状態でした。
新兵器登場
BIOSの壊れてしまったCUSL2。メーカーに修理に出すより他になくなってしまいましたが、1万数千円のマザーボードですから、修理に出すよりも新しく買った方が安く付く可能性が非常に高いです(こういう修理の技術料は1万円が相場ですからね)。というわけで新しくマザーボードを購入することに決定。
「BIOS破損」のショックが強烈だった私が選んだのは、GIGABYTE社のi815Eマザーボード、GA-6OXM7E。同社製品の特徴である青い基板が印象的なマザーボードです。
このマザーボードには2個のBIOSチップが搭載されていて、緊急時には起動するBIOSを切り替えることが出来ます。それ以外の能力については、i815E搭載であることもあり、細かい差はいくつかあるもののCUSL2とほぼ同じです。ちなみに値段は20,800円也。ちょっと高いんですが、これにはBIOSが2個載っていること以外にも理由があります。
それは、サウンド機能が内蔵されていること(右にあるのがサウンド関係の端子です)。実はi815Eチップセットにはサウンド機能の一部が内蔵されているんですが、GA-6OXM7Eではこの機能を使わず、Creative社製のSound Blaster PCI128相当の音源チップを内蔵しています。そもそもCreative社のサウンドはDOS時代に業界標準だったもので、今でも採用メーカーが多いのはDOSとの互換性を重要視している面があるようです。今さらそんな意味はないような気がするんですけどね。…まあ、その話は抜きにしてもCreative製品は音質への評価が高いんですが。
組み立ての方は、マザーボードを入れ替えるだけですからすんなり進みました。ただ、CUSL2には付属していた第3、第4のUSBポートや第2シリアルポートはGA-6OXM7Eには付属していませんから、USBポートだけは買ってきました。
OSの起動も何とか上手く行ったんですが、ここで問題になったのはサウンド機能。オンボードのサウンド機能と、先に買ったサウンドカードの機能とどちらを使うかの問題で、能力としてはサウンドカードの機能の方が上ですから是非使いたかったんですが、内蔵のサウンドを完全に切り離すのが上手く行かなかったんです。仕方なく、カードの方を外してオンボードのサウンド機能を使うことにしました。
これで、何とか元通りにパソコンとして使えるようになったんですが、私の手元には起動できなくなったマザーボードと行き場のなくなったサウンドカードが残ってしまいました。値段も結局2万円ちょっと高く付いてしまいましたし。
コメントを残す