2000年10月1日(日)
行程
層雲峡~大雪山・黒岳~層雲峡泊
走行距離
7.5km(通算628.2km)
※地図の複製は禁止します。
そこに山があるから
そもそも今回の北海道旅行の目的の一つは北海道の紅葉を見ること。北海道の紅葉は9月から始まりますが、最初に紅葉が始まるのが大雪山です。といっても、「大雪山」という山がそこにあるわけではなく、これは旭岳(標高2,290m)を始めとする2,000メートル級の山々が、「御鉢平」と呼ばれる火口平原を取り囲んでいる一帯の総称ですね(地図をクリックしてみましょう。拡大図が出ます)。北海道だけでなく、日本一早く紅葉する場所と言うことになります。
大雪山に登るのは意外に簡単です。特に、北東の黒岳(標高1,984m)側からならロープウェイとリフトを乗り継いで7合目まで行くことが出来て、そこから徒歩1時間半程度で黒岳山頂にたどり着くことが出来ます。ただ、いくら簡単とは言っても2,000メートル級の高山です。ちょっとしたハイキング程度の気持ちで登ってしまうと大変な目に遭います。
私は、最初に北海道を訪れたときにも大雪山に登りました。このときもこの「黒岳ルート」から登り、大雪山系第二の高峰・北鎮岳(標高2,244m)まで行きました。今回は、私も母もさすがにそこまで行く体力はありませんから、黒岳山頂を目指して登ることにしました。それでも体力的にかなり不安はあったんですが。
登って見ると
この日は朝食も早めに済ませて、ホテルで作ってもらった弁当を鞄に詰めて朝7時過ぎに出発。7時半頃にロープウェイ乗り場にたどり着きました。ロープウェイ乗り場で驚いたのは、何とこんな早い時間に降りてくる一団がいたこと。上には宿泊施設はありません(黒岳山頂近くにキャンプ場は一応ありますが、普通の人が泊まる場所じゃないですね)。早朝に登ってすぐ降りてきたのでしょう。きっとあの人たちはこれから過酷なバスツアーに出かけるのに違いありません。
ロープウェイからリフトに乗り継いで一気に駆け上がります。層雲峡温泉でも赤や黄色に色づいていた木々はロープウェイを登るにつれてその色を増し、リフトで登る辺りでは既に葉を落としてしまった木が目立つようになりました。紅葉を見ることだけ考えると、この時期でも遅すぎたくらいのようです。もちろん、他にも見るべき物はいろいろあるわけですが。
強力な援軍
先ほど、黒岳登山ルートの所要時間を「1時間半」と書きましたが、実はこの時間もガイドブックによってかなり数字に違いがあります。「1時間」と書いてあるものもあれば、「2時間」と書いてあるものもあります。普通のハイキングコースとは違い、ずっと登り続けなくてはならず、しかも足場の悪いところもあったりしますから、登山する人たちの力量によって所要時間は大きく変わって来るのが当然でしょう。
そんな中で私たちのことを考えると、最近は極度の運動不足であったことも考えれば最も時間がかかる部類に入ります。それどころか、頂上まで本当にたどり着けるのか、そもそも頂上を目指すこと自体無謀じゃないのか?…というレベルでしょう。
心配していたとおり、しばらく登っていくと疲れが出てきました。眼下に広がる雄大な風景ももちろんそうだったのですが、それ以上に私たちを救ってくれたのは、同じように山を登っていく人たちや逆に降りてくる人たちと交わす言葉。「おはようございます」「こんにちは」という挨拶ばかりでなく、「がんばって」とか「もうちょっとで休憩場所がありますよ」とかいったやりとりも嬉しいものです。知らない人同士でも声を掛け合う…というのは登山する人たちの間では当たり前のことのようです。とてもいいことだと思いますね。
そうして登っていくうちに、同じくらいのペースで登っていく人たちと話などするようになり、結構大人数の団体ができあがっていました。休憩中に、「静岡県から来たの?是非会わせたい人がいる」とのことで、初老の男性を紹介されました。話してみたところ、何とこの方、私の高校の大先輩に当たる方だったのです。すっかり話が盛り上がってしまいました。しかも、同じ一団の中にご近所の袋井市や豊橋市出身の方もいることが判明。う~む、世界って案外狭いものですね。
そして山頂へ
その後は、いろいろと話しているうちに登っていくことが出来ました。結果的に非常にゆっくりと登っていくことになったのが良かったと思います。黒岳の山頂に到着したのは、出発から約2時間後の午前10時過ぎでした。山頂はもの凄い強風で寒かったですね。でも、2,000メートル近い山の上まで自分の足でたどり着いた満足感に溢れていました。
周囲を山々に囲まれた御鉢平の風景はまさに壮観でした(Panorama・ミレニアム北海道をご覧下さい)。遙か向こうにはかつて私が登った北鎮岳も見えました。今思うとあんなところまで行ったのは(しかももの凄い荒天で、山頂ではひょうが痛かったんです)正気の沙汰じゃないな…と思ってしまいましたね。
帰り道も、同じ人たちと降りていったので非常に楽に降りることが出来ました。今回の登山が何とか成功したのもこの皆さんのおかげで、いくらお礼を言っても足りないくらいです。しかし、リフトで降りる前にはぐれてしまい、お名前やご住所などお聞きすることが出来ませんでした。とても残念です。
Mobile Check!
この日は日曜日。日曜日と言うことは、当然Weekly SSKの定期更新日です。それまで日曜日の定期更新を一度も飛ばしたことのなかった私としては、当然旅行中でもやる気満々…でしたが、今回の旅行の計画を立てた後で正直なところ顔が青ざめました。先にも触れているとおり、この日の宿・層雲峡温泉ではPHSを使えません。メールチェックとは違い、比較的大量のデータをやりとりする必要のあるホームページ更新では、携帯電話を使うのも辛いところです。
しかし、実際には心配するに及びませんでした。この日泊まったホテルの1階には、パソコンを接続できるモジュラージャックの付いた公衆電話、いわゆる「グレ電」がありましたから。かつては私自身「主役」と言った手段でしたが、今となってはケータイやPHSなどワイヤレス通信に主役を奪われてしまった形ですね。ともかく、グレ電のお陰でこの日の更新は快適そのものでした。
記事そのものは、今北海道にいることを隠し通して書きました。あそこで「今北海道にいます。しばらく帰りません」なんて書いて自宅に空き巣でも入っては困りますしね。…というのは冗談ですが、インターネットは地理的条件の違いをかなり高いレベルで吸収してくれます。
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