今日・4月25日、槇原敬之の久しぶりのシングル・「桃」が発売されました。例の事件前、1999年6月2日の「Hungry Spider」以来、シングルとしては実に約2年ぶりとなります。でも、「まだ2年しか経ってなかったの?」…というのが正直な心境です。この2年間で彼と私たちの失ったものはあまりに大きすぎました。しかし、それにしてもこの時期にどうして桃を?…と思ったのは私だけでしょうか。
今更何度も繰り返すまでもなく、彼の曲が私の音楽に与えてきた影響は絶大なものがあります。Music Worldに並ぶ曲の中からは、本当に恥ずかしくなるくらいいろいろなところでその痕跡を聴くことができます。私が今回新曲「Open the Window」の公開を急いでいたのも、季節はずれになってしまうからと言う理由以外に、このニューシングルを聴いた後だとまた影響されて似た曲になってしまうのが怖かった…ということがあったんです。
昨年秋に復帰後初の作品となるアルバム「太陽」が登場したときに、「彼の真の復活はポップなシングルが出てきたときだな」と感じていたので、この日は実に待ち遠しいものでした。ですから、発売日前日の24日、仕事の帰りにCDショップに立ち寄りちゃんと入手しました。待ちきれずに、家に帰り着くまでに早速車の中で聴いてみました。
聴いてみた感想は…ここでみなさんの印象を決めつけてしまうような表現は書きたくないので、私は「聴いてみてほっとした」とだけ言っておくことにしましょう。興味をお持ちになった方は、是非CDを購入して聴いてみてください…どうやらネットでも配信されているようですが。店頭では、美味しそうな桃の実の絵を描いたパッケージが目印。別にミリオンヒットにはならなくてもいいけど、そこそこは売れてほしいですね。
ちなみに値段の方は1,200円。特別装丁に凝っているわけでもないマキシシングルにしては、ちょっと高いな?とお思いかもしれませんが、彼の歌う曲が4曲も入っています(カラオケは2曲)から、仕方ないかも知れませんね。タイトル曲の「桃」を含め2曲が新曲、残りは「太陽」からの1曲と、昔懐かしいアルバム曲のリアレンジバージョンです。
歌手や俳優などで、何らかの理由で逮捕され、その後芸能界に復帰する人は意外にたくさんいます。逮捕された当時や復帰した当初にはいろいろと言われても、気がつくとすっかり元の位置に納まっている人たちが結構多いような気がします。
ただ、ちゃんと戻ってこられる人を見ていると、そういう人たちは元々どちらかというとダーティなイメージで売っていた人たちのような気がしますね。本当は、彼らの営業上のイメージがどうであれ、法律に抵触するようなことは許されるはずがないのですが、見ている私たちは、どうしても表面的なイメージから「ま、仕方ないか」と簡単に許してしまいがちです。お笑い芸人やロック系のアーティストなんかは特にそうですよね。「ちょっとくらいワルでないと魅力がない」なんて言ってみたりして…。そういう意味では、槇原敬之という人は最も許してもらいにくい人の一人かも知れません。
実は、世間というのはこういう社会復帰しようとしている人に対して意外に温かい目で見守ってくれると言うことなんでしょうか。もしかすると、ただ単に昔のことをすぐ忘れてしまうだけなのかも知れませんが。そうだとすると、これって温かいわけではなくてむしろ冷たいんですよね。まあ、そんなことにはお構いなく彼には温かい歌声を送り続けてほしいな…と思っています。
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