金曜日・6月1日に、久しぶりに名古屋に出かけました。目的は、この日レインボーホールで行われた、松山千春のデビュー25周年コンサート。いろいろな人の音楽をCDなどで聴くことは多いんですが、ライブに出かけるのは久しぶり。半分は母のお守りのようなものなんですが、私自身も結構楽しみにして出かけました。
私の普段作っている音楽からすると、松山千春とはまたずいぶん意外な名前だな…と思った方もあるかも知れません。でも、彼は四半世紀の間日本のフォーク界の一端を支えて来たシンガー・ソングライターです。私にとっては全く違和感はありません。しかし、今回ライブにまで出かけることになったきっかけと言えば、やはり昨年の北海道旅行でしょう。松山千春は北海道出身。北海道の雄大な自然を歌った歌もいくつかあります。母のリクエストで、旅行中ずっと車の中では彼のCDがかかりっぱなし。おかげで、彼の歌の価値を再認識することになりました。
その後、たまたま彼が出演していたラジオ番組中でチケットの先行発売があり、ついつい電話予約をしてしまいました。電話はなかなかつながりませんでしたが、そうなってくると逆に意地になって電話を回し続けてしまうんですよね。結局30分くらい電話をかけ続け、チケット2枚を入手することが出来ました。それにしても、電話一本でチケット2枚・1万5千円弱の衝動買い同然の買い物をしてしまったわけですよね。考えてみるとちょっと怖い話でもあります。
名古屋近辺に在住の方ならご存じの通り、レインボーホールは基本的に体育館。そこに舞台と客席を用意してライブを行うわけですね。今回のライブツアーはこんな会場を回る、いわゆるアリーナツアーだそうです。アリーナと言えば、浜松にも浜松アリーナという体育館がありますが、交通がちょっと不便な場所で、あそこでライブがあると言われてもどうやって行くのか困ってしまいます。数千人が一堂に会する場所ですから、やっぱりレインボーホールのように鉄道の駅のすぐ近くにないとダメですよね。
アリーナでのライブでは、特等席はもちろんステージ真ん前のアリーナ席。…とこう言えば聞こえはいいんですが、その実態は体育館の床に並べられたパイプ椅子なんですよね。一方の観客席には、比較的しっかりした作りの椅子が造り付けられています。アリーナの一番後ろの端で見るくらいなら、観客席に座った方が快適かな?と思ったりもします。ちなみに、今回の私たちの席はアリーナの端にある特設席で、ちゃんと階段状になったところに椅子が造り付けられていたのでなかなか快適でした。ステージから遠くても、ステージ上には大画面テレビもあって、ちゃんとアップの画像が映されていますしね。
開演40分前くらいに会場に入り、席に座って開演を待ちました。開演30分前くらいになると、何故かアリーナの外側に向かう長い行列ができはじめました。列はしばらく伸び続け、アリーナ中央付近まで伸びました。何だろう?と不審に思っていましたが、どうやらこれはトイレに行く人たちだったようです。見てみると、列の中は女性ばかり。女子トイレは特に混雑しますからね。
余談ですが、私たちのすぐ後ろあたりで「どえりゃー混んどるわ」との声が聞こえて一瞬ぎょっとして、その後思わず笑ってしまいました。後でそっと振り向いてみると、意外に若い女性でした。最近はコテコテの名古屋弁を操る人も少なくなった…と聞きましたが、あれはきっと嘘ですね。
ライブそのものの内容を詳しくレポートすると、これから見に出かける方に申し訳ないので、詳細は書かないことにしますが、私が感じたのは歌声にはこんなにもパワーを込めることが出来るのか!と言うこと。CDで聴く歌声とは質が全く違います。何度でもやり直しのきく(それだけに妥協は許されないのですが)レコーディングと、ただ1回を決めなくてはならないライブの緊張感の差でしょうか。特に、ギター1本だけの弾き語りには強烈な存在感がありました。私も、歌を作る人間の一人として、少しでもあんなパワーを発散できるような作品を作ってみたいですね。そんなエネルギーをもらったような気がします。
松山千春と言えば、その偉そうな喋りも非常に有名ですね。歌は好きでも、あの喋り方が嫌いだという人も結構いるようです。何しろ、観客に向かって「おい、お前」ですし、年上の人たちも平気で呼び捨てにしますし…。テレビやラジオでは聞いたことがありますが、生では初めて聞きました。いつも思うんですが、あの喋り方って実はクサい台詞や感謝の気持ちの照れ隠しではないでしょうか?。今回、ライブで話を聞いてその思いをさらに強くしました。
ところで、これまでもライブの最後に観客席に向かってTシャツを投げていたそうなんですが、今回とんでもない新兵器が導入されました。それは何と「バズーカ砲」。圧縮空気で弾を飛ばす仕掛けだそうで、これが国内では初お目見えだとか。その威力はすさまじく、1発目は何とレインボーホールの屋根に命中。ほとんどの弾(もちろん中身はTシャツ)は観客席まで飛び、最上段まで飛んで行ったものもありました。アリーナ席前方の人たちは、「近距離だと危ないから」ということでおあずけでした…が、それではかわいそうだと言うことで、あのツルツル頭の汗をぬぐったタオルが投げられていましたね。近くで見ている人も、遠くで見ている人も同じように楽しめる…という点で、なかなか良い仕掛けでした。
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