今日は参議院議員選挙、そして静岡県知事選挙の投票日です。皆さん、投票には行かれましたか?。私は投票してきました。国民一人一人が政治への意思表示が出来る数少ない機会です。せっかくもらった権利ですから、ちゃんと行使しないともったいないですね。今夜は、また選挙速報をテレビで観戦(?)しながら更けていくんでしょうか。
私の地元・静岡県西部には、この時期になると全国ニュースにときどき名前の出る町が二つあります。それは、天竜市と佐久間町。浜松から北に向かって車で1時間ほど走ると天竜市、そこからさらに1時間くらい天竜川沿いに上ると佐久間町です。どちらも県内の北西部・「北遠(ほくえん)」と呼ばれる地域にある自然豊かな山あいの町で、夏は川遊びや鮎釣りの人たちでもにぎわいます。
しかし、全国ニュースになるのはそう言う話題ではなくて、夏の気温の高さ。今年も全国的に猛暑に見舞われて、正午のNHKのニュースでは全国各地の気温が報道されることが多いんですが、そういうときに特に気温の高い地点として報道されるのがこの2市町です。
火曜日・24日には、佐久間町で40.2度というとんでもない気温を記録しました。私の今の職場は天竜市の隣にある浜北市で、実は職場にも気象観測設備があったりするんですが、この日の最高気温は何と40.0度。クーラーの効いた室内から外に出ると、身体の周囲に熱気が絡みつく感覚に襲われます。「暑い」と言うよりももはや「熱い」と表現する方が適当かも知れません。そして、室内に戻ると今度は震えるくらい寒いんです。冷房は経済的温度の28度で運転されているはずなんですが…。風邪を引かないように注意しなくては。
普通、山あいの町というと夏は涼しいところだ…というイメージを持っている方も多いかと思います。ところが、実際には天竜市役所の近辺や佐久間町役場の近辺に行くと、確かに夏は暑いんです。それも、ただ単に気温が高いだけではなくて湿度も高いので、非常に蒸し暑く不快感が募ります。かつては「温度計の設置場所がたまたま暑いんだ」と言われたこともありますが、そういうことではないのは実際に訪れてみればわかります。
たいてい、こうした山間地で人が集まる場所というのは川沿いに開けた平地で、周囲を高い山に囲まれています。こうした地形だと、いわゆる盆地性気候で夏の昼間は非常に温度が上がりやすくなります。谷間で熱せられた空気が外に逃げにくくなるんですね。
さらに、こうした地形だとフェーン現象という温度上昇効果も起こる可能性があります。この「フェーン現象」とは、湿った空気が山脈にぶつかったところで雨を降らせ、乾燥した空気が一気に山を駆け下りるときに温度が上昇する(熱力学で言う「断熱圧縮」ですね)…というもので、いくら盆地とは言え、40度近いような高温にはこの現象が関与していることが多いようです。
ただ、盆地性気候の特徴は昼と夜、夏と冬の温度差が大きくなると言うことなので、朝や夕方なら結構涼しかったりするんですよね。それに、集落からちょっと離れて山に登ってみると、雰囲気は一変します。盆地の効果がなくなるだけでなく、標高が上がることによって気温は下がってきますしね。決して暑いだけのところではありません。ちょっと遊びに出かけてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、気象庁の観測した史上最高気温は山形市で昭和8年7月25日に記録された40.8度だそうですね。気象台以外で観測した記録も含めると、佐久間町のさらに北隣、水窪町(みさくぼちょう)で大正3年に42.0度が観測されたそうで、これは堂々史上2位の記録だとか。最近の高温を温室効果ガスによる地球温暖化と関連させて捉える人もいるわけですが、実は昔から暑いときには結構暑かったんですね。
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