頑張った!パ・リーグ

今日はプロ野球の話をしようと思っているんですが、その前にアメリカ・メジャーリーグの方のお話を少々。

イチロー選手、佐々木投手の所属するシアトルマリナーズがアメリカンリーグ西地区の優勝を決めましたね。優勝が決まれば、普通は日本と同様に監督が胴上げされるところなんですが、そこは例の事件が起こった直後と言うことで、選手たちはピッチャーマウンドに集まってひざまずき黙祷を捧げました。これはこれで、気持ちも伝わってきたしなかなかカッコ良かったですね。事件の起こったニューヨークでも、新庄選手の所属するニューヨークメッツが試合を行いました。何かと暗い気分になってしまう中、スポーツの試合がこれまで通りに行われることによって、人々の心にも少しでも明るさが戻ってくれればいいですね。

一方の日本では、優勝が決定しても「ビールかけなどの派手な行事は控えるように」とのコミッショナー通達が出るのだとか。そういえば、昭和最後のペナントレースとなった1988年も、あらゆる事が自粛ムードの中でビールかけは中止されました。この年は、我らが中日ドラゴンズがリーグ優勝したので良く覚えています。コミッショナーの言いたいこともわからなくもないんですが、それってちょっとやりすぎじゃないの?と言う気もします。まあ、ビールかけ自体あまり美しいものではないとは思うので、これを機会に止めるというのもいいのかも。日本ではまだセ・リーグ、パ・リーグ共に優勝チームが決まっていません。胴上げを「自粛」してマリナーズの真似をするチームが出てきたりしないでしょうか?


…というところで日本のプロ野球の話に移るわけなんですが、ペナントレースも終盤戦になってきています。特に、1週間早く開幕したパ・リーグは、ドーム球場での開催が多く試合の消化が早いこともあってか、残り10試合を切ってラストスパートです。しかも、3チームでの優勝争いは、マジックこそ点灯しているもののまだ予断を許さない状況です。緊張感という意味では、既にヤクルトスワローズの優勝がほぼ確実なセ・リーグよりはずっと上です…こちらでもジャイアンツが意外に粘ってはいるんですが。

勝ち残った3チームの顔ぶれがまた面白いですね。3連覇を狙う福岡ダイエーホークス、かつては憎らしいほどの強さを誇り、王者復活を目指す西武ライオンズ、セ・パ12球団で唯一日本一の経験がない大阪近鉄バファローズ。個人的にはバファローズに初の日本一を目指して欲しいと思っているところなんですが。残り6試合でマジックナンバーは3。かなり有利なことは確かです。

今年のバファローズの特徴は、何と言ってもチーム本塁打200本以上の超強力打線。その中でも最も注目されているのは、ローズ選手が王貞治氏の持つ55本のシーズン本塁打数日本記録を超えられるかどうか…になっていますね。かつて、阪神タイガースのバース選手がこの記録に挑みました。54号を放った時点で残り試合数は2、しかも対戦相手は王氏が監督を務める読売ジャイアンツ。ベンチからの指示だったのか、それとも選手たちが「監督の偉大な記録を抜かせるものか」と思ったのか、ジャイアンツ投手陣は徹底的な四球責め。結局日本記録の更新は成りませんでした。今回はどうなるんでしょうか?…1985年当時と比べると周囲の環境はずいぶん変わってきていると思うんですが、肝心のローズ選手自身がプレッシャーを感じているのか、ここに来て当たりが止まっています。

今季のパ・リーグには、ローズ選手以外にも本塁打を量産する選手がたくさん登場しましたね。ローズ選手のチームメイトで、思いっきり振り抜いた後のポーズが絵になる中村紀洋選手。賞金がかかっているスタンド上の看板の、さらに上に打ち込んでしまうほどの怪力を見せつけたのは、今日サヨナラ本塁打を放ったライオンズのカブレラ選手。本塁打争い以外にもそれぞれ個性豊かな選手が登場し、試合の勝ち負けとは別に、その選手を見るために試合を見たい…という選手が増えてきました。混戦のペナントレース共々、私の開幕直後の期待に見事に応えてくれました。ところで、最近個人的に気になっているのは、今日も投げていた千葉ロッテマリーンズ・渡辺俊介投手の投球フォーム。あんなに地面に近い位置から出てくるボールは久しぶりに見ました。


この時期になると、優勝争いの他に注目されるのが個人タイトル争い。といっても、今年はローズ選手の本塁打記録が騒がれるあまり、他のタイトルにはあまり注目が集まっていませんね。そんな中で今季の成績を見ていて驚いたのがライオンズの松坂投手。今シーズンの彼はあまり調子の良くない印象を持っていたんですが、気が付けば15勝で最多勝争いのトップにいます…そのかわり13敗していますが。しかも奪三振は200を超えてるんですよね。こうしてきっちり数字を残してくるあたり、彼はやっぱり「平成の怪物」の名にふさわしいのかも知れません。

個人タイトルでもう一つ嬉しいのは、バファローズ・盛田投手のカムバック賞受賞が決まったことですね。この賞は、その名の通り故障などから復活を果たした選手に贈られるものです。前にも少し触れましたが、盛田投手は脳腫瘍の手術から復活して、オールスターゲームではファン投票選出で出場しました。同じ病気でリハビリ生活を続ける人たちの励みにもなるのではないでしょうか。


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