【号外】 記録・いろいろ

先週に続いて、今回もスポーツ関係の話題からいくつか集めてみました。先週までの話題について、その後フォローしておきたいものもありますしね。


日本プロ野球では、セ・リーグでヤクルトスワローズの優勝がようやく決まりました。すんなり優勝を決めた大阪近鉄バファローズとは違い、マジック1から1週間近く足踏み。産みの苦しみを味わいました。これで日本シリーズは「バランスのスワローズ」対「一芸のバファローズ」という面白い対戦になりました。来週末・20日には始まるこの対戦。とても楽しみです。

バファローズと言えば、年間最多本塁打記録の更新を目指していたローズ選手。パ・リーグは全日程が終了し、結局彼の本塁打数は55本のままで、残念ながら記録更新は成りませんでした。最後のオリックスブルーウェーブ戦では、投手もちゃんと勝負してくれたんですけどね。こればっかりは打者自身が打たないことには達成できない記録ですから、仕方ありません。王氏が55本の本塁打を放った頃に比べれば、グラウンドもずいぶん広く、フェンスだってずいぶん高くなりました。そんな中で追いついたローズ選手の記録には十分に価値があると思います。


日本では記録更新が成りませんでしたが、アメリカでは年間最多本塁打記録が更新されましたね。メジャーリーグも全日程が終了しましたが、サンフランシスコジャイアンツのボンズ選手は、年間本塁打数を73として、3年前にマグワイア選手が作ったばかりの70本の記録を更新しました。ジャイアンツの本拠地であるパシフィックベル・パークは外野席のすぐ外が海で、ボンズ選手のホームランボールを待つ船が何隻も出ている…という場面がテレビにも良く映りましたね。見ていて楽しい、豪快なホームランです。

しかし、71号、72号と立て続けに放った日のボンズ選手は複雑な表情をしていたとか。この日の試合に負けたジャイアンツは、プレーオフ進出への望みを絶たれてしまいました。個人記録がどんなに偉大なものでも、野球選手にとっての最大の目標はチームが勝つこと。みんなそこに向かって頑張っているわけで、個人記録はたまたまそれに付いてくるもの…というのが一番いいんですよね。


シアトルマリナーズのイチロー選手もすごかったですね。入団1年目の今シーズン、首位打者と盗塁王の2冠を獲得。この2冠の獲得は52年ぶりなんだそうです。その大活躍はマリナーズの記録的ブッチ切りの地区優勝の原動力となりました。…と紹介を書いて、ここに「日本人」とも「新人」とも書く必要がないことがとても嬉しいですね。もちろんイチロー選手はメジャーリーグで初めてプレーした日本人野手の一人で、数々の新人記録も更新しています。しかし、今季のイチロー選手の活躍はそんな小さなスケールで語るべきではないでしょう。

今さら言うまでもなく、イチロー選手は日本では驚異的な実績を残している選手です。彼がメジャーリーグに行っても、並みの選手以上には活躍できるはずだ、そうでなければ日本の野球はあまりに情けない…そう思っていた私ですが、さすがにここまで活躍するとは思いませんでした。ほとんどの人たちはそうだったのではないでしょうか。イチロー選手の実力は、私たちの理解できるところを大きく超えていたようです。イチロー選手と佐々木投手の所属するマリナーズは、これからプレーオフ、ワールドシリーズと「世界一」への道を目指します。もちろん野球はチームメイトと全員で戦うものですが、彼らの活躍で出来る限り上へと進出して欲しいですね。

イチロー選手と時を同じくしてメジャーリーグにやってきた、ニューヨークメッツの新庄選手。数字としての成績は平凡なものに終わりましたが、シーズン最後までメジャーでプレーし続けることが出来ました。ただ、数字の中でも勝利打点が11でチーム最多…と言うことがその一端を示していますが、新庄選手の場合は数字に残らない部分でいろいろと目立つ活躍をしてくれました。チャンスで強い打撃に、元々日本でも評価の高かった守備。アメリカのベースボールファンにも受け入れられたようです。どうやら新庄選手は来季もメッツでプレーできそうですね。またチーム内の競争から始まるかと思いますが、さらなる活躍を期待しましょう。

イチロー選手や新庄選手の活躍に刺激を受けて、他の日本人野手でもメジャーリーグを目指す選手が出てくるでしょうし、メジャーリーグの球団でも日本人野手の獲得を考えるチームが増えてくるでしょう。ただ、忘れてはいけないのはイチロー選手が並はずれた能力の持ち主であること、そしてミート力と俊足、強肩で勝負する選手であること。同じようなタイプの選手なら活躍できる可能性があるかも知れませんが、特に長打力では、日本でホームランを量産する強打者でもアメリカでは並か、下手すればそれ以下のレベルでしょう。ボンズ選手の海に向かって打ち込むホームランを見ると、そんな気持ちが強くなります。


最後にもう一つ驚いたこと。女子マラソンで高橋尚子選手が樹立した世界最高記録が、たった1週間で、しかも1分も短縮されてしまいました。記録は破られるためにある…とも言われますが、あまりに早い動きでびっくりしています。この手の競技の場合、ある選手が驚異的な記録を残すと、他の選手も「私にも出来るはずだ」と頑張ってさらに驚異的な記録が出る…ということがあるそうです。高橋選手も、次に出場するレースではさらに高い記録を狙ってくるのでしょう。どこまで行くのか…やっぱり期待と恐怖の入り交じる気持ちは変わりません。


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