金曜日に、槇原敬之が例の事件以来初のテレビ出演を行い、新曲を披露しました。既に雑誌インタビューやラジオへの出演はしていましたが、やっぱりテレビは注目度が違います。新曲・「Are You OK?」の切れ味はなかなかのものですよ。ポップでありながらヴォーカルの超絶技巧と意外性のアレンジも併せ持っています。久々に新曲を聴いて「やられた!」と思いましたね。彼もこれでいよいよ完全復活でしょうか。あとはどれだけ商業的に成功できるかですね。
土曜日から、プロ野球では日本シリーズがスタートしました。対照的なチームによる好カード、1戦目は「バランス」のヤクルトスワローズが「一芸」の大阪近鉄バファローズから7点を奪い完封勝ち。順当と言えば順当な結果なのかも知れませんが、このまま終わっては面白くありません。バファローズの反撃を期待しましょう。
またも続いてしまったWeekend SSK。今回の目的地は谷川岳です。谷川岳は群馬県と新潟県の県境にある山で、その下をJR上越線と上越新幹線、さらに関越自動車道が通り抜けています。険しい岩場が多く、「魔の山」とも呼ばれ、実際に遭難者も出てしまうくらいの本格的な登山コースになります。
そんな谷川岳ですが、実は百戦錬磨の登山家だけでなく一般の人たちでも楽しむことが出来る山です。それはロープウェイのおかげ。山麓の土合(どあい)口から標高1,321mの天神平までたった10分で連れて行ってくれます。ここにはスキー場もあり、さらにリフトに乗り換えて展望台まで登ると眺望も楽しめます。ただ、そこから山頂まではまだ標高差600m以上、約2時間の道程。簡単な気持ちで登ることは出来ません。ただ、私も大雪山に登り、さらに2週連続で尾瀬を巡ったせいで妙な自信がついてしまったんですよね。ここはちょっと頑張って山頂を目指してみることにしました。
先週の日光行きに続いて、今回も早めに行って混雑を避けたかったんですが、ちょっと出発が遅れてしまい、ロープウェイ乗り場に到着したのは8時40分。ずいぶん長い行列が出来ていたので心配しましたが、待ち時間は10分ほどでした。谷川岳ロープウェイは、8人乗りのゴンドラがたくさん循環していて、30秒に1回ずつくらい発車します。行列の長さの割には回転が速いんですよね。ロープウェイからは、写真のように山麓の紅葉を見渡すことが出来ます。
ロープウェイとリフトを乗り継いで展望台まで上がると、その後は尾根筋をずっと歩くことになります。その距離は片道で3km強。尾瀬沼のときと比べたってずっと短い…と思う方もあるかも知れませんが、そんなに簡単なものではありません。最大の違いは登山道の状況。尾瀬と同じような木道があったりもしますが、基本的には写真のような岩場が多く、しかもその下が絶壁…というような場所まであります。歩くのはずっと大変です。
ところで、写真を見ると本格的な登山装備をしている人が多いことに気づきます。杖を突きながら歩いている人も目立ちます。ロープウェイで高いところまで来られるとはいっても、谷川岳は2,000m級の高山ですから当然。それに比べれば私の装備は貧弱なものと言わざるを得ません。そんな考えの甘さを、この後嫌と言うほど思い知らされることになります。
ところで、一般的に「谷川岳」と呼ばれる場所には2つの山頂があります。測量などで使われる三角点があるのはトマの耳(標高1,963m)。しかし、標高が高いのはオキの耳(標高1,977m)の方です。遠くから見ると、ちょうど猫か何かの耳のように見えるんですよね。今回はちゃんと両方に足を運んできました。
山頂付近では周辺の多くの山を一望にすることが出来ましたが、一番嬉しかったのは富士山を見られたこと。写真に写せるほどはっきり見えたわけではありませんでしたが、160kmもの彼方にもかかわらず、ひときわ高い雲の上に山影が見えました。実家の浜松からでも富士山はほとんど見えないんですが、それでもやっぱりふるさとを象徴する山。気になるものです。
帰り道には、とんでもない事態が待ち受けていました。山頂を出発してすぐに左膝の裏側に違和感を感じ、それがだんだんひどくなってきて、ついにはほとんど膝が曲がらないくらいの状態になってしまいました。膝にかかる衝撃は、上り坂よりもむしろ下り坂の方が大きくなります。このままでは、まともに下山できるかどうかも不安でした。
しかし、こういうときにありがたいのは他の登山客の皆さんの温かさです。「頑張って」と声を掛けてくれたり、「なるべく段差のないところを歩きなさい」とアドバイスしてくれたり…。さらには筋肉痛の塗り薬をくれた方や、「疲れたときにはこれがいいのよ」と岩塩をくれた方もありました。こうした方々のおかげで、何とか痛みも治まり、ちゃんと下山することが出来ました。いくら感謝しても感謝しきれません。困ったときには助け合おう…これって実は冒頭に出てきた槇原敬之・「Are You OK?」にも流れているメッセージなんですよね。決して忘れてはいけない気持ちです。
帰り道のロープウェイ乗り場には、長~い行列が出来ていました。待ち時間は約30分。いくら回転が速いとはいえ、これにはさすがに参りましたね。
ところで、谷川岳ロープウェイの最寄り駅であるJR上越線・土合駅がこれまたとんでもない駅なんです。その原因は下り線(新潟方面行き)のホームのある場所。上り線のホームよりも82mも低い地底にあり、そこまでは486段もの階段が続いているんです。下から見上げた写真を見てやってください。これは見るだけで嫌になりますよ。ちなみに登るのには10分ほどかかります。
土合駅で一番笑ってしまったのがこれ。階段の下から305段目のところにベンチが置いてあります。長い階段ですから、途中で一休みしてもらおう…という粋な計らいなんですよね。
本来駅の構内に入るためには入場券が必要なんですが、土合駅は無人駅で切符売り場もありません。そのせいか、「無賃入場」している人たちを何人か見かけました。駅でも「ようこそ日本一のモグラ駅へ」という看板が掲げてあり、観光資源としての価値を認めているんだと思うんですけどね。もうちょっと几帳面に入場料を取れば結構儲かるのかも。まあ、JR駅の入場料は140円ですから大したことはないのかな?と言う気もしますが。
コメントを残す