いきなり言い訳から
お久しぶりです。前回このコーナーに記事を書いたのはいつだったんでしょう?…もちろん、1年以上放置されていたことは私自身ちゃんと分かっていました。このコーナーを立ち上げた頃には、いろいろと思うところもあったのですが、気が付いてみるとそれほど盛り上がりのないままに1年が過ぎていきました。iモード用サイトを作るのも、結構本気で考えていたんですけどね。今ではすっかり熱が冷めてしまいました。
どうして盛り上がらなかったのか?…結局のところ、iモードそのものが期待していたほどには「使える」ものではなかったということだと思います。携帯電話からいつでもどこでもインターネットへのアクセスが出来るiモードの可能性そのものを否定するわけではありませんが、もともとノートパソコンを持ち歩いてどこでもほぼ通常どおりにインターネット接続を利用していた私の場合、基本的にテキストベース、通信速度もたったの9,600bpsというiモードの基盤環境はあまりに貧弱すぎました。おまけに、毎日数通、休日には20通くらい飛び込んでくる、いわゆる「出会い系サイト」への勧誘メール。これには参りました。
もう一つ、サイト制作者として見たときの要因はあまりに移り変わりが激しすぎること。もともとはかなり貧弱な環境だったiモードも、短期間にどんどん出来ることが増えてきました。しかし、追加された機能を使うためには新しい規格に沿った端末が必要です。最新の機能を駆使したサイトだと、見てもらえる人が限定されてしまい、誰にでも見てもらえるサイトを目指すと、内容が制約を受けてしまう…これは別に携帯電話用サイトに限った話ではないんですが、携帯電話の場合はパソコンのようにソフトウェアのバージョンアップで済ませるわけには行きません。おまけに機種の入れ替わりも非常に早いんですよね。1機種専用のサイトなら何とかなるかも知れませんが、そうでなければ技術の進歩を追いかけるのはとても無理だ…そう思ったんです。
でも確かに便利でした
そんな状況ではありましたが、iモードのサービスにもそれなりに「使える」ものはありました。一番重宝したのは、パソコン用のメールの着信通知をiモードメールで受け取るサービス。携帯電話を常時待ち受け状態にしておけば、パソコン用のメールアドレスにメールが到着するとほとんど即時に携帯電話が鳴ります。iモードメールで誰からの、どんな用件のメールか概略を確認して、すぐ必要なものならパソコンで受信します。プロバイダによっては、iモードサイトで長文メールの内容を確認したり(iモードメールは基本的に250文字以内ですから、それだけでは全てのメールの内容は確認できません)、その場で返信を打ったりできるサービスも提供されています。さすがにケータイで長文のメールを打つ気にはなりませんが、読む方はよく利用しています。
あと、結構便利だったのは電車やバスの時刻表。これらのサービスは、外出先でこそ必要になることが多く、しかも基本的に文字情報さえあれば提供可能ですから、いかにもiモード向きだったのでしょう。いくらノートパソコンでインターネットにつなげるとは言っても、やはりiモードの利点はそのお手軽さ。小さなケータイをポケットから取り出せば準備OKですからね。地元・浜松の遠州鉄道では、iモード用サイトで現在自分のいるバス停留所と行き先を入力すると、お目当てのバスが今どこまで近づいているかを教えてくれます。
もう一つ、結構よく利用しているのは「着メロ」のダウンロードサービス。前にも触れたとおり、着信音が多重和音に対応してきたので、自分で入力するだけの根性はもうありません。この着信音も、各社端末によってその性能がかなり違っているので、その機能をフルに発揮しようとすればiモードサイトでも機種別に対応する必要があります。しかも、巷には毎週のように数多の新曲が登場します。サイト制作スタッフの皆さんも大変ですよね。
余談ですが、「着メロ」は東京通信ネットワーク株式会社の登録商標なんですよね。社名だけ見るとちょっとわかりにくいんですが、この会社は首都圏で安価な市内通話を提供する「東京電話」と、PHS・アステルのサービスを行っている会社です。意外な会社が商標権を持ってるんだな…と感じました。もちろん、携帯通信事業者の一つであるアステルがこの権利を持っていること自体は正当なものだと思いますし、商標登録した先見の明は大したものです。
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