アメリカ・メジャーリーグ、シアトルマリナーズのイチロー選手が新人王を獲得しました。現行の規定とあの成績なら、獲得できない方が不思議なくらいでしたけどね。イチロー選手本人もそう思っていたのか、「この賞は取らなくてはならないと思っていたのでほっとした」とコメントを出しています。新人王は、日本と同じように野球担当のスポーツ記者たちの投票で決まります。イチロー選手は1票を除いてすべての票を獲得したのだとか。やっぱり、私と同じようにどこか引っかかる人がいたんでしょうね。日本人の新人王は野茂投手、佐々木投手に続いて3人目。ともかく、イチロー選手がちゃんと新人王を獲得したことで、メジャーリーグはまたも懐の深さを見せたわけです。
これでようやくイチロー選手の肩書きから「新人」の二文字が取れます。来シーズンからは、並み居るメジャーリーグの好選手たちとの本格的な勝負がスタートしますね。今度は「新人」の付かない記録を更新できるくらい活躍してほしいものです。
話は同じ野球のことになりますが、台湾で野球のワールドカップを開催中です。日本からはプロとアマチュアの選手、さらに高校生の寺原投手も含む混成チームが派遣され、予選リーグは7戦全勝で通過しました。この野球ワールドカップは、今回で34回目という歴史を持つそうなんですが、恥ずかしながら私はこの大会の存在をつい最近まで知りませんでした。もともとアマチュア選手しか参加できない大会で、今回からプロ選手も出場できることになり、日本からもプロ選手が派遣されたおかげで知ることになった…というわけです。ドラゴンズから派遣された井端選手が活躍しているようで、テレビ中継を見ていても楽しいですね。
「ワールドカップ」と言えば、まず最初に思い浮かぶのはサッカーでしょうか。サッカーのワールドカップは長い歴史を持ち、世界のほとんどの国が予選に参加する最も権威のある国際大会です。来年は日本でも開催されるので、特に注目度は高いですよね。それに比べると、野球の場合行われている国の数そのものが少ないので仕方がないところもありますが、それでもやっぱり盛り上がりに欠ける地味な印象を持ちます。
その理由を考えてみると、やはり真の世界一を決める大会になっていないという事のような気がします。確かに、オリンピックに続いて今大会からプロ選手が参加できる大会になって、プロ選手を中心にチームを編成する国も出てきています。しかし、この大会にはおそらく世界最強の野球選手集団であるアメリカ・メジャーリーグの選手が参加していません(アメリカチームはマイナーリーグの選手主体)。プロ野球の主力選手も参加する今大会の日本チームは、アマチュア最強と言われるキューバチームにも勝利し、優勝を狙えるチームだと思いますが、優勝したとしてもそれはやはり真の「世界最強」とは認められないでしょう。日本のプロ選手派遣も限定的で、まだ実力のすべてを出し切っているとは言い難いと思いますし。
サッカーのワールドカップでは各国のプロリーグのトップで活躍する選手たちが各国代表となるだけでなく、海外のプロリーグで活躍している選手が自分の祖国に戻って戦います。さらには、このほど日本国籍を取得したJリーグ・清水エスパルスの三都主アレサンドロ(アレックス)選手のように、自分を育ててくれた国、生まれ故郷とは違う国の選手として戦う…という選手もいたりします。もちろん競技として多くの国で楽しまれているからこそこうした展開が出てくるわけですが、こうしたグローバルな展開がサッカーのワールドカップの価値をさらに高めていると思います。野球のワールドカップがさらに盛り上がっていくためには、より多くの国でプレイされるようになって、選手の国際的な交流も進んで行かなくてはならないのでしょう。
私としては、中途半端なレベルではない手加減なしの国際的な対決も見てみたい気がしますが、それでは、もしメジャーリーグの選手たちがワールドカップに参加したらどうなるんでしょうか?。オリンピックのバスケットボール競技では、アメリカのプロ選手たちが「ドリームチーム」を組織して参加し、呆れるほどの強さを見せつけた…という例がありますが、これの再現になる可能性は十分にあると思います。おそらく世界で2番目にレベルの高いプロ野球リーグである日本プロ野球との対戦・日米野球がああいう結果になるわけですし。そう考えてみると、メジャーリーグで全米一を決める試合が「ワールドシリーズ」と呼ばれるのも仕方がないことなのかも知れません。
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