Let’s eXPerience(2) ~いきなりリカバリー編

そう、いきなりやっちゃいました

前回はWindows XP Professionalのインストールを無事済ませた私。この本体にこのOSの組み合わせで使っている人は世界広しといえどもそれほど多くないだろうな…とか自己満足に浸りつつ、次は各種周辺機器やアプリケーションの動作確認に入りました。ところが、その途中某アプリケーションをインストールしている最中に、ハードディスクのアクセスランプが点灯したまま全く動作しなくなってしまいました。Ctrl+Alt+Delを含めてキー操作も受け付けなくなってしまったので、仕方なく電源を強制的に落としました。

そして、悲劇は電源を入れた直後にやってきました。一見ごく普通に立ち上がり、OS選択メニュー(回復コンソールもインストールしましたから)までは起動するんですが、そこからWindows XP Professionalを選択して、起動中の画面が10秒ほど出た後に停止エラーの画面が。エラーメッセージは「UNMOUNTABLE_BOOT_VOLUME」…つまり、「ブートできるパーティションにアクセスできません」ということですよね。アプリケーションのインストール中と言うことは、当然ディスクは書き込み動作中。内容が壊れるのも当たり前と言えば当たり前なんですが…。

冷静に考えよう

「ハードディスクからブートできない」ということは…嫌な予感の漂う中、それでもセーフモードや回復コンソールの起動を試みました。しかし、予想通り同じ停止エラーが出て終了。またも為すすべなしの状況になってしまいました。あのときと全く同じ群馬県の山中、さらに時間も深夜。まさか、2週間も経たないうちにまた同じような思いをすることになるとは予想しませんでしたね。しかも、今回は何度起動し直しても見事なまでに同じ症状を再現。時間をおいたところで、変化する望みは限りなくゼロに近いと思われました。

エラーメッセージから判断すると、ハードディスク上のブートセクタ(OSを起動するために最初に読み込む部分です)に異常が出ていることが考えられます。ここを修復すれば、元通りに起動できる可能性がある…と思いました。万が一の事態に備えて、Windows XPのCD-ROMは群馬まで持参していました。Windows XPのCD-ROMからは、直接回復コンソールを起動していろいろな修復処理をすることができます。

ところが、このCD-ROMを読み込むためのWindows 98SE起動ディスクは浜松に置いてきてしまったんです。さすがにこれではどうしようもありません。起動可能なフロッピーディスク自体は入手可能なんですが、さすがにLK-RV624DZのDOS用ドライバは持ってきませんでしたから。

またもお買い物

そんなときに、ある製品の存在を思い出し、早速翌日の仕事が終わってすぐに買い物に出かけました。それが入手できそうな最寄りの電機量販店までは車で30分以上。お目当ての商品がなかったらかなりのショックを受けたかもしれませんが、幸い入手することができました。

Panasonic KXL-840AN

それがこれ。Panasonic製のUSB接続CD-ROMドライブ・KXL-840ANです。CF-B5Rとお揃いのシルバーとブルーのツートンカラーに身を包んだ姿が印象的ですが、そのカラーリングは伊達ではありません。実は、CF-B5RとKXL-840ANの組み合わせは、他のノートパソコンと外付けCD-ROMにはとうてい真似のできない離れ業をやってのけます。

それは、USB接続ドライブなのにCD-ROMからのシステムの起動が可能なこと。CF-B5RのBIOS設定メニューでは、起動ドライブに「USB CD-ROMドライブ」が設定できるようになっていますが、これはまさにKXL-840ANを念頭に置いた項目というわけです。さすがにそこは同じPanasonicの製品、メーカーでも推奨している純正の組み合わせと言うことなんですが。

私は、このKXL-840ANからWindows XPのCD-ROMを直接起動してみようと思ったわけです。もし起動に失敗しても、Windows 98の起動ディスクは確実に入手できますから、そこに、KXL-840AN添付の「起動ディスク作成ツール」を適用すればちゃんとCD-ROMは読めるはずです。ちなみに購入価格は17,800円。フロッピーディスクを取りにわざわざ浜松まで往復するのに比べれば、金額が割安なのはもちろん、10数時間の時間も節約できます。

結果は上々

早速、KXL-840ANをCF-B5Rに接続して、Windows XPのCD-ROMを入れてからCF-B5Rの電源を入れました。もちろんBIOS設定メニューの変更も忘れてはいけません。あと、KXL-840ANの電源供給をUSBポートにするためにディップスイッチの切り替えが必要です。製品にはACアダプターが添付されていますが、USBからの電力供給が十分ならこれは不要です。もちろん純正品・CF-B5Rはこのスタイルに対応しています。

見事Windows XPのCD-ROMからシステムが起動したので、メニューから「回復コンソール」を選択しました。最初に、C:ドライブがアクセスできるかどうか確認してみましたが、存在はするものの内容が全く見えません。そこで、まず当初の予定通り「fixboot」コマンドでブートセクタを修復しました。予想通りエラーが発見されブートセクタは修復されましたが、依然としてディスク内容は見えません。そこで、今度は「chkdsk」コマンドでディスク内の整合性チェックを実行。いくつかのエラーが発見されましたがすべて修復されて、今度はディスクの内容もちゃんと見えるようになりました。

ここでCD-ROMを外してシステムを再起動。今度は正常にWindows XPが立ち上がり、無事元通りに復活しました。ハードディスク内に作っておいたデータも結構ありましたから、まずはほっと一息です。今回は回復コンソールを起動しましたが、前回のインストール手順から考えると、OSのインストールそのものもCD-ROMからの起動でできそうですね…KXL-840ANのパッケージには「Windows 2000ではUSBブートできません」と書いてあるんですが、おそらくWindows XPでは大丈夫でしょう。

ところで、今回の事態を引き起こしたアプリケーションを無謀にも再度インストールしてみましたが、今度は何事もなくインストールできてしまいました。結局どうしてあんなことになったのか、その原因は特定できていません。不気味と言えばちょっと不気味なんですが、もうしばらくいろいろと使ってみましょう。同じ事態になっても、今度はちゃんと対処もできそうですし。


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