まずは前回の続き
周辺機器やアプリケーションソフトの動作状況については、別ページの「CF-B5R+Windows XP 動作確認一覧表」にまとめてみました。外付けの周辺機器、アプリケーションソフトのどちらの場合でも、Windows 2000で使えていたものの多くは使えるようです。あまりにもあっけなく動いてしまうので拍子抜け…というのが正直なところです。もちろんこれは嬉しいことなんですが。
Windows 2000のときには、製造元によって対応に温度差があったように感じましたが、Windows XPの場合には各社とも積極的な対応を見せているように感じます。Windows 2000はまだ玄人向けのちょっと特殊なOS…という位置づけでしたが、Windows XPはパソコンショップの店頭で最もよく売れる機種に搭載されるOSです。ですから、積極的な対応は当たり前なんでしょうけどね。
肝心なこと
そういえば、肝心のOSそのものの操作感について書くことをすっかり忘れていました。Windows XPと言えば、その重大な変更点の一つがユーザーインターフェースの変更。「Windowsクラシック」という従来のタイプ(Windows 2000やWindows Meのスタイルを受け継いでいます)も選択できますが、インストールした当初は、こんな青基調のタスクバーに緑色のスタートボタンが設定されます。専門誌ではどうも不評だったようですが、個人的には結構好きです。
ただ、いろいろと凝った動きをするせいか、動作が少々緩慢になったような気がします。設定で特殊効果はかなり抑制できるので、どのあたりがちょうどいいのか調整していけばいいのかも。個人的には、この新しいスタイルだと細かく色を変更できないことも寂しいんですが。3パターンの中から選択できるだけなんです。
使っていて「良くなったな」と感じたのが、タスクバー右端のタスクトレイ部が自動的に整理されるようになったこと。しばらくの間使われていない(状況が変化しない)トレイアイコンは徐々に隠されていきます。隠されたアイコンにアクセスしたいときには、タスクバーとトレイの間にある丸いボタンを押すと全部出てきます。多くの常駐ソフトがタスクトレイにアイコンを配置します。あまりに多くなると鬱陶しく感じたりもしますが、これはいい改善点でしたね。
モバイル向けの新機能
実は、Windows XPではインストールされた時点の初期設定で従来と大きく変更されたところがあります。これまでは、ディスプレイを閉じてもディスプレイの電源が切れるだけでしたが、Windows XPでは、初期設定でディスプレイを閉じるとスタンバイ状態に移行します。どうしてこうなったのか?…Windows XPでは、スタンバイ状態や休止状態への移行が見直され、大幅に高速化されたのだそうです。その恩恵を十分活用してもらうための変更のようですね。
ただ、CF-B5Rの場合はスタンバイ状態や休止状態に移行する前に数十秒ほど止まったようになることがあります。じーっと待っていればちゃんと動作してくれるんですが、これではせっかくの設定が生きません。良くある話なんですが、こうした動作にはBIOSの協力も必要で、今となっては少々古い機種になってしまったB5Rでは、おそらくBIOS側が対応できていないのだと思います。
それでも、スタンバイ状態や休止状態からの復帰の速さは実感できます。試しに計ってみたら、スタンバイからの復帰が約3秒、休止状態からの復帰は13秒ほどでした。特に、休止状態からの復帰では、これまでは復帰時には使っていなかったUltraATAの機能を生かして、高速の転送を行っているのだとか。ただ、それならもう少し速くなってもよさそうなものなんですが…。
Pentium3がCrusoeになった?
さらに、電力管理の関係でもう一つ面白いことがあります。Windows 2000/XPでは、電源設定で「バッテリの最大利用」を選択できます。CF-B5R+Windows 2000では、この設定を選択するとバッテリ駆動時にCPUクロックが50%減(250または300MHz)に設定されました。確かにバッテリーでの駆動時間は少々延びますが、さすがにここまでクロックが下がると日常的な仕事にも支障が出てくる場合があります。
ところが、Windows XPでは少々状況が違います。「バッテリの最大利用」を選択してACアダプターを外すと、CPUクロックは何と75MHzまで下がってしまいます。しかし、マウスカーソルを動かすと一瞬だけクロックが上がることがあります。アプリケーションを起動すると、しばらくの間だけ600MHzが表示され、また75MHzに戻ります。CPUクロックの監視にはFPANAPC会員だけがダウンロードできる「Let’s note Meter」を使っていますが、もしこの表示が正しいのなら、CPUへの負荷に応じてリアルタイムにCPUクロックの制御を行っていることになります。これで電圧まで変えられれば、CrusoeのLongRun技術と同じなんですけどね。
OSのバージョン番号を見ると、Windows 2000は「5.0.2195」、Windows XPは「5.1.2600」です。つまり、劇的な変化はない…とも言えるわけで、実際のところ、Windows 2000を使っている人にとってバージョンアップする意義があるのか疑問視する声もあります。しかし、この電力管理だけでもモバイル用途で活用しようとしている人たちにとっては魅力的な機能が詰まっている…とも言えると思います。ただし、やっぱりBIOSの協力は不可欠。Panasonicさんにはこのあたりの対応を是非お願いしたいと思いますね。適切に設計されたパソコンなら、液晶画面を閉じる間にスタンバイに移行させ、開く間に復帰させることも可能かも知れません。
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