メリークリスマス!…とは言ってみたものの、私にはいったい何がそんなに嬉しいのか全然わかりません。結局今年もクリスマスソングは作れませんでしたが、クリスマスそのものにプラスイメージを持っていないことが最大の原因のような気がします。
それはともかく、今年のクリスマスイブは例年になく優雅な一日を過ごしてしまいました。というのも、何とバレエを見に行くことになってしまったんです。これまでにクラシックの演奏会やミュージカルなら見たことがありますが、さすがにバレエは見たことがありません。格式の高い貴族の娯楽…というイメージがあって正直なところちょっと怖かったんですが、どんなジャンルにしても舞台で生のパフォーマンスを見るのは楽しいもののはずです。結構高価なステージに招いていただいたわけですし、せっかくだから…と出かけることにしました。
しかも会場は東京。今回見たのは、五反田・ゆうぽうと簡易保険ホールで行われた松山バレエ団の公演でした。バレエの知識は全くと言っていいくらいない私でも、このバレエ団の団長・森下洋子さんの名前は聞いたことがあります。50歳を過ぎても今なお主役を張って踊り続ける超人的なバレリーナさんですね。テレビの特集番組で見たことがあります。残念ながら今回は森下さんの踊りは見られませんでした。ちなみに、オーケストラの指揮者・河合尚市氏は浜松出身の方なんだそうです。
演目は「くるみ割り人形」。12月のバレエと言えばこれが定番なんだそうですね。何しろ、クリスマスイブの夜のことを描いた話ですから…と偉そうに言いますが、私は前日までそのことすら知りませんでした。ステージで全く台詞が語られないバレエは、事前にある程度勉強をしておかないと楽しめません。バレエでは踊りの中の手の動き一つ一つが決まった意味を持っていて、実際には台詞を話しているのと同じようなものらしいんですが。ともかく、ネットサーフィンで情報を探し、レンタルショップでCDを借り…と、一夜漬けの受験勉強みたいなことをして臨みました。テレビでは映画も放送されていましたね。
バレエに限らずクラシック系の出し物では、いかに静かな会場を作れるかが勝負です。そのために、観客に年齢制限を課すことも多いんですが、この日の公演は3歳以上ならOK。もともと、このバレエ団は子供たちへの教育にも熱心なのでこういうことになっているんだそうですね。実際に親子連れの人たち、それも小学校低学年くらいの子たちをよく見かけました。それでも、会場はかなり静かでしたね。おそらくみんなバレエを習っている子たちでしょう。ステージを見る目は真剣そのものでした。
もともと「くるみ割り人形」の原作は童話ですから、話の筋も見ているだけでかなりわかるんですが、今回は特に子供たち向けに楽しめる演出を考えられていたようで、初めてバレエを見る私でも楽しく見ることが出来ました。舞踊としての細かい技術の話はわかりませんが、それでもステージの上でたくさんの人たちが一糸乱れぬ動きを見せるのは大変なことだと思いますし、見ていて自然に引き込まれます。
もう一つ楽しめたのは音楽。聴いていると、どこかで聴いたことのある曲が次々に出てきます。テレビ番組やコマーシャルのBGMとしてよく使われている曲もいくつかありますよね。それぞれの曲を断片的に聴いたことはあるわけなんですが、ステージ全体を通して見ていると、どうしてタイトルが「こんぺいとうの踊り」なの?と言うような疑問も解けてきます。そうなれば当然曲への向かい合い方も変わってきますよね。
そんなわけで、全体的にもかなり楽しませてもらうことが出来ました。少なくとも、今までに見たことがない新しいものをいろいろと見ることが出来て、今後のいろいろなモノ作りにとってもいい経験になったと思います。ただ、今回はまさに初心者向けの演目だったわけで、これがもっと硬派なものになると私には果たして耐えられるんだろうか?…という気はしましたが。
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