久しぶりの感触
今回は特別編と言うことで、CF-B5Rと同じLet’s noteシリーズ・CF-S21EJ8のハードディスク交換をお送りしましょう。実は、このS21Eは私が洗脳して購入させてしまった(?)ようなもので、この度ハードディスク交換を引き受けたんです。
預かったS21Eがこれなんですが、改めて触ってみるとCF-S2xシリーズはやはり名機だと感じます。外側は渋いガンメタリック、内側は黒基調というシックな外観、ファン無しの構成による静かな動作音、PgUp/PgDnキーが独立していて絶妙のタッチ感を持つキーボード、そして十分に長いバッテリでの動作時間。しかも、私のようにこき使っていませんからとても綺麗です。
私自身もかつては同型機・CF-S21J5のオーナーで、しかもハードディスクの交換は通算3度もしていますから、交換作業には結構自信がありました。ただ、今回の作業はもともとインストールされているWindows 98の環境をそのまま引っ越す…ということでしたから、これまでやってきた作業とは少々勝手の違うところもあります。もちろん、間違いのないように復習してから臨みました。データもちゃんとバックアップを作っています。
交換は超楽勝?
まずは、分解・組み立て方法をおさらいしておきましょう。と言っても、ハードディスクの交換さえ出来ればいいわけですから、実際にはかなり簡単な作業になります。さすがに裏蓋をネジ2、3本で外すとハードディスクが丸見え…とまでは行きませんが、まるで「交換してください」と主張しているかのようです。しかし、分解、改造は自己責任で行うもの…ということは同じです。油断しないように。
1. S21Eの電源を完全に切り、ACアダプターとバッテリーを取り外します。
2. 本体裏面のネジ3本を外します。ネジが2種類ある(拡大写真赤○と黄○)ので、わかりやすいように整理しておきましょう。ちなみに、赤○のネジはハードディスクを、黄色○のネジはキーボードを固定しています。
3. キーボードを取り外します。キーボードはCF-B5Rと同様に左右の爪に引っかけられているので、キーボード全体を上に少し反らせる感じで、左側の爪から?ドライバーを入れて外していきます。キーボードそのものはB5Rよりも剛性が高いのですが、それでも曲げてしまわないように気を付けましょう。
4. キーボードを跳ね上げれば、もうそこにハードディスクドライブの銀色の箱が見えています。
左側に取り付けられたコネクタに差し込まれる形になっていますから、→矢印の方向に真っ直ぐ、少し力を入れながらゆっくり引き抜いてください。このとき、トラックボールの配線(写真赤○)を抜いておけば作業が楽です。これもCF-B5Rの内部配線同様、手で真上に引き抜けば簡単に外れます。
ハードディスクの中身を引っ越す
ハードディスク交換については、このあと新しいディスクを取り付け、組み立てていけばできあがり…となるんですが、話はそう簡単には進みません。今回は富士通製のMHD2032AT(3.2GB)を取り外して、IBMのIC25N030ATDA04-0(30.0GB)を取り付けたんですが、CF-S21EのBIOS側では内蔵ハードディスクの8GB以上の容量を認識することができません。そこで、今回はこんな方法を使ってみました。
- USB接続の外付けハードディスクケースにIC25N030ATDA04-0を取り付け、CF-S21Eに接続します。この外付けディスクはちゃんと30GBのD:ドライブとして認識されるので、全領域を確保、FAT32でフォーマットしました。最初にフォーマットするときに「システムを転送する」にチェックを入れておくか、後から「起動専用」でフォーマットするかして、Windows 98のシステムを転送しておきます。CF-S21Eでハイバネーション機能を使うときには、別のパーティションも確保しなくてはならないんですが、今回は「使わない」とのことだったので全領域を確保しました。実は、ハイバネーション領域を確保しようとすると非常に難しいらしいんですが。
- 次に、この外付けケースをデスクトップに接続。内蔵されていたMHD2032ATを取り外し、デスクトップ機のIDEインターフェースに変換コネクタ経由で接続し、デスクトップ機を起動します。デスクトップ機上で、MHD2032AT上のファイル全てをハードディスク内のIC25N030ATDA04-0にコピーしました。
- 最後に、IC25N030ATDA04-0をCF-S21Eに取り付けます。無事Windows 98が起動して、元通りの環境が再現されました。領域確保・フォーマットを済ませたハードディスクなら、内蔵しても8GB以上の容量が使えるようです。
交換の効果
IC25N030ATDA04-0は、私がCF-B5Rに取り付けたMHN2300ATと同じように流体軸受けを採用したドライブです。実際に起動してみると、やはり際だったのはその静粛性でした。しかも、CF-S21Eの場合はCPUファンも装備していませんから、それこそ「フリーズしたんじゃないか?」と勘違いしてしまうくらい静かです。
また、ハードディスクの動作が速くなったことも体感できました。もちろん、もともとの目的である容量の増大については言うまでもありません。何しろ、一気に容量が10倍近くになったんですからね。おかげさまで、非常に喜んでもらえました。よかった、よかった。
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