プロ野球のオープン戦が始まりました。まだまだ選手もチーム全体も調整段階ですから、この時期の実際の勝敗にはあまり意味がない…とも言われますが、見ているファンの側からするとやっぱり気になるのは勝ち負けだったりします。選手やチームだけでなく、ファンの私たちも野球を観戦する「目」を養うための調整に入っているのかな?と思ったりもします。
例年、浜松でもオープン戦が1試合行われています。浜松市営球場で開催されるこの試合は、ここで秋季キャンプを張ることもある中日ドラゴンズの主催試合として行われます。対戦相手にはいろいろなチームがやってきますが、大抵はパ・リーグのチームですね。一昨年に西武ライオンズがやってきたときは、あの松坂大輔投手が登板するかも?ということで(実際に登板したわけですが)意外に賑わったりもしました。
ところが、今年はちょっと様子が違いました。何しろ、今年やってくるのはあの読売ジャイアンツ。不思議なことに、ジャイアンツ戦は他のどのカードと比べても圧倒的な人気を誇ります。例年なら、チケットを買うときにはいつもお世話になってる新聞屋さんに電話をかけて、家までチケットを届けてもらうんですが、今年は発売される前に新聞屋さんから電話がかかってきました。チケットが非常に入手しにくいことが予想されるので、いつも買ってくれる人のところから先に購入確認の電話をくれたのだとか。普段からのお付き合いがあるとこう言うときにはありがたいですね。もちろん、即手配をお願いしました。
そのときに、新聞屋さんから「座席の方は私たちに任せてもらえないか」と言われて、全てお願いすることにしました。2週間ほど後にチケットが届いたんですが、何とそれは「S席中央」。一番高価なチケットです…と言っても、普段買っている1塁側内野席と比べれば極端に高いわけでもないんですが。小さな浜松市営球場とは言え、ただでさえ入手が難しいと言われるジャイアンツ戦の、しかも一番高い席。こんな座席でプロ野球を見ることそのものが初めてです。楽しみにしながら出かけることにしました。
今年のオープン戦も平日のデーゲーム。例によって仕事の方は有給休暇と言うことにして、バスを乗り継いで球場に向かいました。浜松駅前からは、市営球場直通のシャトル便が運行されていたんですが、かなり早めに出かけたにもかかわらず、停留所は既に長蛇の列でした。これはやはりジャイアンツ戦の威力なんでしょうか。
「S席中央」というのはその名の通り1塁側と3塁側の中央、いわゆる「バックネット裏」の座席です。しかもかなり低い位置の座席でしたから、こんな風にピッチャーマウンドからバッターボックスまでの様子はかなり近くに感じることが出来ます。さすがに一番高価なシートだけのことはあります。
実は、もう一つこの座席の高級さを実感したことがあります。それは、1塁側や3塁側の席とは違って座席がちゃんとセパレートになっていて、しかも小さいながらも背もたれが付いていたこと。座席の間隔自体は大して変わらないんですが、特に背もたれの有無は座り心地に決定的な影響を与えます。
周りを見回すと、例年のオープン戦と比べてかなり平均年齢が高いような気がしました。特に、白髪の目立つ夫婦連れや男性のグループが目立ちましたね。これが単なる偶然なのか、今回はいつもと違ってバックネット裏に座っているからなのか、平日になかなか休めないくらい景気が悪くなったのか、それともジャイアンツファンの平均年齢が高いからなのか…それはわからないんですが。すぐ近くの席には大声でヤジを飛ばす人がいて、楽しいものもありましたが全体的にはいい気分がしませんでした。一生懸命プレイしている選手の気持ちを考えてないと思います。
ドラゴンズの先発は新人の久本祐一投手。昨年の都市対抗野球では、地元・浜松市の河合楽器の優勝に貢献した選手なんですが、その河合楽器野球部はリストラのあおりを受けて休部。同僚の山井大介投手と共にドラゴンズに入団しました。即戦力として期待されていますね。この日は、地元での「凱旋登板」と言うことで緊張したのか、いきなり先頭打者ホームランを打たれたり、ボークを与えたあとで連打を浴びるなど3回を投げて4失点。残念な結果でしたが、私の期待度は変わりません。セ・リーグの新人王だって狙えると思います。
試合そのものは、8?2でジャイアンツが勝利しました。点数だけ見ると一方的な試合のように見えますが、実際にスタンドから見ていた限りでは、両チーム共にもう一つ盛り上がりに欠ける試合だったような気がします。ドラゴンズ側としては、久本投手の後に投げた小山投手、宮越投手が好投を見せたのが収穫だったかも知れませんね。それにしても、近年ドラゴンズは浜松ではどうも勝てません。公式戦でも6月に1度浜松球場での試合があります。今度こそ勝ってほしいものです。
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