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i.LINKでつなごう(1) ~設定編

Windows XPの「使える」機能

Let’s noteに続いて、自作デスクトップ機にもWindows XP Professionalをインストールしました。前に、デスクトップ機ではWindows 2000からWindows XPに乗り換える必要性を感じない…と書いたんですが、実はWindows XPで新しく加わった機能の中にも意外に使える機能があったりします。その中の一つが、IEEE1394ポートを使ってパソコン同士を直結すること。

この機能そのものは、SONYがVAIO同士の接続のためにドライバを提供したのが最初で、OSによるサポートはWindows Meで初めて加わったものです。Windows Meについては結局導入を見送った私にとっては、Windows XPで初めて見る機能になります。パソコン同士を直接ケーブルで接続する方法には、古くはシリアルケーブルやパラレルケーブルが使われ、最近ではUSBポートに特殊なケーブルをつなぐものもあったりしますが、これらの場合は専用のユーティリティソフトを使ってファイルを転送する…という使い方でした。一方、IEEE1394ポート経由の接続は、「1394接続」というネットワーク接続として表示され、10BASE-Tや100BASE-TXなどのLAN接続と全く同じように扱われます。

1394接続は、インターフェースの能力としては100BASE-TXよりも高速な400Mbpsの転送速度を持ちます。また、ケーブルが接続されたことをOSが自動的に認識して各種設定が行われるプラグアンドプレイを実現しています。高性能にしてお手軽…という実に先進的なイメージがありますが、実際のところはどうなんでしょうか?。早速、目の前の2台のWindows XPパソコンを使って試してみることにしました。

接続は簡単…なんですが

まず、1394接続のためにはハードウェア側にIEEE1394ポートがなくてはなりませんが、デスクトップ機にはもともとPCI拡張ボードが差してありますし、Let’s note用にはPCカードを購入してあります。これで本体側の準備はOKです。Windows XPの場合、IEEE1394インターフェース用のドライバそのものもOS標準のものが使われることが多いようで、これもお手軽さの一つですね。

あとはケーブルをつなぐだけ。タスクトレイに新しいネットワーク接続のアイコンが表示され、仮想LANとして使うためのドライバも自動的にインストールされます。このあたりはプラグアンドプレイの面目躍如と言ったところでしょうか。周辺機器の設定を自動化する…ということでWindows 95以来推進されてきたプラグアンドプレイも、ようやく安心して見られるものになってきました。

もともと無線LAN経由でネットワークの設定を済ませている2台ですから、この時点で共有されたファイルやプリンタの使用が可能…になるはずだったんですが、実際に操作してみるとそう簡単にはいかなかったんです。ただ単にケーブルを接続しただけでは、ネットワーク上の共有ファイルやプリンタ、それどころかコンピュータそのものも全く見えません。といっても理由は簡単。これは、ファイアーウォールに通信が弾かれているからなんですね。

【設定は意外に面倒】
先に、1394接続は通常のLAN接続同様に扱われる…と説明しましたが、LAN接続では標準の通信方法としてインターネットと同じTCP/IPが使われます。TCP/IPでは各端末に固有の番号であるIPアドレスを割り当てなくてはなりません。IPアドレスの割り当てには、各端末ごとに固定値を割り振る方法、ネットワーク上にDHCPサーバーと呼ばれる自動的にIPアドレスを割り振るサーバーを置いて(ルーターの中にはDHCP機能を持ったものもありますね)これに任せる方法があります。

自動プライベートIPアドレスと代替IPアドレス機能;拡大画像サイズ44.8KB

ネットワーク上にDHCPサーバーが見つからなければ…1394接続もこれに該当しますが…Windowsが自動的にIPアドレスを割り振る仕組みも用意されていて、これは自動プライベートIPアドレスと呼ばれます。1394接続をセットアップした時点ではこの機能が使われ、「169.254.0.1」~「169.254.255.254」の範囲で自動的にIPアドレスが割り振られるようになっています。

このことをふまえて、IPアドレス「169.254.0.1」から「169.254.255.254」までを通過させるようにファイアーウォールを設定すれば、1394接続によるネットワークが使えるようになります。また、Windows XPではネットワーク上にDHCPサーバーが見つからないときに使う固定のIPアドレスが指定できる「代替IPアドレス機能」が用意されていますから、これを使って固定の代替IPアドレスを設定しておき、このアドレスのみをファイアーウォールで通過させる方法もあります。こちらの方がスマートな方法のような気がしますね。

これで、とりあえず1394接続でのネットワークが利用できるようになりました。次回は、1394接続を実際に使ったWindows XP Professionalの利用法について触れていきたいと思っています。


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