こんなはずでは…
前回は、Windows XPの機能の一つである「1394接続」を使って、デスクトップ機とLet’s noteをIEEE1394ポート経由でネットワーク接続してみました。IEEE1394のインターフェースそのものは最大で400Mbpsというとんでもない通信速度を持っている…はずなんですが、実際にネットワークとして使ってみると、不思議なことに全然速さを感じないんです。
無線LANを導入してからは有線のLANはほとんど使っていませんでした。そのせいか、1394接続では無線LANと比べればずいぶん高速になったな…と体感することは出来たんですが、かつて有線のLANで感じた「まるでネットワークを感じさせない」ほどの速さはありませんでした。試しに、有線LANでつなぎ直してみるとその差は歴然。どうやら、1394接続では100BASE-TXの有線LAN接続ほどの通信速度は出せないようです。
計ってみましょう
それでは、実際にどのくらい通信速度が違うのか?ということになるわけなんですが、これについては実際に計ってみるのが一番確かでしょう。今回は、風助さんの作ったネットワークのスループット測定ソフト・NetMi(Ver1.10)を使い、実際に各インターフェースでの通信速度を測定してみることにしました。UDPパケットを連続して30秒間流し、平均速度を測定する…という手順を5回ずつ繰り返し、5回分の平均値を比較したのが下のグラフです。
無線LAN (IEEE802.11b・11Mbps) | 1.65Mbps |
---|---|
1394接続 (400Mbps) | 14.6Mbps |
有線LAN (100BASE-TX・100Mbps) | 51.5Mbps |
こうして数字やグラフで出てくると違いがはっきりしてきますね。1394接続の通信速度は、100BASE-TXの3分の1以下しかありません。まさか、ここまで違うとは思いませんでした。
それよりも驚いたことは、どのインターフェースでも数値上の最大能力よりも随分低い速度しか出せていないことでした。どんなネットワークでも実際に必要なデータ以外に様々な情報が送られるので、いわゆる「実効速度」はかなり下がってくるのが当然です。もしかするとウイルス対策ソフトやパーソナルファイアウォールソフトの影響で低い数値が出ているのかも?(これらもネットワークを通るデータを常時監視しますから、実効速度に影響を与えますね)と思い、これらを完全に停止させた上で計測してみましたが、数値はほとんど変わりませんでした。
この点で各インターフェースを見ていくと、圧倒的に優秀なのは有線LAN。能力の半分以上を実際の通信に使えていますからね。無線LANは暗号化を行うなど不利な条件が多いので仕方ない面もありますが、それにしても際だつのは1394接続の「要領の悪さ」。1394接続の場合、CPUにかかる負担が大きくなるそうなので、これが通信速度に影響を与えているのかも知れません。
とにかく言えることは、私の環境でわざわざ1394接続を使うだけのメリットはない…ということ。デスクトップ機にも、Let’s noteの側にも、ほとんど同じ手間で使えて、しかも3倍以上の通信速度が確保されるLANインターフェースが装備されていますからね。
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