R1を訪ねて三千里

新Let’s noteついに登場…ですが

3月15日に市場に出た新しいLet’s note・CF-R1とCF-A3。「ノートパソコンの評価は実際に触ってみないとわからない」が信条である私としては、出来る限り早くこの2機種に触れてみたいと思っていました。特に、総重量が1kgを大きく割り込む960gで、しかもスペック表上のほとんどの項目でCF-B5Rを上回る能力を持つR1には 並々ならぬ期待を寄せていました。

R1はどこにでも持ち歩いて使うことが前提となる小型・軽量のノートパソコンなんですが、この分野では最近になって注目の機種が多く登場しています。前に少し触れているSONYのVAIOノート・SRXシリーズもそうですし、東芝はA4サイズの超薄型DynaBook SS・S4を発売しています。富士通のLOOXも元気です。そんな中でR1を見ると、飛び抜けた要素はないものの、平均点の高いバランスの良さが魅力的に映ります。といってもこれはあくまでもカタログ上の話。実際には触ってみなくてはわかりないことが多いです。

ところが、16、17日の週末に浜松市内のパソコンショップを一通り回ってみたんですが、このときはどこに行ってもR1やA3の現物を展示している店はありませんでした。浜松市も人口がもうすぐ60万人に届こうという街なんですが、それでもまだまだ田舎なんでしょうか。その後、R1を展示している店を見つけましたが、ここでは電源を入れて使うことが出来ないようになっていました。これでは実際の使用感がわかるはずがありません。

恋人にはなかなか会えなくて

そんな中で、たまたま京都に行く用件が出来たものですから、ついでに新しいLet’s noteを探してみることにしました。JR京都駅前のソフマップ京都店で、CF-A3の店頭展示を発見しました。しかし、A3の場合は既存の機種であるCF-A2にCF-B5シリーズと同じトラックボールを装備しただけ…という形容も出来る機種で、操作感はだいたい予想できていましたし、実際に触れた結果も予想と大きく変わるものではありませんでした。一方、完全な新設計の筐体で、一番見てみたいR1は展示無し。翌日に大阪・日本橋へ出かけることにしました。

大阪・日本橋は、東京・秋葉原と並ぶ電気街です。ここに行けばR1も簡単に見られるだろう…と思っていたんですが、そんなに甘くはありませんでした。ノートパソコンを販売していそうな店は片っ端から回ったんですが、結局まともに展示品に触れたのは5店ほど。多くの店には展示がありませんでした。どうも店頭展示が出来るほど潤沢に製品が出回っていなかったようです。実際、どの店でも在庫はありませんでした。

触れてわかること

どうして私がパソコンに「触れる」事にこだわるのか…それは、パソコンは実際に触れて使うもので、触れてみないとその感触はわからないからです。どんな道具でも、それを使う人間との接点の部分が一番重要だと考えています。それが具体的にはキーボードであり、ポインティングデバイスであり、ディスプレイというわけです。R1のような製品だと、完璧を求めるのは難しいんですが、それでも満足できるレベルなのかどうかは大事なことです。

キーボードはB5Rに比べるとちょっとタッチは柔らかめですが好きな感覚です。端の方のキーはかなり小さくなっていますが、S21のときにも使っているうちに慣れましたから問題ないでしょう。打鍵音が小さいのはモバイルパソコンとして考えると好感が持てます。

ポインティングデバイスであるタッチパッドは、その正円形の形状が各方面で辛い評価をされていたようですが、確かにマウスカーソルを画面端まで持っていくときに微妙に長さが足りない気がしました。ただ、パッドの感度自体は悪くないので、これもパッドドライバの設定と慣れ次第でどうにかなりそうです。「デザインだけで実用性が低い」という批判にも、円いパッドの縁をなぞることでジョグダイヤル風に動作するユーティリティを用意して応えようとしています。

ディスプレイは非常に明るいですね。そして、結構暗くすることも出来ます。もちろん明るい方が見やすいんですが、バッテリ動作時間を伸ばすためには暗くするのが非常に効果的です。調整範囲が広いのはいいですね。

持ってみてわかること

他にも、実機と向き合わないとわからないことがあります。それは、持ち運んで使うときに重要な性能…重量と筐体の剛性です。重量はカタログ上で比べられる数値でもありますが、実際に持ってみたときの体感重量はこれと必ずしも比例しません。これは筐体内での部品の配置、重量バランスが影響しているのではないかと思います。ところが、これを評価するためには各店の展示機は致命的な問題を抱えていました。それはバッテリーが装着されていないこと。1kgそこそこの本体重量中2割から3割を占める最も重いパーツがバッテリーです。これを抜きにして重量バランスは語れません。

日本橋で、この重量バランスを評価できる展示機は2台しかありませんでした。1台はバッテリーを装着してデモ機を動作させていました。もう1台は、実機と同じ重量に作られた非動作サンプル。バッテリーは本体から飛び出した状態になりますが、雑誌やWebの評価記事にあるとおり、片手で持ちやすい形で、重量としても数値以上に軽く感じます。

筐体の剛性については、私が必ず試してみることがあります。それは、液晶ディスプレイを閉じた状態で筐体を思いっきりひねってみること。昔の薄型機ではかなり怖かったんですが、最近の機種ではどれもなかなかの剛性が確保されていて、思いっきり力を入れてもほとんどねじれないですね。R1もこの例に漏れずなかなか丈夫な筐体でした。さすがにまともに踏んづけてしまったらどうしようもないでしょうけど、まあ安心できる強度ですね。

総合的に見て、R1は常に持ち運んで使うノートパソコンとして良くできた製品だな…と感じました。もし私が1台もこの手のものを持っていなければすぐにでも買ってしまいたいくらいです。ただ、現状ではまだB5Rが何とか働ける状態ですし、他にも欲しいもの、買ってしまったものなどいろいろとありますし…。購入そのものはもうちょっと考えるとしましょう。実はB5Rにもちょっと疲れが見えてきているんですが。


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