星野阪神を考える(2)

日本プロ野球も前半戦が終了して、金曜日、土曜日とオールスター戦が行われました。これに先立って行われたアメリカ・メジャーリーグのオールスター戦は、延長戦になって「投手がいない」というとんでもない理由で引き分けとなり、ファンからは猛烈なブーイングを受けていましたね。日本人選手も、イチロー選手は2打席ノーヒット、佐々木投手は逆転打を浴びるなどぱっとしない成績。期待していただけに少々がっかりしました。まあ、オールスター戦と言えども真剣勝負。たまたま結果が出なかっただけですから仕方ありません。

一方、日本の試合は良い意味でとてもオールスターとは思えない良く締まったいいゲームでした。アメリカのオールスター戦も、日本以上に豊富なタレントを使い切った上で緊張感のある試合を行うためには複数試合行った方がいいかも知れませんね。


オールスター戦直前までのセ・リーグの順位表は↓こんな感じになりました。例年だと「前半戦終了」と言いつつ6割以上の日程が消化されているわけですが、今年はワールドカップサッカーに対応した変則日程のために、ちょうど140試合の半分前後を消化している状態になりました。昨年度採用された勝ち星ベースの方式は一年限りとなり、今年はまた勝率ベースの順位となっています。

順位 球団名 試合 勝利 敗戦 引分 勝率 ゲーム差
1 読売ジャイアンツ 73 44 29 0 .603
2 ヤクルトスワローズ 70 38 32 0 .543 4.5
3 阪神タイガース 72 37 34 1 .521 1.5
4 広島東洋カープ 69 35 33 1 .515 0.5
5 中日ドラゴンズ 71 33 37 1 .471 3.0
6 横浜ベイスターズ 69 23 45 1 .338 9.0

まずは我らが中日ドラゴンズについてですが、現在の順位は5位ということで、開幕前の各方面からの評価通りになってしまったな…という残念な気持ちです。一時はがんばって首位にもかなり迫ったんですけどね。それにしても予想外だったのは下には下がいたこと。横浜ベイスターズは一体どうしちゃったんでしょう?。勝率は首位打者の福留選手といい勝負です…考えてみると、個人成績で上位にいる選手が多い割には順位が低いのも今季のドラゴンズの特徴かも。

そして、それと同じくらい…もしかするとそれ以上に注目していたのは阪神タイガースの順位。4月にも採り上げたとおり、今シーズンからドラゴンズの象徴的存在・星野仙一氏を監督に迎え、見事に開幕ダッシュに成功したわけですが、6月あたりから息切れしてきたのか徐々に順位を下げ現在は3位。予想通りと言えば予想通りなんですが、それでもまだAクラスですから、何とか踏みとどまっているという見方も出来ますね。


振り返ってみると、確かに6月以降のタイガースは苦戦している印象を受けましたね。最初の頃は笑顔ばかりだった星野監督も、ふがいない負け方が続く中でドラゴンズ時代と同じ不機嫌そうな顔も見られるようになってきました。一部には「暴れた」だの「殴った」だのと言った話も伝わっていますが…。どんなに強いチームでも何故か勝てなくなることはあります。ましてや昨年までは最下位が指定席だったタイガースですし、いきなり全てが順調に回るのも難しい気がします。最初が好調だったばかりに周囲の期待も膨らみすぎて大変ですが、星野監督以前から力を付けてきた選手たちだと思いますし、慌てなくとも近いうちに優勝するチャンスはあるでしょう…それが今年かどうかはわかりませんが。

それにしても不思議だったのは、この時期のタイガース戦を見ていると、何故かドラゴンズ戦を見ているかのような錯覚に陥ってしまったこと。ヒットは出るのにチャンスに打てない打撃陣、最後まで踏ん張りきれない投手陣…まあ、上手くかみ合わないチームはどこでも同じようなものかも知れませんけどね。しかし、そう思って改めて試合を見ているうちに謎は解けました。監督とヘッドコーチが同じなんですから、選手が変わったとはいえ選手の起用法や采配はもともと非常にドラゴンズ的なんです。見ていると、例えばどの時点で誰を中継ぎ投手に送るかは何となくわかります。それを考慮すると、例年ドラゴンズはオールスター戦より後に結構がんばるチームでしたから、タイガースにも期待していいのかも知れません。


今年のオールスター戦では、タイガースの選手が数多く出場して、なかなかの活躍を見せました。前半戦で不調だった選手がオールスター戦をきっかけにして調子に乗ることもありますから、今後が注目ですね。また、ドラゴンズは、アマチュア野球世界最強のキューバから主砲・リナレス選手を獲得しました。34歳という事で全盛期からはちょっと落ちるのかも知れませんが、それでも十分に期待させてくれます。

オールスター戦明けの7月から8月は、6月のあおりを受けてこれまでにない過密日程が組まれています。ペナントレースの展開にもこれまでにないような劇的なものを期待してしまいます。ともかく、このままジャイアンツが独走するのだけは許して欲しくありませんね…ジャイアンツは嫌いですから。


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