こんなはずでは…
私の自作タワーも見事2GHzオーバーを果たしたわけですが、実は1つ困った問題を抱えていました。というのも、スタンバイ状態からの復帰が出来ないばかりか、休止状態からの復帰にも時々失敗するのです。スタンバイからの復帰の問題は先代から引き続きの問題とも言えますが、休止状態からも確実に復帰できないとなるとちょっと困ったことになります。というのも、テレビ番組を予約録画するためにはこれらの状態が使えることが望ましいから。電源を入れっぱなしで予約録画をしても構わないんですが、電気代ももったいないですし、これからの季節は室内温度への悪影響も心配です。何しろパソコンというのは強烈な発熱源ですから。
オーバークロック前からこの現象は見られましたから、原因はもっと根本的なところのようでした。真っ青な画面の停止エラーに表示される情報や本体の動作の観察を元に分析してみたところ、どうやら問題になっているのはハードディスク周り。起動中に、時々アクセスランプが点灯したまま動作が止まったようになることがあります。停止エラーの中には「Fasttrak.sys」のエラーが明示されることがありました。そのものズバリ、ATA RAIDコントローラ・FastTRAK100のドライバですね。
もともと、FastTRAK100自体他のパーツに比べるとちょっと設計の古いパーツですから、スタンバイや休止状態といった動作はちょっと苦手なのかも知れません。FastTRAKを外せばまともに動作するかも?と思ったわけですが、ストライピングによる超高速アクセスに慣れてしまった私は、今さらRAIDのない生活には戻れません。そこで、新しいATA RAID用のハードウェアの導入を検討することにしました。
無駄な買い物?
もちろん、PCIバスに増設するATA RAIDコントローラを購入してくれば済んでしまうんですが、いろいろと考えた末に私が購入したものは違いました。それは、GIGABYTEのマザーボード・GA-8IEXP。これまで使っていたGA-8IEXに1文字追加されただけの型番で、名前の通り写真を見比べても基本設計が全く同じなのがわかります。どうしてわざわざ買い換えたの?という話もあるかと思いますが…。
追加された「P」の文字に込められた意味は、追加された2つの内蔵デバイス。1つは私が狙っていた装備であるATA RAIDコントローラで、Ultra ATA/133対応のものです。もう1つはIEEE1394インターフェース。こちらももともと私が活用しているデバイスですから、マザーボード上に内蔵されていて無駄になることはありません…もちろん今持っている拡張カードは余ってしまうわけですが。実は、メーカーにこだわったわけではなく、内蔵デバイスが多いものを選んだらたまたま同じになってしまったんです。
マザーボード上にデバイスが内蔵されていることは、気に入ったパーツを組み合わせていく自作の楽しみに逆行するものだ…という見方も出来るわけですが、一方で強力な優位性もあります。それは、メーカー側がこれらの複数デバイスを組み合わせた状態で各種動作を確認しているということ。特にスタンバイや休止状態はハードウェア全てが対応して初めて可能な動作ですから、追加しなければならないデバイスが減るほど有利になりますよね。これがマザーボードごと交換してしまった理由です。もちろん、どちらにしてもどれか1つのデバイスが悪影響を及ぼせばその時点でアウトなんですが。
超シンプル構成で大成功
実際に組み立ててみると、内蔵デバイスの多さは見た目にすぐ現れました。拡張スロットに差し込まれたボードはたったの2枚。ビデオカードのRADEON 8500LEとTVチューナーカードのMTV1000だけになりました。ただ、背面パネルに引き出される端子の数は全然減ってないんですけどね。実はこの写真にはもう一つとんでもない追加パーツも写っていたりするんですが、そのことについてはまた回を改めて。
GA-8IEXPのATA RAID用コネクタにこれまで使っていたハードディスク2台をそのまま接続してみましたが、起動プロセスの途中までは進むものの、停止エラーが発生してWindows XPの起動には失敗。仕方がないので再インストールを行いました。マザーボードを交換したことでもう一度あの面倒くさい電話でのアクティべーションを行わなくてはならなくなったことも付け加えておきましょう。
インストール後に早速スタンバイや休止状態の動作を確認してみたところ、今度はどちらも確実に成功。スタンバイ状態も、いわゆる低電力動作状態のS1 State(Power On Suspend)だけでなく、RAM以外への電源供給を完全に止めるS3 State(Suspend To RAM)でのスタンバイが可能です。この方法は消費電力が電源を切った状態にかなり近く、復帰もかなり高速ですから、活用すると使い勝手が画期的に変わりそうです。
こんなことなら、最初からGA-8IEXPを購入しておけば良かった…と思いましたね。ちなみに、GA-8IEXとFastTRAK100、さらにIEEE1394カードもまとめて買い取ってもらったら合計16,000円。GA-8IEXを購入した分くらいにはなりましたから、まあ納得することにしましょう。
他に変わったこと
基本的にこれまでと大きく変わっていない環境なんですが、試しにもう一度HDBENCH3.30を走らせてみたらディスクアクセスの性能がかなり向上していることがわかりました。
HDBENCH3.30 HDD | |||
---|---|---|---|
machine | Read | Write | File Copy |
GA-8IEX + FastTRAK100 | 42000 | 30466 | 11252 |
GA-8IEXP (on board RAID) | 71959 | 55986 | 14290 |
今使っているハードディスク・ST360021AはUltra ATA/133には対応していませんから同じUltra ATA/100での動作のはずなんですが、ハードウェアやドライバが新しくなったことがパフォーマンスの向上に現れたのでしょうか。
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