「きりがない」って言ったのに
前回までの流れの中で、パソコンから発生する音が気になり始めてしまった私。今度は、この音を少しでも抑え込むにはどうすればいいのか考えることにしました。もともと音楽制作のためにも使っているパソコンですから、それ自体から発生する雑音は小さいに超したことはありません。幸いなことに、最近は自作パソコンの世界でも「静音化」が話題に上るようになり、その対策用にいろいろな製品が販売されています。今回は、これらも活用しながら「もっと静かなPC」を目指します。
静音化が話題に上るようになったのも、高速であること、安価であること以外の性能に目が向き始めた一環ではないかな?と思います。かつては自作PCの興味はその2つに集約されていたような気がしますが、最近はデザイン重視とか、この静音化とか、さらには様々な使用目的重視とかいろいろな方向性が出てきました。速さと安さだけで論じるのもつまらなくなってきたんですよね。とんでもない安値のパーツの寄せ集めで組み立てても、オフィスアプリケーションやインターネット利用のためには十二分な性能を備えていますから。
静音化の方法
パソコンから発生する音の多くは、回転しているものが発生源になっています。外見上最も目立つのがCPUクーラーやケース、電源などに装備されているファン。GA-8IEXPの場合はi845EチップセットのMCHにもファンが取り付けられています。他にはハードディスクや光ディスクのドライブ類から発生する音もかなり大きなものがあります。
回転しているものの音を小さくするには、もともと静かなパーツを選択する以外に、回転数を落としたり、回転を止めたりする方法があります。ただ、その一方で回転数を落とすことはパフォーマンスの低下につながりますから、どのあたりでバランスをとるのか?という問題になります。今回は、ファンの回転数を制御してみることにしました。既存のドライブ類の回転数を落としたり止めたりするのはシステム全体の高度なサポートが必要で、個人レベルでどうこうするのは難しいですからね。
そのための装備として今回購入したのがこれ。システムテクノロジー製のスーパーファンコントローラ・ST-24Aです。2個のファンの回転数を、電子回路により完全停止からフル回転まで無段階で制御できます。温度センサーが装備されていて、一定温度以上になると強制的にフル回転にする…という仕様になっていますから、CPU温度やケース内温度を測って、温度が上昇するまではファンを止めておくことができます。
購入価格は5,000円少々でした。温度センサー付きのファン(温度で回転数が変化します)2個を買うよりは安い…という価格設定は微妙なところですが、既存のファンの多くで利用可能で、回転数を手動で自由に調整できて、温度センサーを付ける場所は自由に選べますから、お買い得かどうかはこのあたりをどう評価するかですね。
実際に使ってみると
今使っているケース・WinDy A3 MV2にはケースファンが何と4個も装備されているんですが、現状では思ったよりも温度上昇が少ないのでサイド吸気用のファン2個が取り外してあります。今回回転数をコントロールするのは残った2つ、前面吸気と背面排気のファン。CPUクーラーファンの吸気口付近で温度を計測します。CPUクーラーの性能を発揮させるためには、CPU温度とケース内温度の温度差が重要ですからね。
操作パネル一体のコントロール部は3.5インチベイに収まる形になっていますから、フロッピードライブのすぐ下に取り付けました。ST-24Aはパネルがアルミ製で表面にはクリア塗装までしてあるという超豪華仕様にもかかわらず、回転数調整つまみが剥き出しで非常に安っぽいので、電子パーツ店でアルミ製のつまみを2個買ってきて取り付けてみました。1個315円もしたのでちょっともったいない気もしましたが、ここまでやるなら徹底的に見た目にもこだわらないと。
温度制御の設定、回転数の設定は全て手動ですから、これからいろいろな設定を試して行かなくてはなりません。とりあえず現在はケース内温度が45度Cを超えるまではファンを完全に停止させる…という設定で使っていますが、これだとめったにファンは回りません。設定温度を40度Cにすると、今度はほぼ回りっぱなしの状況になります。温度設定が無段階ではない(30、40、45、50、60度Cの5段階)だけに、温度センサーの取り付け位置も含めて検討が必要なようです。
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