ドコモの「写メール」?
前回の記事のとおり、機種交換で新端末・N504iSを手に入れました。この端末の数多くある特徴の中で、やはりカメラの搭載について触れておかないわけにはいきません。もともと、携帯通信端末にカメラを内蔵したものはいくつかありました。しかし、携帯電話にカメラを内蔵するという流れを決定的にしたのがJ-PHONEであったことは間違いないでしょう。カメラで撮影した写真画像を電子メールに添付して送る「写メール」は一大ブームを巻き起こし、J-PHONEが一時は携帯電話シェア2位に躍り出る原動力となり、2002年のヒット商品番付で大関に名を連ねるほどの活躍を見せました。
これに慌てたauもカメラ付き端末を投入。さらに、カメラの活用は次世代のFOMAで進める予定で、現在のPDC方式での採用には消極的だったNTTドコモまでもが251iシリーズでカメラを搭載しました。しかし、先行していると言うことは恐ろしいもので、「写メール」は写真画像を添付した携帯電話のメールサービスの代名詞として定着してしまいましたね。実際、私がP504iSを見に出かけたときに、すぐ横で251iシリーズを物色していたらしい高校生くらいの女の子たちが「ドコモの写メールってどうなの?」などと話すのが聞こえました……私は必死で笑いをこらえていましたが。
そう言えば、既にcdma 2000 1xで先行するKDDI、FOMAが苦戦しているドコモに続いて、Vodafone(J-PHONEは既に「海外メーカーの日本向けブランド」ですからね)もいわゆる第3世代の携帯電話サービス・「Vodafone Global Standard」を始めますが、私が非常に驚いたのは、サービス開始当初は写メールが提供されないこと。携帯電話の普及には端末の性能よりも提供されるサービスの内容が大きな影響力を与えることは、ドコモがiモードで、J-PHONE自身も写メールで証明したはずです。Vodafone Global Standardの立ち上がりはきっとFOMA以上に苦労しますよ。「売り」にしている国際ローミングもそれほど大きな需要があるようには思えませんし。
確かに不便ではありますが
さて、その「ドコモの写メール」ことiショットのサービスなんですが、巷でよく言われているとおり他社のサービスと比べると不便な点があります。結局のところ、問題の根底にあるのはiモードのメールが画像を直接やりとりできないことなんですよね。そのせいでiショットメールは通常のiモードメールと全く違う手順を踏んで(パケット通信すら使わずに)送信しなくてはなりませんし、届いた写真を見るためには専用のサーバーへのアクセスが発生するわけです。まあ、今の方法だって画像を読み込むのかどうかを受信側が選べるという点では悪くないと思いますよ。
最初に携帯電話でのインターネット接続サービスを始めたNTTドコモがメールの仕様をこのようにしたのも、それなりの考えがあったことだと思うのですが、思わぬところで裏目に出てしまった……というのが正直なところなのではないでしょうか。技術の進歩や市場の要求の変化もあまりに早すぎます。どんな分野でも、先行して始まったサービスが後発のサービスに追い抜かれ、先に始めてしまったばかりに悪く言われることがあってかわいそうに思うことがあります。先の読みが少々甘いのでは?という見方も出来なくもありませんが。
究極のお出かけカメラ?
もちろん、メールに添付して送る以外にも写真画像の使い道はあるわけです。私がN504iSに最も期待しているのは、それほど高画質が要求されない場所での記録写真……例えばSSK Worldの記事に使っている小さな写真のようなものです。今持ち歩いているデジカメも決して重い方ではありませんが、今や生活必需品の一つとなっている携帯電話にカメラが内蔵されていれば、事実上余計な荷物は全く無しで写真を撮ることが出来ます。
こうした視点から見たときのN504iSのカメラ機能は意外に使えそうな感じです。さすがに画質ではデジカメ専用機に遠く及びませんが、31万画素のCMOSセンサを装備して、その気になれば最大でVGAサイズ(640×480ドット)までの記録が可能で、←「暗闇モード」で夜にも強く、アクセスリーダー機能(前回の文章中に出てきた「OCR」ですね)のために付属するマクロレンズを使えば、→ほぼ密着するくらい近い距離でもかなり鮮明な画像が撮れます。取り溜めた画像をサムネイル表示で一覧できるのもいいですね。
そんなわけで、早速一番軽い「お出かけカメラ」として活用しているところです。店頭で価格をメモする代わりにシャッターを押してみたりして、すっかり悦に入っています。欲を言えば、何らかの外部メモリーカードに対応して欲しかったところです。超小型メモリーカードにも選択肢が増えてきましたし、実際に同じドコモのD251iなど製品化されている端末もいくつかありますしね。それ以前の問題として、端末から外に画像が取り出せなくては利用のしようがないんですが……この辺りについてはまた改めてのお話としましょう。
コメントを残す