金曜日・7日に、一太郎13が発売されました。昨年、一昨年とこの時期に新バージョンが登場し、今や2月の風物詩と言った感すらあります。純国産日本語ワープロとして、天下のMicrosoft Wordに対抗し続けている一太郎の最新バージョンというわけで、私自身もバージョンアップは続けていますが、実質的にはかな漢字変換システムのATOKしか使っていない…という状況です。たまに仕事上の文書で一太郎で作ったファイルが届くことはあるんですが。
最近のATOKは、入力されたひらがなを正しくかな漢字交じり文に変換するだけでなく、入力された文章が日本語として正しいのかどうかを判定して、場合によっては直すという方向に進んでいるようです。お節介だと思うことも多々あるわけですが、結果的に美しい日本語…「正しい日本語」という表現にはちょっと疑問もあるので…を覚えていけるといいですよね。他のソフトとの連携で辞書引きや和文英訳などの機能も取り込み、かな漢字変換の枠を飛び出した「日本語支援ソフト」になってきています。
1月29日に発売された松浦亜弥のニューアルバム「T・W・O」を聴いています。松浦亜弥と言えば、「あやや」の愛称でも知られ、今最も人気のあるアイドルの一人ですね。デビューした一昨年から2年連続で紅白歌合戦にも出場していますし、今年に入ってからも今週末からは初のミュージカルに挑戦、3月には初の出演映画が公開に…と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。表情の豊かなかわいい子ですね…って、今回はそういう話をしたい訳じゃないんですが。
最近では、アイドルと呼ばれるのは写真誌のモデルから転身したいわゆるグラビアアイドルか、浜崎あゆみのように基本的には歌しかやらないアーティスト系アイドルかだと思うんですが、そんな中で彼女は歌でデビューして活動を広げる…という1980年代型アイドルの王道を歩んでいます。彼女のプロデューサーであるつんく♂が80年代に青春時代を過ごしたことが大いに関係していると思うんですが。
そんな彼女の「本業」である歌の作品がこれ。実は、昨年出たファーストアルバム「ファーストKISS」を聴いてちょっとした衝撃を受けたんですよね。シングル数枚分を一気に借りられるから…とCDレンタルで借りました。シングル曲はまさに「あやや」そのものだったんですが、驚いたのはそれ以外の曲。実に多彩な、しかもなかなかの難曲を器用に歌いこなしています。シングル曲では手を抜いてるんじゃないの?と思うくらい。もともと歌は80年代のアイドルほど下手ではないと思っていたんですが、これならアーティスト・松浦亜弥としてもちゃんと通用するかも…と言ったらちょっと誉めすぎでしょうか。
そんな経緯で2枚目のアルバムとなる「T・W・O」も聴いてみたわけですが、このアルバムでもアイドル・あややとアーティスト・松浦亜弥の2つの顔をちゃんと楽しめます。ただ、インパクトは前作よりも少々弱いかも知れません…私は前作で慣らされてしまったせいかもしれませんが。「ファーストKISS」と共に聴いてみることをお勧めしたいところです。
彼女に限らず、どんなアーティストでもシングルの顔とアルバムの顔の両方を持っているものです。例えば、SSK Worldではしばしば登場する槇原敬之の作品も、シングルになっているのはポップスの王道を行くような「ほっとする」イメージの曲が多いんですが、アルバムでは電子音で埋め尽くされたテクノ色の強い曲が結構出てきます。そういえば、彼がSMAPに提供した曲「世界に一つだけの花」がちょっとした話題になっていますね。次のアルバムあたりでセルフカバーはあるんでしょうか?
シングルではその曲1曲だけで(2曲以上のこともありますが)売らなくてはいけませんから、どうしても万人受けする要素を考えなくてはならないと思います。しかし、アルバムの場合は数曲が集まった全体で勝負するわけですから、その中でちょっと冒険してみることも出来ます。それならどんな冒険をするか?なんですが、そのときにはやっぱりそのアーティストの本来に近い顔が出てくるのだと思います…前にもちょっとそんな話に触れたことがありますが。槇原敬之の場合は、彼自身の音楽のルーツにはテクノがあるという主張のようにも聞こえますし、松浦亜弥の場合にはいろんな分野で活躍しても本業は歌…という主張が見えるような気がします。
いずれにしても、こうした「主張」はシングル曲の収録が多いベストアルバムからはなかなか伝わってこないものです。私はベストアルバムはよく購入するものの、シングル曲はスカパー!のラジオ放送からエアチェックすることが多く、アルバムはあまり聴いていない方です。でも、アーティストをよく知りたいときには、やっぱりアルバムを聴いてみるべきです。シングルとは違った顔が見えてきます。
そんなことを考えるとすごいと思うのは椎名林檎の作品。彼女の場合、シングル・アルバム関係無しに常に冒険…というか挑発し続けてますよね。「売れるものを作ろう」という意志を全く感じさせません…常に品のないタイトル(笑)からして。しかもそれが売れまくります。逆に、Mr.Childrenの作品には常に何らかの計算が働いているように聞こえます。感情をストレートにぶつけているようで、それでもどこか冷静さを感じさせるところに魅力を感じるわけですが。
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