NASの使い道 (ノートブック編)

便利なオフラインファイル

前にも少し触れたことがありますが、Windows XP Professionalにのみ用意されている(Home Editionでは利用できない)機能の中にオフラインファイル機能があります。これは、ネットワークでつながっている他のコンピュータ上の共有しているフォルダやファイルについて、自らのハードディスクにもコピーを作成しておき、ネットワークに接続していない(オフライン)ときでも使えるようにする機能です。

もちろん、オフライン状態でファイルを編集すれば、ネットワーク上のファイルと手元のファイルの間に不整合が生じてしまうわけですが、これについては再接続したときに自動的に同期させる機能が備わっているので大丈夫です。お互いに別の変更が検出されたときに、どちらを生かすのか、またはファイル名を変えて両方とも保存するかをその場で選択できますから、せっかくの最新データを上書きして消してしまう心配も少なくなっています。

自作デスクトップ機でもレッツノートでも共用したいデータについては、デスクトップ機側のハードディスクにデータを置いて、レッツノート側ではオフラインでも使えるような設定にしておいて、適宜同期をとるようにしていました。ただし、SSK Worldの内容については、ネットワーク上にファイルを置いてあるとCGIのテストが出来ないので、ローカルで編集してからネットワーク上にバックアップを保存する…というスタイルにしています。

Buffalo HD-120LAN

NASによる変化

この度、デスクトップ機側のデータ保存を、ローカルなハードディスクから外付けに切り替えることにしました。経緯についてはこちらの方も見ていただきたいんですが、導入したのはメルコから発売されたばかりの新製品・HD-120LAN。100BASE-TXインターフェースを持ち、LANに接続するタイプのいわゆるNAS(Network Attached Storage)で、容量は120GBです。

HD-120LANを導入したことにより、ファイル共有のスタイルも変わることになりました。ネットワーク上では、HD-120LANという新しい「コンピュータ」が増えたことになり、そこにある共有フォルダにアクセスすることになります。デスクトップ機を通さずに直接共有フォルダが見えるわけですから、同期のために巨大なデスクトップ機の電源を入れる必要がありません。HD-120LANの消費電力はカタログ値で17W。デスクトップ機一式と比べれば格段に省エネルギーである…ということになります。

HD-120LANの背面ファン

ただ、残念なのは背面に取り付けられている排気ファンの音がちょっと気になることですね。それ自体決してうるさい音ではないと思うんですが、静かな部屋の中だと意外に気になります。ですから、さすがに電源を入れっぱなし…という使い方をする気にはなりませんね。もちろんこまめに電源を切ることも省エネルギーの一環だとは思いますが。

設定自体は、これまでのネットワーク共有の設定と何ら変わることはありません。先にデスクトップ機側から基本的な設定は全て済ませてあるので、こちらからは既に共有フォルダが見えています。あとはオフラインで使うための設定を行うだけです。使いたいフォルダやファイルの上で右クリックして、「オフラインで使用する」にチェックをつければ出来上がりです。さすがに、HD-120LAN全体を丸ごとオフラインで使うことは出来ません。結局のところレッツノートのハードディスクにコピーするわけですから、内蔵ハードディスクの容量・30GB以上のファイルをオフラインで使うのは不可能ですよね。

気になる性能

外付けハードディスクとしてのHD-120LANの性能を、お馴染みのHDBENCHを使って調べてみましょう。ここで注目したかったのは、他のストレージデバイスとの速度差、そして接続方法による差です。ドライブ自体の性能がそう極端に違うとも思えないので、ドライブ性能と言うよりもむしろインターフェースの能力差が出ていることになるでしょう。

HDBENCH3.30
machine HDD Read Write File Copy
HD-120LAN (100BASE-TX) 6040 4553 2006
HD-120LAN (IEEE802.11b) 403 479 386
CF-B5R (440MX) 16049 14102 2541
MOMOBAY CX-1 (USB1.1) 963 945 540

有線LANの100BASE-TXでつないだときの数値を見てみましょう。総合力で内蔵ハードディスクの約40%と言ったところでしょうか。内蔵より遅いのは体感できるものの、USB1.1接続の外付けハードディスクと比べればずいぶん速いのがわかります。デスクトップ機からアクセスしてみた数値もこれと大きく違わなかったことから、この転送速度はHD-120LANの能力をほぼ表していると見て良いのではないでしょうか。

次に、無線LANのIEEE802.11bでつないだときの数値を見てみましょう。こちらは劇的なまでに遅いですね。USB1.1接続の半分程度と言うことになります。ただ、先にも触れているとおりこれはインターフェースの能力差に依存していると考えられますから、裏を返せばこれまでのデスクトップ機がホストだった頃と変わらない…ということになります。無線LANをIEEE802.11aやIEEE802.11gのような高速のものに換えれば、使い勝手はかなり変わってくるはずです。


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