い、いきなり分解…ですか?
前回私の元に届いたCF-R2最軽量モデル。ちゃんと起動するかどうか確かめて、試しにいくつかベンチマークを動かしてみた(その結果については改めてご紹介しようと思っていますが)後、ちょっと分解してみることにしました。CF-B5Rのときのように分解する相応の理由があったわけではない(いや、CF-B5Rの場合だって修理に出せば済んだわけで…)のですが、今後どのように使っていくかを考える上で、是非内部構造を確認しておきたいことがいくつかありました。
それにしても、場数を踏んでくると「分解」という作業にも全然抵抗感がなくなりますね。初めてCF-S21を分解したときには、これで動かなくなったら30万円がパー…という緊張感に押しつぶされそうでした。そんな事実は今でも全く変わっていないんですが、今回は結局のところ「中身が見てみたいから」というだけで分解してるんですよね。…慣れるということは実に恐ろしい。
CF-R2AC2AXP 解体新書
毎度おなじみの決まり文句ですが、分解、改造は自己責任で行うものです。分解した結果壊れてしまっても、メーカーで修理を受け付けてもらえない可能性があります。私はかなり細かく説明を書いているつもりですが、そのことで誰にでも分解、再組み立てが可能なことを保証するものではありません。間違っても、「この記事を読んで分解してみたら動かなくなった」などと私に苦情を持ち込まないように。
1. CF-R2の電源を完全に切り、ACアダプターとバッテリーを取り外します。このあたりは分解するときの常識ですね。
2. 最初にキーボードを取り外しましょう。そのために、まず底面のメモリ拡張スロットのふたを取り外します。
3. 赤○印のネジ4本を外します。2本はメモリスロットのふたに隠されていたものです。ちなみに、メモリスロットには256MBのMicroDIMMが取り付けられていました。最軽量を追求するのなら、512MBをオンボードにしてしまう手もあったと思うんですが、これならメルコなどから出ている512MBのMicroDIMMに差し替えれば、ほとんど重量増加なしで768MBに増設できるわけですから、これはこれで歓迎です。
4. ?精密ドライバーなどを使い、キーボード全体を手前側に滑らせる感じで「半角/全角」キーと「F1」キーの間にある爪(写真内赤○)からキーボードを外すと、
手前側を支点にして奥側を持ち上げ、キーボードを外すことができます。
キーボードは、薄いフィルム状の配線で基盤上に接続されています。コネクタのように見える部品の白い部分だけを?ドライバーで奥側に向かって外すと、フィルム配線のみが抜けます。基本的にはCF-B5Rと同じなので、そのときの記事も参照してください。
5. 赤○の2本のネジを外して、銅製のヒートスプレッダ(と呼べばいいのかな、これは)を外します。これでCPUが露わになります。
6. 次は、筐体の上半分を外しましょう。底面の残ったネジ5本(赤○と黄○)をすべて外します。
特に、黄○印の2本のネジは、小さい割に緩めるのに非常に力が要りますから、ネジ頭をつぶさないように慎重に作業しましょう。私は、写真のように精密ドライバーをラジオペンチでつまんで、ゆっくりと回しました。
この2本のネジには、写真のような特殊なネジ山を持ったネジ(写真からはわかりにくいんですが)が使われていました。
ほかの普通のネジでも、写真のようにネジ止め剤が塗られているネジが見られました。どちらも細いネジでしっかりと留めるための設計だと思いますが、こんなところにも軽量化への執念を見ました。
7. キーボード下の4本のネジ(赤○)を外します。赤□印内の2Pinコネクタも外します。これはスピーカーケーブルのようです。
8. ここまで来れば、手前側を支点にして奥側を持ち上げれば筐体の上半分を外すことができます。ただし、この時点ではホイールパッドへのフィルム配線がまだつながったままになっているので、キーボードと同様の要領で外しましょう。
中身を見てわかること
これで中身を見ることができるようになりました。中央に見える2つのチップは、CPUのPentium Mと、チップセット・855GMのGMCH(Graphics and Memory Controller Hub;かつての「ノースブリッジ」)ですね。冷却ファンがどこにも見あたらないファンレス設計です。
左下にあるのはminiPCIの拡張スロットですね。ほかのほとんどのモデルでは、ここに無線LANモジュールが装着されているはずです。軽量化を追求するのなら、ここにスロット用の部品自体を取り付けない手もあったと思うんですが、そこまではされていません。つまり、後から無線LANモジュールを取り付けることも技術的には可能ということになります。こう言うからには技術面以外での問題もあるわけですが、これについてはまたちょっと考えてみることにしましょう。
右下にあるのがハードディスク。この最軽量モデルには、東芝の1.8型・40GBモデル、MK4004GAHが使われています。通常なら2.5型のドライブが入るわけですが、コンパクトな1.8型を使うことにより出来た空間部分には白色の衝撃吸収剤が詰められています。インターフェースの形状は2.5型と違うので、そのまま2.5型ハードディスクに換装することは出来ません。これだけ容量があれば当分は困ることがなさそうですが。
分解できるのは本体側だけではありません。液晶ディスプレイ側も分解してみるつもりで、サイドカバーを外してみました。通常モデルならここには無線LANのアンテナが入っているそうですが、もちろんこのモデルの場合はアンテナは入っていません。ただ、取り付け用のネジ穴らしいものは確認できました。本体と接合されるヒンジ部の構造が丈夫そうなのはなかなか好印象です。アンテナ線を通す隙間も十分にありそうですね。
もう少し作業を進めれば、本体からディスプレイ部を分離したり、天板と液晶パネルを分離したりも出来そうでしたが、サイドカバーを外した時点でかなり全体の強度が落ちたように感じたので、今回はこれ以上の分解は断念しました。デリケートな液晶パネルが簡単にねじれるのを見るとさすがに怖かったので…。
後片付けとまとめ
再組み立ての作業は、分解した手順を逆にたどっていけば大丈夫なはずです。ネジの種類も複数あるので、間違えないように元の場所にねじ込んでいきましょう。緩めるときと同様、締め付けの最後にもかなり力が要るので注意が必要です。組み上がった後、電源を入れてちゃんと動作することを確認して出来上がり。これでほっと一息です。
分解してみたところ、結構いろいろなことがわかっておもしろかったですね。一つ言えるのは、まだ軽くしようと思えば軽くなる、かなり余裕を持った最軽量であるということでしょうか。スペック表を見たときに、CF-T2の最軽量モデルほど能力が抑え込まれていなかったことから、想像はできた話なんですけどね。少なくともまだ内部には手を入れる余地がありそうです…すぐに何か改造するかどうかはわかりませんが。
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