ついに来た本命
高速無線LAN規格のIEEE802.11gが正式に承認されたことには他でも触れました。これまでの主流であったIEEE802.11bとの互換性を持ち、しかも先行するIEEE802.11aと同等の54Mbpsの通信速度を実現するこの規格は、当面の無線LANの主流となることはほぼ確実です。
この「11g正式承認」を、無線LAN導入のタイミングとして待っていた人はかなり多いのではないかと思います。私自身も、正式版の11gがどうなるか見極めたかったからこそ、ブロードバンドルータにはあえて無線LANを内蔵しないものを選び、非CentrinoのCF-R2最軽量モデルを購入したわけです。
各社からフライングで登場していた「11gドラフトに対応」の機器は、ファームウェアの更新により正式版に対応できるようです。どうやら、土壇場になってのドラスティックな変更はなかったようですね…これだけ製品が売れてしまった段階では、そんなことをしても混乱を招くだけですが。ともかく、今売られている「ドラフト対応」機器なら、そのうち正式版への対応が行われるでしょう。それならこれ以上待つこともないな…と思い、11g対応無線LANを整備することにしました。
出っ張りにこだわる
当然のことながら、無線LANはノートパソコンの接続に使うことが前提です。CF-R2へのminiPCI無線LANモジュールの内蔵を考えないなら、普通はPCカードを使うことになります。このタイプは多くの製品が出ていて選択肢も豊富ですが、当初から私が狙っていた製品は一つだけでした。
それが、このPCWA-C300S。カードの表面に燦然と輝くVAIOロゴを見ればわかるとおりソニーの製品ですが、他のソニー製周辺機器とは違い、VAIO専用ではなく他社製品との組み合わせでも正式にサポートが受けられます。実は、過去に「VAIO専用」機器を強引に使ってしまった実績はあるんですけどね。
カードから垂直に立ち上がったアンテナ部分が特徴的ですが、その真価は実際にノートパソコンに取り付けたときに発揮されます。というのも、ご覧の通りほとんど横に出っ張らないんです。他社製の無線LANカードのように2cm以上出っ張っていると、カードを差したまま持ち歩いたときに引っかけて壊しそうで怖いんですが、PCWA-C300Sの場合は出ている部分はたったの5mm。これでも、飛び出した部分に衝撃を与えれば破損は避けられないのでしょうけどね。
その代わり、アンテナはカードよりも約9mm上に飛び出していて、CF-R2の場合にはキートップより約2mm上まで来ます。でも、私にはそれほど気になりません。Enterキーや右Shiftキー、「→」キーの代わりにアンテナを打つようなこともありませんし。
画面を閉じた状態でも、白色のアンテナは本体のデザインに溶け込んでしまい、無線LANカードを差していることを感じさせません。これまでのレッツノートには、無線LANやH”のアンテナが飛び出したデザインのものがありましたが、こちらの方がシンプルなデザインで私は好きです。アンテナ部分に彫り込まれたSONYロゴと天板のPanasonicロゴ、普段は何かとライバル視される両社が1台の中で同居しているのも、これはこれでなかなか面白いですね。
アンテナの位置にこだわる
無線LANと有線LANを繋ぐアクセスポイントにも、11g対応の新しいものが必要です。これには、PCカードと同じソニーの製品・PCWA-A320を使うことにしました。当面はドラフト版の11g規格で使うわけですから、動作確認の行われている同じメーカーの製品で揃えておいた方が無難です。
アンテナ部分が分離したセパレートデザインが特徴ですね。アンテナにつながっている専用ケーブルが2.5mもありますから、設置場所の自由度がかなり高くなります。そこで、居間と食堂の間を仕切っているパーティションに取り付けてみることにしました。高い位置の方が電波状況が良さそうですしね。
壁掛け用の穴もちゃんと付いているので、取り付け作業も至って簡単。乳白色のパネル内には白色LEDが仕込まれていて、これがゆっくりと点滅するのがちょっとカッコいいですね。こんなところの演出にもこだわるのは、流石はソニー…といったところでしょうか。他社製のセット販売品と比べると10,000円くらい高く付いてしまいましたが、それなりの付加価値もあるということで納得しておきましょう。
…そこまでこだわる?
ところで、今回の買い物にはソニー直営のネット直販サイト・「ソニースタイル」を使いました。別にネット通販で買いたかったわけではなく、店頭販売をしている店が見つからなかった…というだけのことだったんですが。
注文して3日ほどで、自宅にいながらにして商品が買えるネット通販の便利さは今更言うまでもありませんが、届いた商品を見てびっくりしたのはソニースタイルのロゴをあしらった箱のデザイン。封をするテープにまでロゴが入っていました。これまでネット通販で購入した商品が、味も素っ気もない茶色の箱や袋に入っているものが多かったのとは対照的です。こんなところでも見た目にこだわるの?…と思ってしまいましたが、こうして常にブランドイメージの演出を大切にするのがソニーの流儀なんですよね。
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