ちぐはぐな説明書
前回導入した高速無線LAN一式。前回の記事やソニーのホームページなどを見ていただければわかっていただけると思うんですが、PCカードのPCWA-C300SとアクセスポイントのPCWA-A320はそれぞれ単体で売られている商品で、他社の製品のようなセット販売が行われていません。
別販売であること自体は、好きな組み合わせを選べるという意味では良いと思うんですが、一つ気になったのはそれぞれの説明書の記述。PCカード側には一番最初に「アクセスポイントの設定を行っておいてください」と書いてあり、アクセスポイント側には接続前に準備することとして「ワイヤレスLAN PCカードをセットアップする」と書かれています。それなら、両方同時に購入してセットアップしたいときはどうしたらいいんでしょうか?。ちょっと考え込んでしまいました。実際には、PCカードのドライバを先に組み込んでからアクセスポイントの設定を始めれば大丈夫なんですが。
測るまでもありません
…と、前回はセットアップの話もまだ終わっていなかったわけですが、今回は実際の使い勝手の話をしたいと思います。これまでもIEEE802.11bの無線LANは利用していたわけですが、有線のLANに比べると格段に遅いと感じていました。何しろ、ADSLによるインターネット接続よりも遅かったわけですから。LAN内でのファイル転送でも速いときで約3Mbpsで、ネットワーク接続のハードディスクを使うようになってからはストレスを感じることもしばしばありました。それでも「ひも無し」でアクセスできる手軽さは強力でしたが。
今回IEEE802.11g(ドラフト)ベースの無線LANに換えたわけですが、使用感は劇的に変わりました。明らかに速くなったことが体感できます。エクスプローラでネットワーク経由のファイル転送を行ったときに、転送中の状態を表示するダイアログを見る機会が格段に減りました。試しにテレビを録画したMPEG2データ(平均5Mbps)を無線LAN経由で開いてみたら、ほとんどコマ落ちすることもなく再生できました。インターネットからのデータ転送も速くなっているはずですが、Bフレッツのレベルになると途中の経路がボトルネックになることも多いせいか、なかなか実感できません。
PCカード側には「Wireless Panel」というユーティリティソフトが付属していて、現在のアクセスポイントとのリンク速度や実際の転送速度をグラフで表示することができます。これを使ってモニタしていると、最大で22Mbpsくらいの数値が出てきます。これまでの7倍になっているわけですから、体感できるのも当然ですよね。
これまで使っていた無線LANカードをCF-R2に差して速度比較をしてみたかったんですが、カードは認識されてドライバもインストールできるものの、アクセスポイントへの通信をどうしても確立することが出来なかったので、結局断念しています。考えてみると、まだ「Wi-Fi」という言葉がなかったくらい古い頃の製品ですし、仕方がないのかも知れません。規格上の速度差よりも性能差が大きくなった理由もこの辺りにありそうです。インターフェース自体16bitとCardBusで大きな差がありますし。
電波の「飛び」と通信速度
無線LANの性能といえば、通信速度以外にもう一つ重要な性能があります。それは、電波の到達距離。最初に無線LANを導入したときに、ノートパソコンを家から持ち出して試験してみた結果からは、無線LANも意外に遠くまで飛ぶな…というイメージがありました。
ところが、引っ越した直後に同じ機材で試してみたら、状況が全然違ったんです。隣の部屋に行くだけで「弱い」レベルまで受信レベルが低下してしまいます。……まあ、理由はちゃんとわかってるんですけどね。決定的なのは家屋の構造の差。木造の借家と鉄筋コンクリートのマンションでは、後者の方が圧倒的に電波を通しにくいものです。リンク速度も6Mbpsや2Mbpsに落ちてしまいますから、当然実効速度も下がるわけです。
11gの無線でも、使っている電波の周波数は11bと同じ2.4GHz帯なので、電波の飛び方はそれほど変わるわけではなく、隣の部屋に行くと電波が「弱い」レベルになります。しかし、リンク速度はあまり落ちないんですよね。常時54Mbpsは難しいようですが、48Mbpsや36Mbpsでの接続は維持できるようです。結果的に、使用感はあまり落ちません。これなら「寝室でノートパソコンを抱えて寝転がりビデオ視聴」も出来てしまいます。とんでもない時代になったものです。
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