来週は日本プロ野球とアメリカ・メジャーリーグでオールスターゲームが開催されますね。今年のメジャーリーグでは日本人選手3人が出場します。3年連続ファン選出のイチロー選手はもはや貫禄。いかにも日本人投手らしい緻密な投球が持ち味の長谷川滋利投手が初出場。そして、ルーキーの松井秀喜選手もファン選出での出場を決めました。メジャーリーグで日本人選手がプレーすることはもはや当たり前のこととして受け入れられています…もともとメジャーリーグは外国人選手に寛容だと思いますけどね。
日本を代表する長距離打者であった松井選手も、アメリカではチャンスに強い確実性のある打撃が持ち味になっていますね。長打力ではアピールできないだろうな…という私の予想は少しは当たっていたようです。ただ、彼が今のようなイチロー選手とかなり近い方向で評価を受けるとは想像していませんでした。確かに、ホームラン王を獲得するほどの選手には高い打率も不可欠で、松井選手はこちらの能力にも長けているんですが。
今日、7月13日は、浜松フロイデ合唱団の30周年記念演奏会です。前にもここで紹介したとおり、私も舞台に上がり、管弦楽やパイプオルガン、ソリストの皆さんと一緒にフォーレのレクイエムを歌います。これを書いている今はまだ本番前なんですが、いったいどんな演奏になるのかこの期に及んで想像がつきません。興味を持たれた方は是非浜松駅前、アクトシティの中ホールまで足を運んでみてください。おそらくまだ当日券が残っています。
昨日・12日は、楽器を演奏するテレマン室内管弦楽団の皆さんと初めて演奏を合わせるリハーサルが行われました。去年ベートーヴェンの第九を歌ったときは楽団と合わせたのは当日の本番直前でしたから、それよりはちょっとだけ余裕があります。
指揮者の延原武治氏とは、このリハーサル前に2度顔合わせがありました。そのときの印象を一言で言うと、延原氏は「できる限り指揮をしない指揮者」です。と言っても、別にただ手抜きをしているわけではなくて、彼のポリシーは演奏者自身による音楽表現を重視することのようです。初めての指揮者合わせの時、彼はほとんど手を振りませんでした。私に限らず、ほとんどの合唱団員が戸惑ったようです。「ワシは指揮棒振らんから勝手に歌うてな」「もっと音楽しよ」とソフトな関西弁で繰り返していたのが印象的でしたね。
さすがに、この日の楽団を相手にした指揮では延原氏も拍を刻んだ手の振りを見せていましたが、それでも基本は全く変わりません。合唱団には自ら音楽の流れを作っていくことが求められます。楽団の側も同じポリシーの元に演奏していますから、結果的にテンポの揺れが非常に大きく、確かにこれでは指揮者の手の振りを見ていても合わせるのは難しいです。
リハーサルでは全曲を2回通り演奏しましたが、私は2回目の途中ではっと気がつきました。楽団の演奏に対して身体全体でリズムを取っていけば歌も勝手に合ってくるんです。テンポの揺らぎが、心地よい「ノリ」に変化してくるんですよね。そして、この瞬間「もっと音楽しよ」の意味もはっきり見えました。合唱団も楽団も、単なる指揮者のロボットではなくて一人一人がパフォーマーなんです。合わせるだけでなく、表現しようという気持ちを持つことが大事なんですね。指揮者をじっと見ている人や譜面とにらめっこしている人は苦労していましたが、後半の私は結構自信満々に歌っていました…時には全体の乱れにつられてしまうこともありましたが。
考えてみると、このリズムの合わせ方は最近始めた生楽器とのアンサンブルと全く同じなんです。こちらも、各プレイヤーの生演奏の間にある微妙な揺らぎを身体全体で感じて、一つの大きな流れとして捉えることが大事だと思います。これまで「演奏は一人でするもの」だった私にとっては、これからまだまだ修行の必要な分野です。でも、その努力を楽しみだと思えますから、私はやっぱり音楽そのものが好きなんでしょうね。
先に私が「どんな演奏になるのかわからない」と言いましたが、これは別に自信のなさや無責任な発言ではなくて、当日のノリ次第でどう変わっていくのか全く予想できない…ということなんです。そういう意味では、予想できないことは決して不安ではなく、むしろ非常に楽しみです。この曲から合唱を始めた人もいる素人の私たちに、そこまで音楽を作ることを任せてくれる延原氏の期待には応えたいですね。一歩間違えるとバラバラになってしまう危険性もあるのですが。
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