パリで開催されている世界陸上で、末続慎吾選手が銅メダルを獲得しました。彼が世界で3番に入るパフォーマンスを見せた種目は200m走。体格面で黒人選手が圧倒的に有利な短距離種目で、技術を徹底的に突き詰めて互角に渡り合ったアジア人初の快挙です。
ハンマー投げの室伏広治選手も、体格面の不利を技術で克服して世界のトップを争う選手ですよね。決して万全の状態ではなかった中で彼の獲得した銅メダルは、もはや貫禄とさえ思えます。一見力任せに見える競技でも、決してそれだけではないことを教えてくれます。「柔よく剛を制す」とはよく言ったものです。
今日は、私の家にやってきた新しい楽器の紹介をすることにしましょう。それは、こんな形をした長さ約30cmの小さな管楽器で、ポケットサックスといいます。私にとっては念願の「歌う楽器」です。
先月、アンサンブルの人たちと名古屋に出かけて新しい楽器を物色した(その帰りにひつまぶしを食べてきました)んですが、たまたま私の目に留まったのがこの楽器でした。試しに店員さんに吹いてもらった音が気に入ったので、その場でカード決済で買ってきてしまいました。もともと何か買ってくるつもりでしたし、歌う感覚に最も近いのは管楽器だと考えてはいましたが、それにしても見事なまでの衝動買いです。
形はちょうど小・中学校の音楽の授業で習うリコーダーみたいな感じですが、決定的に違うのはマウスピースの部分。「サックス」を名乗っているとおり、ここに付いているのはテナーサックスのリードです。「テナー」というところがポイントらしく、そのせいかこのソプラノリコーダーよりも短い管からは想像の付かないような低くて太い音が出てきます。
もともと、ハワイの人が竹で手作りした”Maui Xaphoon”(まうい・ざふーん)という楽器があるんですが、ポケットサックスはこれをプラスチックで作った廉価版という位置づけだそうです。値段はザフーンが2万円くらい、ポケットサックスは1万円くらいでどちらにしても楽器としてはかなり安価なんですが、ポケットサックスにはメンテナンス・フリーで音程も安定させやすい…という初心者向けの長所があります。プラスチック製とはいえ、手に取ると値段相応の高級感のある仕上がりになっています。
サックスのリードで鳴らす楽器…ということは、当然のことながら演奏方法も似たようなものになります。下唇でリードに軽く力を掛けて、強めに息を吹き込むわけです。店員さんから「リコーダーほど簡単じゃないけどサックスよりは簡単ですよ」と聞いていましたが、とりあえず息を吹き込んでみたら音が鳴ったのでまずは一安心。でも、難しいのはここからでした。思った通りの音程を、思った通りの長さで鳴らすのはやっぱり大変です。
音の長さについては、同じ強さの息を持続できるかどうかが鍵になり、そのためにいわゆる腹式呼吸が要求されます。これについては歌うのと全く同じことで、もともと好きなことですし、合唱団でも練習していますから一応方法はわかっているつもりです。しかし、結構ごまかせてしまう歌とは違い、楽器の反応はシビアです。ちょっとでも気を抜くと上手く行かずに息が切れて、音の方も切れてしまいます。
音程については指穴の開け閉めとリードの噛み具合で調整することになりますが、前者はともかく後者は微妙な感覚の世界です。噛み方が違うと簡単に1音以上狂ってしまいますし、それどころか音が鳴らなくなったり裏返ったりします。ただ、この微妙さのおかげで音に多彩な表情が付くわけですし、これを逆手にとれば音域を広げてしまうことも出来るんですが。
叩けば正しい音が鳴るのが当たり前の鍵盤楽器から入っている私にとって、リアルタイムで音程を制御しなくてはならないというのは大変なことです。ただ、裏を返すとこれは鍵盤楽器では絶対に出来ないような演奏が出来るということですから、そんな意味ではやり甲斐がありますし、とても楽しみです。それこそ「歌うように」吹きこなせたらかっこいいな…と思います。この小ささならどこにでも持って行けるので、人前で演奏も披露しやすいですしね。
ところで、プロ野球・阪神タイガースにとって、8月の長期遠征はやはり「死のロード」だったようです。この間15試合で4勝11敗。同じチームとは思えないような、負けて当然の試合運びが目立ちました。たまたま時期を同じくして故障者も続出して、チーム状態は開幕以来最悪だったんですけどね。
しかし、これだけ負けたのにまだ2位とのゲーム差は10ゲーム以上。この間に優勝へのマジックナンバーは勝ち星の3倍の12も減りました。しかも、甲子園球場に戻ってきてからは見事なまでに元通りのタイガースになって、昨日までに4連勝。今年のタイガースにとっては「死のロード」もいい厄払いになったのかも知れません。もう後はリーグ優勝をいつ決めるかだけの問題でしょう。再来週のWeekly SSKの頃には決まっていそうな気がするんですが…。
コメントを残す