PCカード型H"端末・MC-P200の契約が4年目に入りました。この3年間、外出先でのインターネット接続の主力として活躍し続けてきたH”ですが、実はここ1年くらい解約しようかどうかずっと迷っています。結局今年も年間契約を更新したわけですが、もしかすると近いうちに違約金を払って中途解約するかも知れません。
H"を購入した経緯はこのあたりにもまとめてありますが、購入した当時には外出先に「どこでも」「高速に」「安価で」インターネットにアクセスできる媒体として最強の存在でした。しかし、3年が経ち状況が変化した結果、私にとってH”はベストの選択ではなくなっているような気がします。
これまでに外出先でのパソコン利用についてとことんこだわり続けている私ですが、実はモバイルインターネットの頻度自体はそれほど高くありません。自宅や職場には既にブロードバンドが整備されていますし、仕事でパソコンを抱えて出張する…という機会も意外にありませんし。
ですから、H"の利用は月にせいぜい5回。現在契約中の料金コースでは1,200円分の無料通信が付いていますが、もう2年くらいの間無料通信分を使い切ったことがありません。ですから、パケット通信で使い放題のAir H"が登場したときにも、基本料金が高くなるだけでメリットがないと判断して乗り換えず、回線交換64kbpsのPIAFS接続で使い続けています。
そんな私にとって最近気になっているのが携帯電話による接続。既に、携帯電話でH”を上回る通信速度のサービスが登場しています。これを利用すれば、わざわざH”のために毎月基本料金を払う必要も、PCカードを持ち歩く必要もなくなるわけですから、いろいろな面で身軽になります。携帯電話とこれをパソコンに接続するケーブルはもともと常に持ち歩いていますから、荷物は確実に減るんですよね。通信料金はおそらく少し高くなりますが、今の使用頻度ならH”の基本料金よりは安くなるはずなので問題なさそうです。
KDDIのauでは、私がH"を購入するよりも前の2000年1月から、cdmaOne上で下り最大速度では同じ64kbpsのパケット通信サービスが行われていました。その後、2002年4月には下り最大144kbps、上り最大64kbpsのcdma2000 1xがスタートし、いわゆる「第3世代」ケータイでは圧倒的なシェアを確保しています。
cdma2000 1xの使える地域はまだ限られていますが、このシステムの強みはcdmaOneとの上位互換性を持っていること。cdmaOneは既に全国展開をほぼ完成させていますから、これの使える地域なら、例えばH"ではお手上げの佐久間町役場近辺などでも64kbpsの通信が可能なはずです。
さらに、この秋には下り最大速度が何と2.4Mbps(平均ではかなり落ちますが600kbps程度にはなるそうです)というcdma2000 1xEV-DOサービスが始まります。この「EV-DO」は、基本的にはcdma2000 1xの基盤整備はそのままにデータをやりとりする方法をちょっと変えるだけ…というシステムですから、最初から意外に広い地域でサービスが始まるかも知れませんし、通信料もかなり安くなることが予想されます。高速通信に合わせた端末の高機能化も含めて、この秋のauには注目です。
もう一つ、ここに来てにわかに現実的になってきたシステムがNTTドコモのFOMAです。第3世代のシステムの中では世界に先駆けて2001年10月に商用サービスを始めたのがFOMAですね。下り最大384kbps、上り最大64kbpsというデータ通信能力を持ちます。しかし、cdma2000 1xとは違い、従来のPDC方式とは全く互換性のない新しいシステムとして登場したFOMAは、当初は致命的なまでにサービスエリアが狭く、全く私の眼中にはありませんでした。
しかし、基地局の整備は急ピッチで進み、気が付けば静岡県内では既に人口カバー率100%を達成しています。この「人口カバー率100%」も、各市町村の役場をカバーしたというだけのことなので、実際にはまだ使えない場所もたくさんあります。それでも、少なくともH”よりもサービスエリアは広く、それこそ佐久間町役場近辺でも384kbpsの通信が行えるということになります…別に佐久間にこだわってるわけでもないんですが(笑)。
サービスエリアの狭さと共にFOMAの弱みだったのが、端末に魅力が乏しかったこと。「大きくて重く、バッテリーも保たない」という弱点は徐々に克服してきましたが、PDC端末の最先端・505iシリーズと比べるとFOMAは機能面で一段劣る印象を受けます。しかし、NTTドコモではサービスエリアの拡大と共にこれからはFOMA端末の機能向上にも力を入れていく計画と聞きます。今年度後半のNTTドコモからは目が離せません。
cdma2000 1xにしてもFOMAにしても、利用するためには携帯電話を買い換えなくてはなりません。今使っているN504iSにもう1台追加して持ち歩くのでは、あまりにもスマートさに欠けますし、コスト面のメリットも全然ありませんからね。
ただ、これまでにしてきた機種交換とは違い、これらへの変更は携帯電話のハードウェアだけではなく利用するネットワークを替えてしまうことになりますから、話はそう単純ではありません。現在はNTTドコモのPDC回線を使っているわけですが、同じ会社の持つネットワークであるFOMAの場合でも提供されるサービス内容を見ていくと少し違うものがあります。さらに、auに乗り換えるとしたら、受けられるサービスが様変わりするばかりか電話番号やメールアドレスも変更を余儀なくされます。どちらにしても、これまでと全く同じ使い勝手にならないことだけは確かですから、慎重に検討したくなるわけです。
先に触れた条件を加味すれば、携帯電話にモバイル・インターネット接続の全てを任せ、これまで利用してきた機能も全てカバーさせるにはもう少し待った方がいいタイミングのようです。情報を収集して情勢を見極めながら、もうしばらくはH"で乗り切りましょう。
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