今日・1月11日は鏡開きの日です。年末年始に飾ってあった鏡餅を割って、お汁粉などにして食べるわけですが、もともとは仕事始めの儀式なんだそうです。結婚披露宴などで酒樽の蓋をたたき割るのもやはり「鏡開き」と言いますね。どちらも新しい出発に向けて成功を祈るもの…と言えるでしょう。
この「鏡開き」は、「割る」という言葉は縁起が悪いということで、「鏡割り」とは呼ばずにこう言い換えられたものだそうです。ところが、最近スーパーで売られている鏡餅ではちょっと事情が違います。プラスチック製の鏡餅型の容器の中に切り餅が詰められているものをよく見かけますよね。この容器の蓋を開ければ鏡開き完了。確かに鏡餅を割るのは大変ですから、こうした商品が出てくるのはよくわかりますが、なんだか風情はありませんよね。名実ともに「鏡開き」になっている…と言えないこともないんですが。
「今年の紅白ってどっちが勝ったんだっけ?」
「白組の圧勝だったよな」
「え~っ、どうしてわかるの?『今年の』紅白はまだやってないのに」
「……」
…というのはあまりにも使い古されたネタですが、去年も例年と変わらず大晦日の夜にNHKホールで紅白歌合戦が行われ、テレビやラジオで全世界に中継されました。私も例年と変わらずテレビでその一部始終を見ていました。一昨年に続いて、BSデジタルハイビジョンの5.1chサラウンド環境での視聴になります。
結果は、先にも書いたとおり白組の圧勝でした。今回の勝負は、曲順が発表された時点ですでに決していたような気がします。あとはどれだけ点差が付くのかに興味が移っていましたね。しかし、まさか紅組に1票も入らないとは思いませんでした。BSデジタルの双方向機能によるお茶の間審査では、紅組に投票してささやかな抵抗をしてみたんですが、さすがに流れは止まりませんでしたね。
今回の紅白歌合戦の一番最後を飾った曲は「世界に一つだけの花」。200万枚を超えるセールスを記録した昨年最大のヒット曲…というだけでも十分な魅力を放っている曲ですが、歌う前にSMAPの面々が発信したメッセージがさらに印象的に響きました。もともとこの曲は一人一人の個性を大事にしようというメッセージだったと思うんですが、シングルの発売時期がちょうどイラク戦争と重なって、いつの間にか世界平和や反戦の願いというとんでもなく重いメッセージを背負わされてしまった気がします。曲を聴く人々の解釈次第で世界が広がっていくのも、音楽の持つ魅力だとは思うんですが。
今回は、紅白歌合戦の裏番組で民放各社が格闘技の中継を組んだのが注目されましたね。特に注目を浴びていたのはボブ・サップと元横綱・曙の一戦でしょうか。瞬間視聴率では紅白を上回るほどの活躍を見せました。こうやって目の敵にされること自体、紅白のテレビ番組としての存在感の大きさの表れのような気がします。
そのサップ対曙戦は一応パソコンのテレビチューナーで映しておいたんですが、1ラウンドも持たずに曙がマットに沈むことになりましたね。かつては角界の頂点を極めた曙も、もう引退してから3年。K-1参戦を表明してから試合まではたったの2ヶ月。格闘技は、アマチュアで活躍していた選手が引退後プロに転向して成功する…ということが多い分野(大相撲はプロですが)ではありますが、それにしてもあまりにも準備期間が短すぎます。
ですから、紅白と同様こちらも勝負の行方はやる前からほとんど決していて、あとは曙がどれだけ持ちこたえられるか、かな?という目で見ていました。考えてみると、曙は現役時代にも3分間連続で戦ったことがないと思うんですよね。というよりも、もともと相撲自体が数秒で決着の付くことも多い超短期決戦の競技ですから。スタミナ切れでダウンするのは時間の問題だった気がします。ただ、日本の伝統的な国技である相撲を擁護したい立場からすると、曙にはもうちょっと踏ん張って欲しかったところですが。
その大相撲では今日から初場所が始まります。大関・栃東に久々の日本人横綱への期待がかかります。曙が現役の横綱だった頃と比べると、大相撲の人気もずいぶん落ちてしまいました。相撲を見るのも好きですから、やっぱり現在の低迷は気になります。今大相撲に一番必要なのは正統派の強い力士だと思うんですよね。「悪役」横綱の朝青龍と「ロボコップ」高見盛ばかり目立ってるようでは、興行ではあるかも知れないけれどプロスポーツではありませんよ。そういう意味では、件のサップ対曙戦も興行としては成功だったかも知れませんが、それ以上の価値があるとはちょっと思えませんね。
今年最初のオリコンチャートはおもしろかったですね。「世界に一つだけの花」が、週間トップに返り咲きました。他にも、紅白で歌われた曲が軒並み順位を上げています。去年も紅白後に「地上の星」が週間チャート1位になりましたが、視聴率競争では苦戦が伝えられるものの、紅白の神通力は未だ健在のようです。
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