これが「パケ死」か!
N504iSを使い続けて1年ちょっとが経ちました。カメラを装備したことが注目されていた端末でしたが、結局カメラはほとんど使っていません。画像をメールに添付してやりとりするためには送受信のシステムがどうもちぐはぐだったこと、デジカメとして使うには後で活用するための方法が面倒すぎたことが2つの大きな要因だったと思います。
一方で、iモードの情報サイトやiアプリの利用はずいぶん増えました。しかし、問題になってきたのはパケット通信料の高騰。iアプリの容量が大きくなってダウンロード料金も上昇したことには前にも触れましたが、例えば画面サイズにぴったり合う壁紙をダウンロードしようとしたときでも、見た目は同じ大きさなのに画面解像度が上がった分だけデータ量も増えているんですよね。着メロや着声も、端末の性能向上を生かすために必要なデータ量が増えています。
気が付けば、月々の利用料は1万円以上。それも、電話としての通話料はせいぜい1,000円弱で、パケット通信料がほとんどを占めるようになってしまいました。高いパケット通信料に悩まされている状態を「パケ死」と呼んだりもしますが、このままでは洒落抜きでパケット通信が家計を圧迫しかねませんでした。
パケット通信料を低減させるための手段として有効なのが、第3世代携帯電話への移行。もともと大容量のデータを流すことを前提として作られている第3世代携帯電話のシステムは、パケットあたりの通信コストが安く、利用料もこれに合わせて安く設定されています。モバイルデータ通信の置き換え用途だけでなく、月々の利用料を下げるための手段として第3世代への乗り換えが魅力的に見えてきました。
先行したau、追いかけるFOMA
半年くらい前から、Weekly SSKで第3世代携帯電話の話題に何度か触れてきました。ここで採り上げても良かったのでしょうけど、何しろiモードにも見切りを付けようか?という話でしたから、ここで採り上げるのも変な話かな?と思ったわけです。ともかく、ここでちょっとまとめておきましょう。
第3世代携帯電話の普及台数で先行していたのは、CDMA2000 1X方式を採用していたauでした。ひと味違った多彩な端末ラインナップを揃え、「次世代」ならではのサービスでアピールしていました。これはauに乗り換えてみるのも面白いかな?と、かなり本気で考えていました。昨年11月からは最大2.4MbpsというADSL並みのハイスピードと定額料金制が売りのCDMA 1X WINのサービスが始まりましたが、通話用端末ではパソコンを接続しての高速通信がサポートされず、定額制も端末から情報サービスを利用するEZwebのみに限定される……という形で、何とも中途半端なサービス開始となりました。
一方、NTTドコモのFOMAは、サービス開始はauよりも早かったのですが、なかなか普及が進みませんでした。それでも、サービスエリアは既に静岡県内では人口カバー率100%になるまで広がりました。端末の性能も向上し、今年になって登場した900iシリーズではauの個性的な端末たちとも勝負できるだけの自己主張と高機能を持っています。遙か前方を突っ走るauに対して、ようやく追撃態勢が整ったところでしょうか。普及台数の増加も加速しています。
実はボーダフォンの第3世代ケータイ・VGSも知らない間に地道にサービスエリアを広げ、足場を固めていたりします。魅力的な端末が揃って来れば面白い存在ですね。基本的にFOMAと同じW-CDMA方式のシステムで、サービスをFOMAと共有できる可能性があるVGSは、展開次第で大化けするかも。
意外に安いFOMA
最初はあるauの端末に魅力を感じたのがきっかけで、他社の第3世代は全然眼中になかったんですが、それでもやっぱり各社の比較をしてみないと気が済みません。第3世代のサービスを提供している3社で、自分の利用形態だとどんな感じに使えるのか比較してみました。
もともとNTTドコモのmova端末を使っている私からすると、FOMAなら長期契約割引が継続し、電話番号やメールアドレスもそのままに移行できる……という利点があります。どうも「FOMAは高い」というイメージを持つ人が多いようですが、実はFOMAの音声通話料はauより安く、月に数万パケット使うならパケット通信料も安く、さらに音声通話と「パケットパック」の無料分を互いに使い回せる(auの「パケット割」を契約するとこれができなくなりますよね)という料金上のメリットがあります。その代わりに、最新機種を買うとFOMAは購入価格がauよりも高く付きそうなんですけどね。
auユーザーである弟(それもあの「INFOBAR」を使っているというのがヤツらしいところですが)から、「auにして家族割しようよ」と誘いを受けていました。しかし、家族割で割引になるのは音声通話分だけ。私の利用スタイルだと、これを考慮に入れてもまだFOMAの方が月々の利用料が安くなりそうです。料金の話をするなら、VGSの料金はこれらの特別割引を入れた他社よりもさらに安いのですが、現時点では端末の選択肢があまりに少なすぎます。
結局コーナー名は変わらない?
使える地域の広さへの評価も意外に複雑です。auのCDMA 1X端末は確かに「最も広い地域で使える第3世代端末」なんですが、これはcdmaOneとの互換性があるから一応回線がつながる……という話で、「第3世代として使えるエリア」という見方をすると、むしろFOMAの方が広いかも知れません。さらに、FOMAの1契約分でFOMAとmovaの端末を切り替えて使う「デュアルネットワークサービス」が提供されていますから、これを使うとFOMAは「最も広い地域で使える第3世代契約」になります。端末が2台必要……という煩わしさはありますが。
提供されているサービスを見ても、auのEZナビウォークは方向音痴ではない私にはあまり必要性を感じませんでしたし、FOMAやVGSのテレビ電話も話す相手がいなくてはどうしようもありませんし……となると、少なくとも今のところはどこでも一緒のような気がします。情報サイトの充実度については、iモードの蓄積があるFOMAが強そうです。次はFOMAに乗り換えよう!という方針を固めました。
本気でいろいろ考えた割に、結局ドコモショップからお付き合いが広がることはないわけですね。そう言えば、前にも「コーナー名が変わるかも」なんて言ってたくせに結局は元のさやに収まったことがありました。考え方が現状維持に凝り固まっているわけではないと信じたいんですが。
コメントを残す