西暦年が4で割り切れる年はオリンピックイヤー。今年の8月にはオリンピック発祥の地・アテネで28回目のオリンピック大会が開かれます。開幕まで150日を切りました。世界最大の総合的なスポーツの祭典に向けて、マスコミでの話題も増えてきて、日本国内でも少しずつムードは高まってきたのかな?と言う気がします。
今週月曜日の15日には、男女マラソンの日本代表が日本陸連から発表されました。誰が選ばれたのかというよりも、前回・シドニーオリンピックでの金メダリストで国民栄誉賞も受賞した高橋尚子選手が選ばれなかったことが大きく取り上げられました。考えてみると、選ばれなかった人に対して「選手」というのはものすごく不思議な呼び方ですが。
日本陸連にはかなりたくさんの抗議電話が殺到したようです。マラソンの代表選手選びでゴタゴタがあるのはもはや恒例の行事となった感があります。まあ、このゴタゴタが起きるのも優れた能力を持った選手が何人もいるからこそのことで、そうした意味では喜ぶべき話でもあるわけなんですが。
いつもやり玉に挙がるのが「選考基準が不透明だ」という話。確かに端から見ていると不透明に感じますよね。でも、選手たちを送り出す側としては、出場する選手に勝ってほしい一心で、いろいろな可能性を想定しながら悩みに悩むのだと思います。その道のプロの人たちが集まって検討した結果なんですから、あまり周囲がいろいろ言うのもかわいそうな気がします。ただ、一方でどんな決め方をしても納得できない人が必ずいるわけで、どうせ文句を言われるのなら一発勝負などわかりやすい方法で決めればどうなの?…という気もします。
木曜日の18日には、男子サッカーのオリンピック出場が決まりました。苦しい予選を戦い抜いて、ようやく獲得した出場権です。オリンピックに限らず、日本代表チームのサッカーの試合はいつも大きな不安を抱えながら見ています。18日の試合は序盤から得点を重ねた余裕のある展開でしたが、接戦になることも多いですよね。そんな状態でロスタイムに入ると、もう全然落ち着かなくて…どこかで未だに「ドーハの悲劇」を引きずってるのかも知れません。もう10年以上前のことなんですが。
18日の試合では、リーグ戦の勝ち点の関係で、日本代表はただ勝つだけではなくできる限り多くの得点を挙げることが求められていました。これに対して山本昌邦監督は3トップという超攻撃的布陣を敷き、結果的には3-0で勝利。新聞には「山本采配ズバリ」とか載るわけですが、こう言ってもらえるのも勝ったからこそなんですよね。先制点を許しでもしたら、その後ズルズルと…という可能性だってあったわけです。負けた試合では、しばしば「采配ミス」という見出しが踊ります。どちらにしても責任は監督にあるということでしょうか。
特に団体競技の場合は、競技団体と選手たちの間に入る監督にかかる責任が重くなってしまいます。特に日本代表ともなると一つの敗戦も許されないことが多いわけで、監督という過酷な仕事を引き受ける人たちの覚悟も並大抵のものではないはずです。そう思うと、負けたからすぐクビを切るのは彼らの覚悟に対してあまりにも軽すぎる対応のような気がします。
サッカーの日本代表と言えば、2006年のワールドカップを目指すA代表チームは、アジア第1次予選の代表候補から、直前合宿で無断外出していたとされる選手たちを外しました。チームの試合に臨む意識を高めるためには当然のことのような気がします。ただ、これは主力になっていた選手を外すことにもなり、これで試合に負ければ一気にジーコ監督の責任問題…と言うことにもなりかねません。筋を通すことは大事、でも試合に勝つことはもっと大事。一番良いのは両立させることですが、果たしてどうなるのでしょうか。31日のシンガポール戦に注目しましょう。
野球の日本代表は、昨年のうちにオリンピックへの出場を決めています。プロ野球選手で固めた日本版ドリームチーム(細かいことを言えばいろいろとあるわけですが)で、彼らの力を持ってすれば出場は確実だと思っていました。その選手たちを束ねる監督はご存じ「ミスター」こと長嶋茂雄氏…なわけですが、その長嶋氏が今病床にあります。
脳梗塞からの復帰のためリハビリに励んでいるそうですが、日常生活はともかく、5ヶ月後の暑い夏に野球の監督というのは無理な気がします。もっとも、スポーツ選手の回復力には超人的なものがありますから、どうなるかはわかりませんけどね。今のところ代役が立てられていないのも、「長嶋さんならもしかすると」という期待があるのかも知れません。そういう私も「もしかすると」派の一人ではありますが。あの人のことは常識では計れません。
代役と言えば、一時期名前が挙がっていたのが星野仙一氏。長嶋氏にしても星野氏にしても、特にその強力なカリスマ性を考えれば的確な人選なのでしょうけど、既に68歳の長嶋氏や、体調を理由に勇退した星野氏を引っ張り出さなくてはならないという人材難は困ったものです。しかも、これはそう簡単には解決できませんからね…。
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