いきなりソフトウェア更新
前回の記事で、900iシリーズでは端末の不具合がダウンロードで更新できることに触れましたが、F900iに続いてN900iでも早速ソフトウェアの更新が行われることになりました。特定の条件が重なると端末が勝手に再起動してしまうのだとか。発売されたばかりなのにいきなり不具合?なんて怒ってはいけません。作っている側が十分チェックを重ね「これで問題ない」と確認しても、大量に巷に出回ってみると予想もしなかった不具合が見つかってしまうものです。
ソフトウェア更新は、自作パソコンで言うならBIOSのアップデートのようなもので、失敗すると携帯電話が動作しなくなってしまう危険な作業です。このため、確実な動作とセキュリティには細心の配慮が行われています。端末暗証番号の入力が要求されたり、SSLによる暗号化通信が使われていたりします。電池切れを防ぐために、フル充電を確認するメッセージもありました。
ソフトウェアのダウンロードが終了すると、突然画面が暗転して端末へのソフトウェア書き込みが始まります。この手の作業に慣れていない人だと、ちょっと驚くかも知れませんね。書き込みが終了した後で自動的に端末が再起動されて、約10分弱で作業は終了しました。不具合現象そのものを確認したわけではなかったので、何が変わったのか全然わからないんですが、とにかく正常に動くのが何より大事です。
ケータイもやっぱり電話
…と、冒頭に臨時ニュースが入ってしまいましたが、今回はN900iを使ってみてどんなことが変わったのかを見ていきましょう。movaからFOMAに移行したことで、データ通信の高速化とそれに伴う機能強化に目が行くわけですが、実は私が最初に驚いたのは通話の音質が格段に良くなっていること。これまで携帯電話には「音が聞きにくい」というイメージを持っていましたが、これでようやく普通の電話になったような気がします。もっとも、通話品質は相手次第という面もありますし、その場の状況にもよるわけですが。
デジタル方式の携帯電話では、音声もデータ通信と同様符号化されて電波に乗るわけですから、データ通信の高速化と音声通話の高品質化は密接に関係しています。そう言えば、auがcdmaOne(これは「第2.5世代」なんて呼ばれ方をしますが)を登場させたときも、FOMAが登場したときも、高品質な音声通話は宣伝文句の一つでした。様々なことに使われるようになった携帯電話ですが、いざというときに頼りになるのは相手と直接コミュニケーションがとれる電話機能だと思います。次世代ケータイは、本業の電話でもちゃんと進歩しています。
通話の関係でもう一つ変わったのは、ハンズフリー機能が使えるようになったこと。もっとも、これは純粋に通話のためと言うよりも、FOMAならではの機能であるテレビ電話のために用意せざるを得なかった…ということではないかと思います。ケータイが耳に張り付いたままではカメラの自由が利きませんからね。イヤホンを使うという手も一応あるわけですが。
付いていれば便利な機能ではありますが、残念なのはスピーカーが外側(写真参照:ヒンジ部近くの縦長の穴です)にあること。スピーカーからは着信音も流れますから、そちらを重視したのではないでしょうか。音質そのものは結構良いのですが、この配置では肝心のテレビ電話の時にちょっと困るような気がします。本当はテレビ電話も試してみたいんですが、周りにFOMAを持っている人がいないことにはどうにもなりませんからねぇ…。
入り口からして違う
もちろん、データ通信の方でも大きな変化がありました。だいたい、iモードへの入り口・「iメニュー」からして全然違います。900iシリーズでは、Flashを使ったグラフィカルなiメニューが表示されるようになりました。505iシリーズからiモードサイトの作成に使えるようになったFlashですが、ファイルサイズの割には凝った表現の可能なFlashはまさに携帯電話向きだと思います。
どうもWebサイト上でうまく使いこなせなくて、制作環境を持っているのにSSK Worldでは最近直接的には利用していない(アイコンを描くのには使ってるんですが)Flashですが、iモードサイト用の作成ツールも配布されていることですし、またちょっと遊んでみようかな?とも思っています。
ここから各メニューに移動するとこれまで通りの文字情報中心のメニューなんですが、画面解像度が上がったので使い勝手もずいぶん変わりましたね。これまでよりも1画面あたりの文字数を増やしてより多くの情報を表示することができますし、同じ文字数なら読みやすい高精細のフォントで表示することができます。ただ、画像の表示は小さくなりすぎて見にくいことがありますね。N504iSの頃ですら気になっていたことですが、さらに画面が細かくなって困った事態になっています。
そんなiモードサイトで提供されるコンテンツにも、次世代ケータイならではの新しいものがいろいろと登場しています。このあたりの話を始めるとまた長くなってしまいそうなので、また改めて触れることにしましょう。
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