FOMAも定額制?
今日の本題に入る前に、巷のニュースから一つ。「NTTドコモもFOMAで定額制」と言うニュースがNHKから各メディアに広がりました。auのCDMA 1X WINが登場してから何度か話題に上っていた話ではありますが、今回は「6月から開始」「業界最安値の月額3,900円」「プラン67以上でのみ適用」と妙に具体的です。NTTドコモでは「定額制は検討はしているが何も決まっていない」とコメントしていますが、火のない所に煙は立たないと言いますし、おそらくこれにかなり近いプランで実施されるのでしょう。
定額制がWIN対応端末でしか使えないauとは違い、FOMAの定額制は全ての端末で使えることになりそうです。CDMA 1X WINのように設備そのものを新しくするわけではありませんから、当然と言えば当然なんですが。定額制を利用するために機種変更する必要はなさそうで、私にとっては嬉しいことです。
定額制は確かにありがたいシステムですが、現在の私の利用状況と照らし合わせると月々の利用料がこれで安くなるのかどうかはしっかりと見極める必要がありますね。もちろん、定額制になることによって使い方が変わる面もあります。CDMA 1X WINのEZチャンネルのように毎週真夜中に数MBの動画データを読み込もうとでもすれば、定額制しか考えられません。
次世代ならではのサービス、か
これまで、携帯電話を替えるごとに着信音の話題を取り上げてきました。単純な発信音だった着信音が単音でメロディーを奏でるようになって、それが和音になり、FM音源の採用で音質が向上し、さらにはサンプリングした生音を使えるようになり……と進歩を続けてきました。ステレオスピーカーを装備してサラウンド音響が得られるものまであり、音を鳴らすハードウェアとしては行き着くところまで来てしまったのかな?という気がします。
そんな閉塞気味の「着メロ」の状況に風穴を開けたのが、アーティストの歌や演奏をそのまま着信音にしてしまう「着うた」。auが2002年12月に始めたサービスですね。生音を鳴らすハードウェア自体は既に端末に内蔵されていたわけですが、着うた実現の最大のポイントは、長時間の生音をダウンロードできるCDMA 1Xという通信基盤があったことでしょう。現状では、通信が高速で安価な第3世代ケータイの魅力を最も強くアピールしているサービスかも知れません。さらに、音声だけではなく動画までが着信通知用に使われるようになりました。通信速度の向上だけではなく、音声や動画の圧縮技術の進歩も大きく貢献しているんですよね。
auで足場を固めた着うたや着ムービーのサービスは、まずはボーダフォンのVGSへ、さらにはNTTドコモのFOMAへと広がり、第3世代ケータイを象徴するサービスの一つになりました。NTTドコモではこのサービスは「着モーション」と呼ばれ、「基本的には音声のみのサービスは考えていない」とコメントされていました。こうして独自の名称を付けているあたりが、携帯電話のリーディングカンパニーであり、第3世代サービスでも先陣を切っていたNTTドコモのプライドなんでしょうか。
直営ならではの不便
その着モーションなんですが、基本的には音源の著作権を持っている会社が直接提供しています。着メロの頃はオリジナル曲の権利とメロディ編曲者の権利が存在して、著作権は少々ややこしかったはずなんですが、何しろ今度は楽曲そのままを提供するわけですから、そのあたりは非常にシンプルです。実は、このシンプルさこそが着うたの画期的な面の一つだったんですよね。提供する側としても、ビジネスとして魅力的になったわけです。
ただ、この「直営方式」のせいで不便なこともあります。それは、着メロの頃のように1社のサービスだけで全体を網羅するのは不可能になってしまったこと。特に、iモードの場合は他社のサービスのようなダウンロード1回あたり課金を認めず月額課金しかシステムがないため、多くのサイトからダウンロードしようとするとそれぞれに会員登録することになり、月額の会費がかさんでしまいます。
えっ、電話だけなの?
着モーションの最大容量は300KBだそうです。目一杯大きなファイルをダウンロードすると、パケットパック40(0.05円/128バイト)を契約している場合で約120円の通信料がかかることになります。着メロの頃と比べると、データ量は10倍規模になっています。通信料は安くなったおかげで10倍とまでは行かないものの、それでも少々高く付いていますが、ダウンロードできる中身を考えたら順当なところかも知れません。
早速いくつかの動画や音声をダウンロードしてきて、実際に着信音に設定しようとしたところで初めて気が付きました。これらの「ムービー」アイテムは電話かテレビ電話の着信音にしか設定できないんですね。メール着信におあつらえ向きの3秒程度のものも見つけてきたのに……。
取扱説明書を見ても、カタログを見直しても、着モーションは「電話着信音に設定できます」と明記されていますから、しっかり読んでいなかった私の方が悪いのでしょう。でも、それならどうしてメール着信音向けの着モーションが公式メニューサイトで公開されているんでしょうか?。ちょっと腑に落ちません。
さすがに恥ずかしいかも
電話着信音にJ-POPのサビの部分が流れる着モーションを設定して使っているところです。周りで着うたなどを使っている人はいないので、自分の電話が鳴ったのを絶対に間違えないのは良いのですが、職場で着信があるとやっぱりその場の雰囲気にそぐわない気がします。着メロの頃はまだそれほどでもなかったんですが、さすがに曲そのものが流れるわけですから、思いっきり浮き上がってしまい恥ずかしいですね。まあ、これには私の選曲にも多分に責任があるわけですが。クラシック曲とかだとまたイメージが変わるかも知れません。
着信音として使いにくいとなると、着モーションの意義は、最新のヒット曲やそのビデオクリップを丸ごと購入するよりは安くつまみ食いができるところでしょうか。ただ、そう考えた場合には現状の15秒?30秒くらいという再生時間はちょっと短すぎて物足りないですね。ファイルの大きさや他の販売形態との価格のバランスを考えると、長さと料金の設定はなかなか難しいのでしょうけど。
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