ケータイはゲーム機?

着メロも変わった

前回、着信音の話をしようとしたら着モーションの話だけで終わってしまったんですが、内蔵音源に演奏させる着メロも相変わらずの高品質です。N900iの着メロ機能は基本的にはN504iSの発展型で、FM音源とウェーブテーブル音源を組み合わせた50和音。もうこのレベルまで来るとハードウェアの違いは実感できません。あとは、どんな演奏データを作れるか?という技術の問題でしょうか。

本体に内蔵されている着メロは10曲。中身を見ていくと、クラシック曲に大胆なアレンジを施したものが多く用意されています。生演奏がそのまま着信音に設定できるようになってしまった今、着メロには物真似ではない独特の存在感が求められるような気がします。そんな意味では良く考えられた選曲と言えるでしょう。

そんな内蔵着メロの中にYMOの「テクノポリス」が選曲されているのには、思わずニヤリとさせられました。N502itとN503iSには「ライディーン」が入ってましたからね。筐体のデザインだけでなく、こんなところでもNECのケータイは製品イメージのつながりを大事にしているのでしょうか。

iアプリ版ドラゴンクエスト

パワーアップiアプリ

内蔵の着メロでもう1曲印象的なのが「序曲/ドラゴンクエスト」。ケータイとは思えない重厚なオーケストラ・アレンジで楽しませてくれます。もちろん、この曲が用意されているのには理由があります。ゲーム機RPGの金字塔・「ドラゴンクエスト」がiアプリに完全移植されて、N900iに内蔵されているからですね。

iアプリ版ドラゴンクエスト

iアプリがスクウェア・エニックスの公式サイトから提供される前に発売されたN900iは、1週間ほどの間「ドラクエの遊べる唯一のケータイ」でした。別にそれが目的でこの機種を選んだわけではないんですが、15年ぶりくらいという懐かしさも手伝って結構ハマってしまいました。毎日1時間強のプレイで、2週間くらいでクリアしました。ファミコンの頃よりも早く進められたような気がします。ちなみに、BGMは着メロのような豪華版ではなくファミコン風味溢れる電子音ですが、これはこれで味があります。

テレビCMなどでも紹介されているとおり、この「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のような本格的なゲームが遊べるのがFOMA 900iシリーズの看板の一つになっています。ケータイで動くJavaアプリケーションである「iアプリ」は503iシリーズから導入されたわけですが、当初はプログラム10KB+データ10KBだった容量は世代交代ごとに増強され、900iシリーズでは100KB+400KBになっています。合計すると503iシリーズの実に25倍。格段に複雑なものが作れるようになっています。

ただ、その一方で通信速度の方も9.6kbpsから384kbps(いずれもパケット通信での最大値)と40倍になっていますから、ダウンロードにかかる時間はそれほど変わっていません。通信料も、パケットパック40なら500KBで200円。何とか許容できるところではないでしょうか。通信が高速で安価な第3世代ケータイのおかげで大容量化が果たせたと言えますし、逆に言えばもはや第2世代ではこれ以上増やせない状態でした。

デカくなっただけじゃありません

iアプリのパワーアップは大容量化だけではありません。実際にゲームで遊んでみてわかるのが動作の高速化です。N504iSではiアプリの起動に非常に時間がかかるのが気になっていたんですが、N900iではこれがずいぶん改善されています。キー操作への反応もかなり早くなっています。

4人打ち麻雀

一見地味なんですがこれらの能力向上が総合的にわかるのが、「みんなNらんど」からダウンロードできる麻雀が4人打ちになったこと。対戦相手が一人から三人に増えることにより、コンピュータ側の思考プログラムは格段に高度化しなくてはなりません。容量も速度も要求されるわけです。遊ぶ側からしても、相手がコンピュータだとはいえ、やっぱり麻雀は4人で遊んでこそのゲームですよね。

他にも、iアプリでは実に多種多様で本格的なゲームが提供されています。503iシリーズの頃には「ゲーム専用機ではないんだから高度なものを求めるのは筋違い」なんてコメントしましたが、今やケータイのアプリケーション実行能力は十分にゲーム機として通用するレベルです。しかも、最近のゲームで重要なポイントになっている通信機能は標準装備。ただ、帯域保証があるわけではないので、リアルタイム性の高い対戦はちょっと難しいと思いますけどね。

月額課金のRPG

「パワーアップiアプリ」のもう一つの看板ゲーム「ファイナルファンタジー」も、「ドラゴンクエスト」と同じくスクウェア・エニックスの公式サイトからダウンロードできます。この2大タイトルが同じ会社から供給されるという現実を見るたびに、時代の流れを感じてしまいますね。「ファイナルファンタジー」も私にとっては思い出深い作品の一つなので、是非プレイしてみようと思っているところですが、始めるのは来月になるまで待つつもりです。

公式サイトでは、月額500円の会員登録をすると毎月500ポイントが与えられます。ゲームをダウンロードするために500ポイントが必要になりますが、毎月ダウンロードし直す必要はありません。しかし、会員登録を継続していないと、ゲームで遊ぶことはできなくなります。ポイントは着うたや待ち受け画面などのダウンロードにも使えますし、月額500円よりも安いコースも用意されていますが、月をまたぐごとに新たに利用料が必要になることは同じです。他社のiアプリゲームでも同様のシステムを採用しているようですね。

クリアまでに何日もかかるRPGの場合、月をまたぐという話はかなり現実的になってきます。当然、月の初めから始めた方が有利になりますよね。3月1日の段階ではまだ「ドラクエ」の攻略中だったので、後回しにしようと思ったわけです。実は、ドラクエの方を後回しにするつもりで3月1日にダウンロードを試みたんですが、この日はサービス開始日でサーバーが混み合っていてアクセスできず、それも「FFは後回し」を決めた理由の一つだったんですが。

同じことを考える人は結構多いでしょうから、きっと4月1日にもサーバーが混み合うのではないかな?と考えています。今度は少し粘ってみようかと思っているところですが、いったいどうなるでしょうか。ちょっと楽しみです。


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