アルミ兄弟そろい踏み

Prescottの処遇

まずは経過報告から。前々回、前回とテストを続けてきたPentium 4 3.2EGHzなんですが、結局本格導入は見送ることにしました。やっぱり決め手になったのは消費電力。さらに何か手を打てば、温度を下げることは可能かも知れませんが、発熱そのものをこれ以上抑え込むのは難しく、消費電力が大きいことは変わりませんからね。パフォーマンスはほとんど変わらないのですから、これでは電気代がもったいありません。

こうなると、Prescottコアの強みは、新しい命令セットが追加されたことにより対応プログラムではパフォーマンスの向上が見込めること、そして内部構造が変わったことでさらに動作周波数が向上する可能性があることですが、裏を返せばどちらも現時点ではほとんどメリットがないと言うことになります。これらのメリットを享受できる頃には、また総入れ替えをするしかなさそうです。CPUだけでなく、パソコンを構成するすべてのパーツに大規模な変革が訪れていますしね。だいたい、高クロック化がこのまま進行するのかどうかも不透明ですし。

市場価値が下がる前に手放してしまおう…ということで、早速3.2EGHz版は中古屋に売りました。32,000円少々(税込)で買ったものを、25,300円で手放すことができました。差額の7千円であれだけいろいろ試せたのだと考えれば、まあまあ得した部類なのかも知れません。

CPUの使い道はもちろんこれ

3.2EGHz版の代わりに買ってきたのが、同じPentium 4の2.8CGHz版。現在市場に出回っているNorthwoodコアのPentium 4では最も低価格のラインになりますね。21,000円(税込)で買うことができました。もちろんCeleronならもっと安く買えるわけですが、CPUバスの速度とハイパースレッディング機能はパフォーマンスに大きく影響すると認識していますから、「Pentium 4」であることにこだわったわけです。

そのPentium 4はもちろんパソコンを組み立てるために買ってきたんですが、自分で使うためではありません。これは、弟が使う新しいパソコンのためのもの。彼はずっと我が家のお下がりの超小型キューブ系ベアボーン・Poloを使っていましたが、さすがに最近ではパワー不足を感じていたようです。しかも、電源ファンから異音が出るようになり、ついにパソコンの更新を決意したとか。今回「5万円以内で」と注文は出ていましたが、既存のパーツから一部流用すれば大丈夫だろう…と踏んでいました。

ALTIUM S6 OMEGA

前にも触れたとおり私以上に見た目重視の弟にとって、ケースは最重要パーツ。ここで妥協することは許されません。彼が指名したのは、今や我が家では定番となりつつあるソルダムのフルアルミMicroATXケース・ALTIUM S6。生産終了記念の限定仕様「OMEGA」が発売されたので、貯まっていたポイントを使用して実質19,100円(税込)で購入しました。内部仕様の一部に低コスト化の跡が見えますが、致命的な要素ではないし外見は変わっていないのでノープロブレム。

PowerColor A300M-E1394

マザーボードには、6,300円(税込)の激安価格で売られていたPowerColor A300M-E1394を使いました。ビデオカードのブランドとして知られているPowerColorなだけに、チップセットにはATIのRADEON9100 IGPを使った製品で、基盤の色もRADEON9700 Proと同じ赤。シリアルATAは使えませんが、オンボードでIEEE1394が載っていたりして機能面では十分です。

これに合わせてメモリやハードディスクを購入し、さらにはPoloで使っていたドライブ類や私の手元に余っていたパーツ類を組み込んで、動作するパソコンが1台組み上がりました。処分に困ったパーツを押しつけた?とも言えなくもないんですが…。予算は実際のところ5万円をオーバーしていますが、私の道楽に付き合わせたことも考慮して、「全部でご奉仕価格の5万円」ということにしました。

正面から比べる

まさに兄弟

お気づきになった方も多いかと思いますが、このALTIUM S6は先に私が購入したALTIUM S8をMicroATX専用に小型化した…といえる兄弟モデルです。パーツの構成や内部のレイアウトはかなり異なるのですが、こうして並べてみると全体としてのイメージは非常によく似ています。アルマイト処理の質感とシンプルなデザインがアイデンティティですね。

側面から比べる

横から見てみると、ALTIUM S6は高さだけでなく奥行きもALTIUM S8よりずいぶん短いのがわかります。搭載している電源はごく普通のATX電源サイズですから、実は5インチドライブベイとの距離がかなり短くて、組み立てにも余裕がなかったりします。それでも、弟にとっては「中がすごく広いなぁ」という印象だったようです。まあ、あのPoloが比較対象ではどれを見ても広く見えますよねぇ(笑)。

戻ってきたPolo

Poloの処遇は?

ひとまず役目を終えたPoloは、私の手元に戻ってきました。結局パーツはほとんど外していないので、このままでも一応動作しますが、電源ファンがかなり騒々しい状態であることを筆頭に、かなりガタが来ています。少なくとも現状のままでは使い道を思いつかないんですが、芸術的なスタイルの筐体はそのまま捨ててしまうにはあまりにもったいありません。

一見非常に特殊な製品に見えますが、マザーボードを見ると17cm四方のいわゆるMini-ITXサイズですから、背面パネルなどの加工さえできればマザーボードの交換で劇的な改造ができるかも知れません。また時間と財力が許すときに何か考えてみましょう。テレビ録画&ファイル共有用に使えるくらいのパワーが、十分省電力で確保できるといいんですけどね…既にある程度ビジョンは出来上がってるんですが。


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