実はここからが難関か
前にも触れたとおり、私のレッツノート・CF-R2A最軽量モデルに無線LAN機能を内蔵しようとしているところです。内蔵するためには、必要な部品が揃わないことには話になりません。まずは部品の調達から始まることになります。必要な部品は次の通りです。
MiniPCI無線LANモジュール | Intel PRO/Wireless 2200BG |
無線LAN用アンテナ | CF-R2Cシリーズ用純正品 |
そのほか | 細々と必要なものはあるかも |
これまた先に触れているとおり、どちらも普通に巷のパソコンショップなどで販売されているものではありませんから、注文して取り寄せるなどする必要があります。ただ、Intel PRO/Wireless 2200BGは秋葉原のPCパーツ店の一部でも店頭販売しているそうなので、いざとなればこのルートで入手する方法もあります。それにしても、秋葉原という場所は私たちの既成概念をしばしばぶち壊してくれる場所だと感じますね。一方で、需要があれば供給されるのが市場原理で、この点から見れば実に素直な流れなんですが。
正面突破を図るが
必要な物はすべてレッツノート用の補修部品ということになりますから、入手する方法として一番素直なのは、やっぱりPanasonicさんに直接問い合わせてみることです。そこで思い出したのが、5年近く前にCF-S21を修理に出したときに本体を持ち込んだ事務所。中部松下テクニカルサービスの浜松サービスセンターです。事業案内に「松下電器産業並びに松下グループで製造・販売する家電、デジタルメディア製品の据付・保守・点検・修理及び部品販売」とあるくらいですし、今回の私の目的に答えてもらえそうです。早速足を運んでみました。
サービスセンターで調べてもらい、必要な部品はすぐにわかりました。左右のアンテナは別々のパーツとして販売されていて、さらに取り付け用のネジも別途必要になります。これにMiniPCIの無線LANモジュールを加えれば完成です。このモジュール本体が1万円台後半というとんでもない高値の価格表になっていましたが、これでも東京に買いに行く交通費と比べれば大差ありませんから、「純正パーツである」という入手ルートの正当性(分解・改造する時点で正当性も何もあったもんじゃありませんが)も加味すれば仕方ないのかな?と思いました。
「動作するかどうかは保証できませんよ」と言われたので、一応確認してもらうことにしました…まあ、最初から「保証できない」という返事が来るのはわかっていたんですが。サービスセンターの担当の方としては、動作しないかも知れない高価な買い物に気を遣ってくれたのかも知れません。もちろん、私の方には動作するという十二分な確信があったんですが。
案の定、3、4日後に「動作は保証できませんが、どうされますか?」との連絡がありました。「アンテナだけでもいいので取り寄せていただけませんか」とお願いしておきました。分解したときに頭を潰しかけてしまった底面のネジもついでに注文してあったので、これは先に受け取りに行きました。小さなネジ1本が小袋に入って100円(税別)というのは、正直なところものすごい割高感を感じます。DIYショップなどで買える汎用品ではありませんから仕方ないのですが。
さらに1週間ほど後に、「アンテナのパーツは流通経路が違うのでこちらでは取り寄せできません」との連絡がありました。部品の内容まで確認できるのにどうして?と思いましたが、「販売店さんに問い合わせてみてください」とのことだったので、ここは素直に引き下がることにしました。保証のできないパーツは売りたくなかっただけじゃないのかな?とも感じましたが、これは邪推でしょうか。
浜松の「市場原理」
ところで、どうして「アンテナだけでもいいので取り寄せて」という対応になったのか?なんですが、実はこの時点で無線LANモジュールはすでに入手できていたんです。Intel PRO/Wireless 2200BGは、パソコン工房浜松店で4,980円(税込)で売られていました。まさか地元で店頭購入できるとは思いませんでしたね。私が見つけたときには、店頭には2個並んでいました。どのくらい売れているのかちょっと気になるところですが、聞きそびれてしまいました。
いかにもOEM向けらしい味も素っ気もないパッケージの中には、メモリよりも一回り大きなMiniPCIの無線LANモジュール本体とともに、ドライバ等を納めたCD-ROMが入っていました。ソフトウェアの入手も心配の種の一つだったんですが、これについてはどうやら大丈夫そうです。
箱に貼られたラベルにはEU向け商品であることを示す各国語の表示があり、国内で本当に使えるのかどうか心配になりましたが、カード本体を見るとこんなマークが付いているのを発見。日本国内での技術基準適合認証済みであることを示すマークですね。これさえあればひと安心です。
もっとも、電波法の技術基準よりも厳しい国際規格であるIEEE802.11b/gを通っているわけですから、現実的にはこのマークの有無の差で周囲に悪影響を及ぼすような違法な電波が出てくるとはちょっと思えません。それでも、今回最大のポイントは「法律上の筋を通す」ことですから、とことんこだわりたい部分です。
ここからは意外にあっさりと
アンテナ一式は、OAナガシマで取り寄せてもらうことにしました。どのパーツを注文すればいいのかは既にわかっていますから、CF-R2Aを片手に「CF-R2C用」を強調しながら説明し、話は比較的順調に進みました。注文に出かけた翌日には必要なパーツと価格が明らかになって、電話で連絡がありました。内訳は↓こんな感じです。
品番 | 品名 | 価格(税抜) |
---|---|---|
DL3UP1188CEA | アンテナ基板 | 1,680 |
DL3UP1376PEA | アンテナ基板(右) | 1,680 |
DFHE5025XA | ネジ | 100×4=400 |
計 | 3,760 | |
消費税(5%) | 188 | |
合計 | 3,948 |
もちろん電話をもらった時点で発注を即答。ちょうどお盆休みを挟むことになり、部品がすべて届くまではしばらく待たされてしまいましたが、無事すべてのパーツを入手することができました。
左右のアンテナ基板は長さ10cm弱の細身の基板です。ほぼ対称に作られていて、これが液晶サイドカバーの内側に入ります。
これなら同じパーツで共用できそうな気もしますが、そうなっていない理由は直にハンダ付けされている極細の同軸ケーブル。右側の方がケーブル長が長くなっています。内部で必要な長さに調整されているわけです。
取り付け用のネジも1個100円で、一つずつ小袋に入っていました。非常に小さく、実は液晶サイドカバーを止めているネジと全く同じ大きさなんですが、このネジはおそらくステンレス製のとても硬いネジです。実は、この硬さが組み込み作業では最大のポイントの一つになります。詳しくはまた組み込むときに説明しましょう。
材料費は合計で9,000円弱ということになりました。これまで使っていたPCカードよりはちょっとだけ安価なんですが、巷で売られている普通の無線LANのPCカードよりは結構割高ですね。それでも、内蔵により外観がすっきりすることを考えれば妥当なところのような気がします。
早速CF-R2に組み込んで報告するつもりです。しばしお待ちを。
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