2004年9月28日(火)
駆け込みで大繁盛
ほぼ半年にわたって開催されていた浜名湖花博も、閉幕が近づいてきました。一時期は知事が本気で心配したと言われる入場者数の減少も、閉幕1ヶ月前になった頃から一気に増えてきました。絶望的かと見られていた入場者数目標の500万人も、この調子なら余裕で達成できるでしょう(後日注・10月3日に500万人を達成しました)。ただ、入場者が増えたからと言っても売り上げはそれほど伸びていないようです。全期間入場券を使ったリピーターがかなり多いようですからね。まあ、リピーターが多いということはイベントの内容としては大成功なんですが。
ただ、入場者数が伸びてくると困るのはじっくり見られなくなること。秋の花博も一度は見に行こうと決めていたんですが、9月上旬の空いていた頃はたまたま忙しくて来られずに、結局出かけたのはこんなに遅い時期になってしまいました。この日は平日の火曜日にもかかわらず入場者は5万人近かったのだとか。まあ、それでも週末よりは多少ましなんですが。
秋には秋の花を愛でる
秋の花博に来たかった理由はやっぱり秋の花が見たいから。前に「春が一番華やか」とは言いましたが、秋には秋の味わいがあります。今回の花博会場で目立っていたのはコスモス。百華園では大きな花壇いっぱいにコスモスが植えられていましたし、それ以外にも各所で見かけました。
他にはキクもたくさん見かけました。コスモスも大きく分ければキク科ということになるわけですが、そこまで手を広げなくとも実に様々な形のキクを見ることができます。キクを中心にいろいろな花をあしらった花車は、日本で行われる国際博覧会らしい雰囲気を作っています。
キクと言えば、この時期の花博の看板とも言える展示の一つが園芸文化館の百種接分菊(ひゃくしゅつぎわけぎく)。1本の株に100種以上もの品種のキクが接ぎ木されて、同時に花を咲かせています。普段は写真撮影禁止の園芸文化館ですが、これだけは特別に撮影許可が出ていました。
この百種接分菊は、地元・浜松市で花博よりも前からずっと花をテーマにした展示をしているはままつフラワーパークの人たちが、江戸時代の技術を現代に復活させたものです。そのフラワーパークでは、花博のあおりを受けて入場者が激減してしまったのだとか。何だか申し訳ない気分です。そういえば私も久しくフラワーパークには出かけていません。たまには出かけてみましょうか。
花博の名月
ところで、この日・9月28日は旧暦8月15日。いわゆる中秋の名月に当たります。これに合わせたのか、庭文化創造館では「月見の庭」を展示していました。建物の外壁には←満ち欠けする月がデザインされています。「月見」なだけに屋内は暗く、スクリーンに浮かび上がる月を眺める仕掛けになっていました。前衛的な中にも日本伝統の文化を意識していて、不思議に気分の落ち着く展示でした。結局この日の夜は天気が悪くなって、本物の月はよく見えなかったんですよね。
この庭文化創造館は1ヶ月ごとに改装され、様々な分野のクリエイターたちが趣向を凝らした「庭」の展示が行われてきました。ほぼ毎回足を運び、これで雪見の庭以外はすべて見たことになりますが、正直なところかなり理解に苦しむものもありました。彼らの感覚が、私が理解するには先鋭的すぎたんでしょうか。
今日のアクセス
自宅~【自家用車】~はまゆう大橋~庄内駐車場(駐車料金1,000円)~【水上交通】(片道600円)~会場
様々な花博へのアクセス手段で、前からずっと使ってみたいと思っていたのが水上交通。今回ようやく利用することができました。これは、その名の通り水上からアプローチする方法で、二つの駐車場とその他数カ所のスポットから船が出て、浜名湖を通って直接花博会場まで連れて行ってもらえます。
この船は漁船などを改造したもので、手作りの素朴さがなかなかいい感じです。小さい艇体で直接風を受けるためか、乗っていてかなりスピード感があります。想像通りの爽快感が味わえました。船頭さんのガイドも楽しかったですね。これを聞くためだけでも600円を払う価値があります。そういえばいろどりクルーズの船長も話術に長けていました。
庄内駐車場から船に乗ると、花博会場中央を南北に貫く水路を通り抜けます。普通にバスで来ても絶対に見られないアングルから、しかも朝早く来れば開場前の誰もいない花博会場を見ることができます。これはちょっとした優越感に浸れますね。
船が着くしおさいゲートは、バスが着くときめきゲートからは約300m東に位置し、実はきらめきタワーの一番チケット確保にも有利な裏口だったりします。総合的に見ても、バスよりは待ち時間が少ないことも含めてかなり自信を持ってお勧めできるルートです。でも帰り道まで乗ろうとは思いませんでしたね。やっぱりシャトルバスの「無料」は強力です。
今日のお食事
西へ西へと進んでいた世界味めぐり。今回はちょっと東に戻ってトルコの露店におじゃましました。ここで買ったのはドネルケバブ。薄切りの焼き肉を野菜と一緒にパンに挟んだものです。堅すぎず、生焼け過ぎずの火の通り具合が絶妙です。ちなみにお値段は一つ500円。まあ妥当なところでしょう。
絶妙な焼き方の秘密が、この独特なロースター。巨大なかたまり肉を回転させながら表面を焼き、焼き上がったところから少しずつ巨大な包丁で削ぎ落とします。ドネルケバブの「ドネル」は「回転」という意味なのだとか。納得です。ちなみに「ケバブ」は「焼き肉」で、串焼き肉のシシカバブと同じ語源ということになります。
トルコと言えば、もう一つ最近話題になった食べ物にトルコ風アイスがありますね。まるで電子レンジで温めた餅のように(もちろんアイスだから冷たいんですが)、あきれるくらいによく伸びる不思議なアイス。ドネルケバブの回転ロースターの隣でアイスを練り込んでいる人が気になって、つい買ってしまいました。350円はちょっと高いな…と思いましたが。
お金と引き替えに空っぽのコーンを渡されました。ここにさっきまで練り込んでいたアイスを乗せてくれるんですが、アイスにコーンが張り付いてそのまま持って行かれてしまいました。不意をつかれた私は思わず苦笑い。もちろん店からすれば計算済みなんですよね。ドネルケバブの削ぎ落としも、妙にハイテンションな呼び込みも含めて、トルコの露店はエンタテイメントとしてはぶっちぎりの最強です。…いや、もちろん味も良かったんですが。
今日のお土産
今回見つけてきたのは、小物のキャラクターグッズです。とは言っても、公式マスコットの「のたね」ファミリーではない、ちょっと色物狙いの一品です。
写真の左にあるキーホルダーは、皆さんお馴染み「ハローキティ」の花博バージョン。サンリオの看板キャラクターで、今や全国どこに行っても生息しているあのキティちゃんです。今年30歳なんだそうですが、全然年齢を感じさせません…というのはともかく、どんな被り物でも嫌がらずにこなすけなげな子ですねぇ。最近はドラえもんとの縄張り争いが熾烈だという話もありますが。
そして、右のパール付き根付けは、山本寛斎氏を形取ったもの。あのKANSAI SUPER GARDENのデザイナーですね。正直なところ、優秀な展示が多い花博の中ではあれが最強の「がっかり展示」のような気がするんですが、土産物店では全体的にほのぼのした雰囲気が支配する中でKANSAIコーナーが独特の怪しい存在感を放っていました。
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