似ているふたり

先週日曜日の弟の結婚式は無事終わりました。今まで見たこともない、いろいろな趣向を凝らした楽しい披露宴を見せてもらいました。それにしても、チャイナ服姿の新郎新婦がラーメンを振る舞う披露宴なんて初めて見ました。まあ、ラーメン好きは私も同じなので、この演出にも納得してしまうわけですが。しょうゆとんこつ味の美味しいラーメンでした。

私の出番は、新郎挨拶のところに入りました。というよりも、新郎挨拶の代わりに二人で歌うことになっていたんです。最初に聞いたときはびっくりして、こんな大事な場面で私が目立ってしまっていいんだろうか?…と思ったんですが、スポットライトを浴びて、グランドピアノを弾きながらマイクに向かって歌うのはなかなか気持ちいいモノです。ちょっとは場を盛り上げることができたのかな?と思います。ずいぶんトチってしまったのは、まだまだ経験不足だからでしょうか。


金曜日・10月1日に、日本プロ野球のセ・リーグで中日ドラゴンズがリーグ優勝を決めました。Weekly SSKを書き始めた年以来5年ぶりの優勝です。今年は1度も4連敗していないという安定した強さを見せつけていましたから、あとはいつ決めるか…という状態でした。それでも、やっぱりドラゴンズファンとしてはこの日を迎えたのはとても嬉しいですね。

マジックを1としていた当日の試合は、もちろんスカパー!で観戦していました。マジック対象チームだったヤクルトスワローズが先に負けてしまい、ドラゴンズの試合が終わる前に優勝が決定。しかも、ドラゴンズは延長12回を戦った末に敗北し、「負け試合の後で胴上げ」という結末になってしまいました。こういうこともたまにはあるわけですが、ペナントレースは140試合(今期のセ・リーグ規定試合数、今年はストライキのため2試合少ないんですが)を通した結果です。この試合の勝敗に関係なく、ここはリーグ優勝したことを誉めるべきでしょう。


今年のドラゴンズを語る上で、今シーズンから指揮を執った監督・落合博満氏のことに触れない訳にはいきません。監督に就任したときから春季キャンプ、オープン戦、公式戦での采配と、ことごとくこれまでの常識を覆す行動を見せ続けました。最初の頃はマスコミでもやり玉に挙げられることが多かった訳ですが、そんな雑音を「結果を出す」という最強の手段でシャットアウトしてしまいました。しばしば彼のことを表現するために使われる「オレ流」という言葉ですが、理解不能なことを示すキーワードだったのが、いつの間にか賞賛の言葉に変わっていました。

優勝が決まった後で改めて記録の数字を見ていくと、とんでもない事実に気が付きます。何と、昨日までで総得点の589はリーグ最低。点を取らなくては試合に勝てないわけですから、得点最低のチームが優勝するというのは、失点もリーグ最低の548であることを割り引いても大変なことです。落合監督は「大型補強はせず、現有戦力の底上げで日本一になる」と宣言したわけですが、得点力の低さを他のあらゆる面でカバーした結果なのでしょう。

ホームランの本数が107本というのはぶっちぎりのリーグ最低ですが、これは最近のドラゴンズのチームカラーでもありますし仕方のないところです。しかし、107本のうち11本が代打ホームランで、これはリーグトップの数なのだとか。私は「試合でできることは選手起用を考えるくらいのモノだ」と思っているわけですが、その数少ないポイントでの判断の的確さを示す数字だと思います。

次は日本シリーズ。まだ対戦相手は決まっていませんが、是非勝って日本一になってほしいですね。大阪近鉄バファローズは1度も日本一になれずに歴史を終えるわけですが、ドラゴンズだって日本シリーズに勝ったことはまだ1度しかありません。実はあまり他人のことは言えないんです。「次は勝って胴上げします」。落合監督の有言実行を期待しましょう。これまでもそれをずっと続けてきた人ですから。


同じ10月1日(日本時間では翌2日)に、アメリカ・メジャーリーグではイチロー選手が年間最多安打記録を更新しました。こちらも試合前には「マジック1」としていたわけですが、そこから一気に3安打して記録更新。259安打まで記録を伸ばしています。先々週の時点では達成はちょっと厳しいかな?という状況でしたが、そこから再び安打を量産して、見事シーズン終了に間に合わせました。やっぱり彼はすごい人です。残りあと2試合。彼はどこまで記録を伸ばせるんでしょうか。

ふと思ったのが、「落合監督とイチローって似てるなぁ」ということ。落合監督は、現役時代には三冠王を3度も獲得した名選手ですよね。卓越した打撃技術を持ち、それが常人にはちょっと理解できない言葉で語られるところはよく似ています。そして、試合に臨む冷静沈着な姿勢もよく似ていると思います。二人とも、試合中に興奮した様子をテレビ画面などで見ることはまず不可能です。

優勝へのマジックを1に減らした日、落合監督は神宮球場のファンの声援に対してガッツポーズで答えました。それまで常に不敵な笑みを浮かべ続けていたのと比べると全く違う行動で、私ならずとも多くの方はびっくりしたことでしょう。しかし、最多安打記録を更新して、チームメイトたちに囲まれて満面の笑みを浮かべるイチロー選手を見て、こんなところでも二人は似ているんだ…と感じました。熱い気持ちを普段は内に秘めているんですね。もちろん、それがなければ高い目標を実現することなんてできないのだと思います。


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