急に冷え込んできた今日この頃ですが、こんな時期ならではのスポーツも始まっています。今週末は名古屋でフィギュアスケートのNHK杯が行われました。女子シングルでは、地元・名古屋出身でジュニアを卒業したばかりの4回転娘・安藤美姫選手が、4回転ジャンプを封印して2位に入賞しました。フリー演技の得点は優勝した荒川静香選手を抑えてのトップ。大胆にして冷静な計算も働いた演技でしたね。末恐ろしい16歳です。
11月2日に、プロ野球パ・リーグに東北楽天ゴールデンイーグルス(ちょっと長いのでこの後は略称の「楽天イーグルス」と書きますが)が新加入することが決まりました。6月から混乱が続いてきた日本プロ野球界でしたが、とりあえずこれで来年は両リーグ6球団ずつの12球団で運営されることになります。
ライブドアと楽天の2社から出されていた加盟申請が審査されましたが、ポイントになったのは長期にわたって安定的に経営を続けられるだけの体力があるかどうかだったそうです。確かに、冷静に企業としての経営状況を審査すれば、安定しているのは楽天の方だと思います。各球団が10億円単位の赤字を出しているパ・リーグで、現在の年間利益が50億円程度のライブドアと100数十億円の楽天を比べたら、その差は圧倒的です。
6月に球団合併が明るみに出たとき、真っ先にバファローズを買収する意志を示したライブドア。これに対して、選手会がストライキを掲げた頃になって名乗りを上げて、ライブドアと同じ仙台を本拠地に加盟申請を出した楽天。「後出しじゃんけん」とか、さらには既存球団との密約があったのでは?とか言われますが、経過を見る限り、どう見ても後から楽天が横やりを入れたようにしか見えません。
楽天も東北地方に生息する天然記念物のイヌワシ(”Golden Eagle”)を球団名に付けるなど、地元密着を目指そうとする気持ちは見えるんですが、地元は圧倒的にライブドア支持だったようです。まあ、どちらが選ばれても仙台に新球団が出来ることは同じだったというわけで、楽天イーグルスが地元のファンを獲得するために障害はそれほど無いような気がします。やっぱり地元球団が出来るというのはとても嬉しいことですよ。
両社とも社長は他球団オーナーと親子くらい(それ以上?)の差がある若さで、挑戦的な姿勢を前面に出していました。しかし、ライブドアの堀江社長のやり方はあまりに過激だったのでは?と思いますね。その点、楽天の三木谷社長はずっと落ち着いた印象を与えていました。単に彼の方が年上だと言うことだけではなく、対決する相手のことを考えたさじ加減が上手かったのかな?と感じています。
これからも長年付き合って行かなくてはならないことまで考えたら、対決するばかりではお互いに進んでいけません。密約があったのかどうかはともかく、既存球団のオーナーたちからすれば、選手会と約束した「努力」としては楽天の加入を認めるのがギリギリの落としどころだったような気がします。
新規参入が決まった楽天が新球団として見せた最初の動きが、あの一場靖弘投手を獲得したいとの意思表明。早速挨拶にも訪れました。これまでに他球団も獲得の意志は見せていましたが、どうやら彼は自由獲得枠でイーグルス入りということになりそうです。スキャンダルになってしまった彼の獲得競争でしたが、各球団が血眼になっている頃にはまだ存在すらしていなかったイーグルスはこれとは無縁です。心機一転、新しいスタートにはうってつけの舞台かも知れません。
今後は、合併して出来たオリックスバファローズとの選手の分配、さらには他球団からの選手の獲得…ということで選手を確保していくことになるわけですが、各球団とも看板になるような主力選手は放出してくれませんから、選手の能力として他球団と互角に渡り合うのは容易なことではありません。「個人の能力差はチームワークでカバーする」という考え方もありますが、新規参入ではチームのまとまりを一から作り上げなくてはなりませんから苦労することでしょう。
正直なところ、来年のイーグルスは全然勝てないのではないかな?と思います。まあ、あわてずにじっくりと、数年後に実力も経営も軌道に乗せていくくらいの気持ちで行くしかないのではないでしょうか。豪華な戦力を寄せ集めても優勝できないことは、他球団が証明してくれていますし。
ところで、イーグルスの参入するきっかけにもなった新・バファローズではちょっと困ったことになっているようです。2球団の戦力を合わせれば強力なチームが出来るはず…ということで合併したわけですが、新球団への残留を拒否する主力選手が続出しています。「新球団には愛着がわかない」というのが大きな理由になっているのだそうですね。球団は一つに出来たものの、選手たちの心は一つに出来なかったようです。このままでは、案外イーグルスの後塵を拝する事態になるかも知れません。少なくとも、現時点での注目度では大きく後れを取っています。
…と、このあたりで今日の話は終わりにしようと思ったんですが、プロ野球界の激動の流れはまだ止まりません。有価証券報告書の虚偽記載問題で経営が大ピンチに陥っているところで、西武ライオンズが球団の売却をよりによってライブドアに持ちかけたのだとか。…まあ、他の数社にも声はかけていたそうですが。堀江社長も、新規参入で楽天に敗れたときには意外にさっぱりした表情を見せていましたが、そう簡単にあきらめたとも思えません。200億円以上とも言われる売却価格がネックになっているようですが、今後も注目しましょう。
福岡ダイエーホークスも株式の売却を検討しているという話が入っています。これを先に名乗りを上げたソフトバンクが買うことにでもなれば、パ・リーグ3球団がIT関連企業の所有になる…という事態だってあり得ます。それどころか、このシナリオだと形態が変わらないのは日本ハムと千葉ロッテだけ。ただでさえ経営危機のパ・リーグが、こんな綱渡りでリーグを維持できるのでしょうか?。まだまだ大きな動きがありそうです。
そんなドタバタを横目に、2年に1度の日米野球が行われています。今年はここまでメジャーリーグが3戦3勝。日本チームもいいところを見せているとは思うんですが、最後にはメジャーのパワーに圧倒されています。やっぱり日本人の私としては日本チームに勝ってほしいものです。まだまだ試合は続きます。一つでも多く勝利を挙げてほしいですね。
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