最近、バタバタと忙しい日々が続いています。一つ困っているのは、ゆっくりDVDを見る時間が取れないこと。レンタルDVDでは見られない特典ディスクが見たくて、最近は映画のDVDディスクを買うことも結構増えているんですが、なかなか見られずに居間のラックに並んだままになっています。先週、先月初めに買ってあった「デイ・アフター・トゥモロー 2枚組特別編」をようやく見ました。特殊効果の映像はものすごかったですね。ストーリーは実にハリウッド的なわかりやすいものでしたが。
まあ、こうなってしまうのはセルDVDにはレンタルのように「●●日までに見なくてはならない」というプレッシャーがないせいかも知れませんけどね。ついつい後回しにしてしまいます。時間はあるかないかではなく、作らないと出来ないものですよね。それでも、「スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX」みたいにヘビーなものがあったりしますから大変です。特典ディスクまで含めたら10時間はかかりそうです。
洋画のDVDを買ったり借りたりしてくると、最初は必ず「原語音声・日本語字幕」で見ます。dtsなどの高音質な音声トラックが原語版でしか用意されていないことが多い…ということもありますが、最大の理由は俳優の声質や話し方のイメージを制作されたそのままに受け取りたいから。映画館で見るときと全く同じ理由です。
そして、2回目以降には音声と字幕の組み合わせをいろいろ変えて楽しみます。複数の音声トラックや字幕を記録できるDVDならではの楽しみ方と言えるでしょう。作品によっては、監督や出演者、スタッフが舞台裏を語るコメンタリートラックが用意されています。暴露ネタが多くて結構楽しめますね。「日本語吹き替え音声・コメンタリー字幕」なんて設定が出来ると、内容が非常にわかりやすくなります。
もちろん、必要性に応じた使い分けというのもありますよね。例えば、車内で退屈しのぎに再生するときはたいてい吹き替え音声を使います。あの小さな画面で字幕を読んでもらうのはちょっと大変でしょう。画面を注視しすぎると車酔いしかねません。
最近、結構私のお気に入りなのが「日本語吹き替え音声・日本語字幕」の組み合わせ。もちろん、作品の内容を理解するためにはどちらか片方があれば用が足りるわけですが、私が注目しているのは吹き替えと字幕での表現の違い。同じ台詞を同じ日本語に翻訳しているはずなのに、どうしてこんなに?というくらいの違いが出てくるんですよね。それを比較するのが結構おもしろいんです。
字幕も吹き替え音声も、作品の映像によって時間が制約される中で的確に意味を伝えなくてはならない…という意味では同じなんですが、その難しさは全く違うと思います。字幕の場合、それを目で追って読まなくてはなりません。映像を見るのにも同じ目を使っているわけですから、あまり字幕が多いと肝心の映像を見る余裕が無くなってしまいます。ですから、字幕はそれをなるべく短時間で読んで理解できることが優先されるべきです。
そう思いながら字幕を見ると、余計な言い回しは削ぎ落とされ、表現は実に簡潔になっていることがわかります。もちろん、その限られた条件の中でも、言葉遣いの工夫などで各登場人物の個性を出そうという姿勢を感じ取ることが出来ます。このあたりが翻訳の腕の見せ所なんでしょうね。
一方の吹き替えは、耳で聞けばいいわけですから、字幕と比べると時間的制約は少し緩やかです。しかし、翻訳された後の台詞には、会話として原語と同じようにスムーズに流れていることが要求されます。登場人物一人一人の個性を引き立てるためには、意味を伝えるだけではダメ。ときには回り道の表現だって必要です。これはこれで大変なはず。
吹き替えの場合、どう翻訳されているか以外に、その台本を読む声優の技術も重要なポイントでしょう。最初に日本語吹き替えで見た(テレビ放送だとこうならざるを得ないわけですが)映画だと、声優の声がすっかり登場人物と結びついてしまい、後で字幕で見ると違和感を覚えることがありますよね。もちろん、そう思わせてくれるのが彼らのプロの仕事。声でしか表現の出来ない声優の仕事は、普通の俳優よりもさらに難しいのでしょうね。
そう言えば、「ラストサムライ」のときには台詞を完全に日本語に吹き替えるのではなく、英語の台詞の上に日本語を被せる「ボイスオーバー」という手法が使われたんですよね。もともと作品中に日本語と英語が飛び交う作品で、ときには同一人物が両言語を使い分けます。しかもそのこと自体が物語のポイントになるわけですから、完全に日本語にしてしまったら逆に訳がわからなくなります。実際にいろいろなパターンで見てみましたが、やっぱり「原語音声・日本語字幕」が一番わかりやすかったですね。
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