中途半端に最先端

散財の季節?

今年も無事冬のボーナスが支給されました。相変わらず景気がよいとは言えないご時世に、もらえるだけでも喜ぶべきだと思っています。…と言いながらも、もらえる前からいろんなものの購入計画を立ててしまう自分はまだまだ甘いのかな?と思ったりして。これからしばらくの間は、いろいろと購入したものがSSK Worldのそこかしこで記事となって紙面をにぎわせるはずです。

今回、その購入計画の中に組み込んであったのが、S3スタンバイ状態からの復帰が不安定だった自作PCの状況を改善するために一部のパーツを入れ替えること。資金難でこの件については一時保留にしてあったんですよね。それにしても、最近はボーナスの出るたびにこのコーナーにネタを供給しているような気がするんですが…。

さて、いったいどうしたものか

いろいろなパーツを借りるなどして検証してみた結果、原因は2箇所にほぼ特定できました。一つはハードディスクのマザーボードとの相性、もう一つはマザーボードのAGP周りの問題。どちらか一つを解決すれば…というわけにはいかないようです。

両方を一気に解決するためには、マザーボードを新しいものに換えるのが一番手っ取り早い方法です。今のマザーボードを買ってから10ヶ月の間に、Intelのチップセットは9xxシリーズに世代交代していますから、出来ればこれを試してみたいところなんですが、困ったことに9xxシリーズを使うためには全てを交換しなくてはなりません。ソケット形状が変わったCPUも、インターフェースが変わったビデオカードも、場合によっては次世代のメモリも。もちろん、その変化こそが世代交代の最大のポイントなんですが。

特に今のCPUにはかなりこだわりもあるわけで、買い換えてもそれほど高速にはならないことも考えるともったいない気がします。かといって、今更8×5世代のマザーボードを買い直すのも何だか間抜けな気がしますし…結構悩まされました。

ASUSTeK P4GD1

新しい革袋に古い酒

しかし、世の中にはちゃんとこういう悩みに応えてくれる変な製品が存在するんですね。結局選んだマザーボードはASUSTeKのP4GD1。最新世代の915Pチップセットを採用しながら、CPUソケットは新しいLGA775ではなく従来のSocket478…という変わり種です。AGPではなく新規格のPCI Express x16スロットに差すことになるビデオカード以外、これまで使っていたパーツがほとんど使えます。

RADEON X700 Pro(左)とRADEON 9700 Pro

そのビデオカードには、ATI社のRADEON X700 Proを採用したPowerColorの製品(写真左)を選んでみました。ビデオカードの世界も事実上nVIDIA社とATI社の2強状態ですが、プリンタのように2強を交互に乗り換えているわけではなく、気が付くとなぜかRADEON党になっていましたね。

先代のRADEON 9700 Pro(写真右)とほぼ同じサイズで、能力はスペック表を見比べると総合的にはやや上回ると思われますが、外部電源端子はありません。PCI Express x16スロットの電源供給能力は強化されていますし、製造プロセスの微細化で消費電力もたぶん下がっていますから、必要ないのでしょうね。価格もVRAM 128MBモデルで2万円台半ばに下がっています。ありがたいことです。

先代のマザーボード・GA-8IPE1000 Pro2には搭載されていたIEEE1394ポートがP4GD1には搭載されていないので、PCI拡張カードの安いのを1枚買ってきました。せっかく高速な次世代インターフェースのPCI Express x1も使えるようになったのに、肝心の拡張カードが全然巷に出てきませんよね。高速シリアルインターフェースであるIEEE1394は、最もPCI Express向きの使い道の一つだと思うんですが。

中身が丸見え

抜群の安定性

早速これらのパーツを組み込んでみました。今回の話とは全然関係ありませんが、ケースの左サイドパネルをソルダム純正オプションのNUDIE L COVERに交換したので、アクリル製の窓から中身は丸見えです。水冷CPUクーラーが強力に自己主張しています。新ビデオカードに付け替えたビデオカード用ファンレスヒートシンクも負けてはいません。

OSを入れっぱなしのハードディスクをつなぎ、ドライバ類を入れ替えたら、拍子抜けするくらいあっさりとできあがり。どう考えてもかなり派手にハードウェア構成が変わったと思うんですが、再アクティべーションは求められませんでした。…まあ、動いてくれればそれでいいんですが。

問題のS3スタンバイへの移行と復帰なんですが、最初普通に組み上げた段階でスタンバイに入ろうとすると、すぐに復帰して元に戻ってきてしまいます。これでは何のために買い換えたのかわからないではないか…といろいろチェックしてみたわけですが、マザーボード上のジャンパでUSBへの電力供給を+5Vから+5VSBに切り替えることで解決しました。おそらく、マウスやプリンタなど常時つながっているUSBデバイスへの電源供給が切れるときに、復帰の信号が認識されてしまうのでしょうね。ただ、+5VSBはそれほど潤沢ではない出力なので、マウスとプリンタをつなぐポートのみをこちらに切り替え、それ以外のポートは+5Vのままにしてあります。

その後の動作は実に快調。S3状態への移行、復帰とも確実に成功します。しかも、体感できるくらい動作が速くなりました。このあたりは、新しいハードウェア同士の組み合わせによる強みだと思うんですが、そう考えるとMTV1000のような古いPCIデバイスがきっちりとこの動作についてくることは驚異的です。


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